日産の名車「ブルーバード」の歴代モデルを画像付きで解説!

日産 ブルーバード

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日産 ブルーバードといえば、文字通り「一時代を築いた」モデルです。ブルーバードは、1959年(初代)から2001年(U14)まで販売され、その後は、サニーをベースに開発されたブルーバード シルフィへと移行しました。その日産 ブルーバードの歴代モデルや燃費、中古車での価格などに迫ります!
Chapter
日産 ブルーバードってどんな車?
初代310型系ブルーバード -1959年登場-
2代目410型系ブルーバード -1963年登場-
3代目510型系ブルーバード -1967年登場-
4代目610型系ブルーバード -1971年登場-
5代目810型系ブルーバード -1976年登場-
6代目910型系ブルーバード -1979年登場-
7代目U11型系ブルーバード -1983年登場-
8代目U12型系ブルーバード -1987年登場-
9代目U13型系ブルーバード -1991年登場-
10代目U14型系ブルーバード -1996年登場-
ブルーバードとのお別れ・・・
ブルーバードの燃費・維持費について
ブルーバードの中古車価格・中古市場は?

日産 ブルーバードってどんな車?

昭和の時代に大活躍した日産のロングセラー、ブルーバードは、日本のモータリゼーションとともに歩んできたミドルサイズセダンです。

その歴史の始まりは、1959年デビューの310系ダットサン ブルーバードですが、そこには戦前から販売されていたダットサンブランドのセダンの系譜を見て取ることができます。

そんな由緒正しいブルーバードですが、2001年にカタログ落ち。ひと回り小さなボディを持つブルーバード シルフィも2012年に消滅し、長い歴史に幕を閉じました。

初代310型系ブルーバード -1959年登場-

1959年8月発売。1955年発売のダットサン・セダン(110型)、1975年発売のダットサン1000(210型)の後を継ぐ形で登場したため、「ダットサン・ブルーバード」という名前で販売されました。

また、「幸せを運ぶ青い鳥」というキャッチコピーとともに登場し、その独特のテールランプの形から「柿の種」の愛称で親しまれました。

エンジンは、1.0Lと1.2Lの直列4気筒OHV。1.2Lモデルにのみデラックスグレードが用意されていました。

主要部品はダットサントラックと共用するブルーバードですが、セミモノコックボディやラダーフレームを低床式にすることで、軽量化や剛性アップが図られています。フロントサスペンションは、独立懸架を採用。乗り心地と走行性能を確保していました。

乗車定員は、初期モデルでは4名。1959年10月に後部座席寸法を見直し、5名になっています。ボディサイズは、3,915×1,496×1,470mm(全長×全幅×全高)でした。

その他、エステートワゴン、女性専用仕様など、当時としては画期的なモデルバリエーションもトピックです。

2代目410型系ブルーバード -1963年登場-

日産初のモノコック・ボディを採用したことで話題となったこの410型系。1963年9月に4ドアセダンと5ドアワゴンが発売され、翌1964年に1200SSが追加されました。そして何よりも、後にブルーバードの伝統となるSSS(スーパー・スポーツ・セダン)の名を冠した「1600SSS」が登場したのもこの2代目ブルーバードです。

フルモノコック・ボディを採用しことにより、ボディ剛性は、乗り心地、ハンドリング、静粛性などあらゆる面で初代を上回る性能確保に貢献しています。2代目ブルーバードに搭載するエンジンは、直列4気筒OHVの1.0Lと1.2Lでした。

さらに、1964年9月にマイナーチェンジが行われ、1.0Lエンジンを廃止するとともに、2ドアセダンを追加。SUツインキャブを備えたスポーツモデル 1200 SSもデビューしています。

加えて、1965年5月のマイナーチェンジでは、1.2Lエンジンを1.3Lに拡大。バンボディがラインナップに追加されました。また、同時にSUツインキャブを装着した1.6L 4気筒OHVに、4速MTを組み合わせた1600 SSSがデビューしました。

ボディサイズは、全長3,995×全幅1,490×全高1,415mm。ブルーバードの乗車定員は5名でした。

2代目ブルーバードはモータースポーツにも積極的に参戦。1966年のサファリラリーではクラス優勝を果たしています。

3代目510型系ブルーバード -1967年登場-

スーパースポーツセダンの色合いが濃く、1967年~1972年まで活躍。シリーズの中でも大きな成功を収めたことで知られる510型です。このモデルからブルーバードは1300cc以上のモデルへと移行し、車体は大型化されました。

外観は、直線的でシャープなスーパーソニックラインと、ロングノーズ・ショートデッキを融合させた均整の取れたシルエットで、三角窓の無いサイドウインドウも特徴で、海外でも高い評価を集め、史上初めて北米市場でヒットした日本車となりました。

搭載エンジンは、同じダットサン系列のサニーと棲み分けが行われた結果、1.3Lと1.6Lの2本立てとなりましたが、エンジンはいずれも新開発の水冷直列4気筒SOHC(L13とL16型)に刷新されています。

またスポーツモデルの1600 SSSには、日産初の四輪独立懸架を採用し、走行性能を大幅に向上。その後、1970年になると、1,770ccの直列4気筒SOHC(L18型)(1770cc)を搭載した1800 SSSを発売。1.3Lエンジンは1.4Lに拡大されました。

ボディタイプは、2ドアセダン、4ドアセダン、2ドアクーペ、ワゴン、バンの5種類。グレードは、セダンとバンにスタンダードとデラックスを展開。ボディサイズは全長4,095×全幅1,560×全高1,420mmで、乗車定員5名でした。

モータースポーツ活動も継続され、海外ではアフリカのサファリラリーでは総合優勝とチーム優勝の2冠を達成、国内ではサーキットを中心に活躍しました。

4代目610型系ブルーバード -1971年登場-

スポーツ志向の510型と併売され、ファミリー向けとして販売されたのが610型です。1971年~1976年まで販売されました。

先代よりもさらに上級グレードへと進化したブルーバードは、ボディを大型化。そのサイズは、4,215×1,600×1,415mm(全長×全幅×全高)となり、広い車内空間を実現しています。ボディタイプは4ドアセダン、2ドアハードトップ、ワゴン、バンの4つ。

搭載エンジンは、直列4気筒の1.6Lと1.8L。1973年のマイナーチャンジで、2.0LのL20型直列6気筒を積んだの2,000ccエンジンの2000GTシリーズが追加されました。

こちらの4代目もラリーに積極的に参戦し、1973年のサファリラリーでは、2台のブルーバードが2位と4位でフィニッシュし、チーム優勝を果たしています。

5代目810型系ブルーバード -1976年登場-

510型系のバイオレットが710型となったため、810型として誕生した5代目ブルーバード。車名は再び「ブルーバード」に戻っています。

1976年~1979年までと販売期間が短い理由は、販売不振によるものでした。オイルショックの影響もあり、省エネとそれに伴う性能低下への対処を優先して製造されたモデルになっています。

ボディは、4,260×1,630×1,390mm(全長×全幅×全高)と先代よりも大きく居住性の向上を図ったモデルです。

搭載されたエンジンは、直列6気筒の2.0Lと、直列4気筒の1.6Lと1.8L。しかし、排出ガス規制のために高性能エンジンを搭載したモデルはありません。

外観では、前期型が丸目4灯ライトで後期型が角目4灯ライト。

1978年9月のマイナーチェンジでは、名称がダットサン・ブルーバードから日産・ブルーバードへ変更されました。(ただし、正式名称はダットサン・ブルーバードのままでした)

ボディタイプは4ドアセダン、2ドアハードトップ、バンという展開です。

6代目910型系ブルーバード -1979年登場-

フォルムが直線的になり、510型の再来と呼ばれたモデルです。「ブルーバード、お前の時代だ!」というキャッチコピーで宣伝され、小型車で27カ月連続で登録台数首位という驚異的なセールスを記録しました。

6代目ブルーバードは先代の販売不振を払拭するために直列6気筒搭載モデルを廃止。直列4気筒エンジンのみのラインナップとなりました。

外観も、直線的ですっきりとしたデザインとなり、展開されたボディタイプは、4ドアセダン、2ドアハードトップ、4ドアハードトップ、バン、ワゴンの5種類。

エンジンは、1.8LターボのZ18ET型に、1.6LのZ16型、2.0LディーゼルのLD20型の3種類。ガソリンエンジンのみ、1982年のマイナーチェンジでCA型に変更されました。

セダンのボディサイズは、4,510×1,655×1,370mm(全長×全幅×全高)です。

モータースポーツでは、当時のグループ5規定に合わせて製作されたブルーバード・ターボがあります。

2ドアハードトップをベースとしたそれは、一部をパイプフレームとした専用シャシーに、大型フロントスポイラーやウィングを備え、エンジンは最高出力570ps/7,600rpm、最大トルク55kgm/6,400rpmを発生するLZ20Bを搭載。富士のスーパシルエットシリーズなどで活躍しました。現在はレストアされ日産座間記念車庫に保管されています。

7代目U11型系ブルーバード -1983年登場-

1983年10月に日米で同時発売されたのが、7代目U11型。モデル形式が単なる数字からUの文字が付くようになりました。

U11型ブルーバードのトピックは、駆動方式が前輪駆動(FF)になったことと(営業車モデルはFRのまま)、正式名称も日産 ブルーバードに改められたことです。

デザインは6代目910型の直線的なデザインを引き継いでいますが、ブルーバード初のエンジン横置きFF車という大きな違いがあります。それまでのブルーバードは全てFR車でした。

ボディタイプは、4ドアセダン、4ドアハードトップ、ワゴン、バンの4種類。サイズは、4,500×1,690×1,370mm(全長×全幅×全高)。ボディを拡幅することで、FFのデメリットでもあるトルクステアを軽減する方向へデザインされていました。

搭載エンジンは、ガソリンはCA型の1.6L、1.8L、2.0L。ディーゼルは、2.0LのLD20型というラインナップでした。

8代目U12型系ブルーバード -1987年登場-

ブルーバードで初めて四輪駆動車が登場したのがこのU12型。U11型と比べると少し丸みを帯びたデザインに変わっています。1987年~1991年まで、様々な進化を遂げながら活躍しました。

ボディタイプは、4ドアセダン、4ドアハードトップ、5ドアハッチバックセダンのバリエーションで、サイズは、4,520×1,690×1,375mm(全長×全幅×全高)。搭載エンジンは、SRシリーズが追加され、2.0L(SR20)、1.8L(SR18、CA18)、1.6L(CA16)に、ディーゼルの2.0L(LD20Ⅱ)がありました。

また、この8代目には、オーテックジャパンが開発を行い日産自動車が製造、NISMOが販売を行うラリー競技のベース車両、SSS-Rが販売されました。

ATTESA搭載のフルタイム4WDに、専用にチューニングを施したCA18DET-Rエンジンを搭載。このエンジンは、最高出力185PS、最大トルク24.5kgmを発生。その他、ステンレスエキゾーストマニホールド、コスワース製アルミピストンなどが奢られています。

このスペシャルエンジンは前期型のみで、後期型ではノーマルのSR20DETが搭載されています。

最後に8代目に搭載された2つの先端技術について見ていきましょう。

・ATTESA(アテーサ)搭載の四輪駆動
日産自動車が開発したビスカスカップリング付きのセンターデフ方式を採用したフルタイム4WDシステムで、ブルーバードに初搭載されました。前後輪で生じる回転差を吸収することで、前後輪直結で起こっていた急旋回時に起こるピッチングを防ぎます。

・STC-Sub
スーパーコントロールサスペンションと呼ばれ、これも8代目ブルーバードに初搭載されました。
後輪用のサスペンションで、高速走行時の車線変更などに起こるヨーイングに対してその現象を早期に収めるためにブッシュのたわみを利用し不等長のパラレルリンクとラジアスロッドによってトーをコントロールし対応しヨーイングを抑えるだけでなくコーナリング性能も向上しました。

9代目U13型系ブルーバード -1991年登場-

9代目(U13型)ブルーバードは、1991年~1995年まで活躍したモデルです。

このU13型では大胆な作り分けが実行されました。日本向けにハードトップボディのARX(アークス)シリーズを、米国市場に向けて410型以来の伝統であるSSSの名を冠したセダンを用意しました。

外観は、北米の日産で発案されたデザインが採用され、大きく変更。日本車では珍しい尻下がりのデザインになっています。

ボディサイズは、4,585×1,695×1,405mm(全長×全幅×全高)。全高を高くすることによって居住性を高めていました。

ボディタイプは4ドアセダンと4ドアハードトップで、搭載エンジンは、2.0LのSR20DEとSR20DET、1.8LのSR18DE型という3種類が用意されました。

特徴的な装備として、車内のマイクで収音した音と逆位相の波形の音を専用スピーカーから出し、車内騒音を軽減させるアクティブノイズコントロール、フロントウィンドウに速度や警告灯を表示する機能があったのですが、その独特なフォルムから好みが分かれ、販売台数は伸びませんでした。

10代目U14型系ブルーバード -1996年登場-

デザインが一新され、日本人に好まれるオーソドックスな箱型へと戻された10代目(U14型)ブルーバード。販売は、1996年~2001年で、この代をもってブルーバードは生産を終了ました。

4ドアハードトップはラインナップから外され4ドアセダンのみのラインナップ。ボディサイズは、4,565×1,695×1,395mm(全長×全幅×全高)です。

搭載されたエンジンは、2.0LのSR20VE、SR20De、1.8LのQG18DD、QG18DE、SR18DE、ディーゼルは2,000ccのCD20、CD20Eが用意されました。

トランスミッションは、5MTとOD付きの4速AT。ATはマイナーチェンジで、ハイパーCVTに変更されました。

ブルーバードとのお別れ・・・

10代目以降も、ブルーバード・シルフィがその名を継承していたブルーバード。

しかし2012年12月のフルモデルチェンジの際、ついにブルーバードの名ははずされ、ブルーバードの名が付く車はこの世に存在しなくなってしまいました。

ブルーバードは50年という非常に長い歴史をもつ車です。日産自動車を語るうえで外せないとも言えるこの名車は、各代でその当時の流行りやその時の最新自動車技術を知ることができます。

今後、歴史あるブルーバードの名が復活することに期待ですね。

ブルーバードの燃費・維持費について

ブルーバードの歴代の燃費を見てみましょう。

初代〜7代目モデルまでは、さすがに歴史が古く、カタログ等を見ても燃費が記載されていませんでした。

では、8代目から見てみると、8代目は8.6km/L~14.0km/L 、9代目は9.8km/L~14.6km/L 、10代目は10.4km/L~17.2km/L でした。現代のエコカーと比べるとやはり燃費性能は悪く、維持費はかかってしまうでしょう。

ブルーバードの中古車価格・中古市場は?

ブルーバードの中古車市場をネットにてチェックしてみると、2016年6月現在、全国には約50台の在庫がありました。

面白いのが、新しいモデルほど価格が安い傾向にあることです。
たとえば最終モデルに関してはかなりリーズナブルで、車両価格が200,000円を切っている物も珍しくありません。

ところが、年式が古くなるとともに高くなる傾向にあります。特に駆動方式がFRだった6代目の910系以前のモデルは、100万円以上の値札をつけたものが多く、モータースポーツで数多くの成績を残した3代目の510系に至っては300万円を超えることもあります。

言うなれば、ブルーバードの中古車はマニアの世界です。中古相場も「プレミア相場」となっていますので、値引きは難しいでしょう。
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