ヘリテイジの威容を示すスクランブラー1100

アヘッド Ducati Scrambler 1100 Special

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この夏、スクランブラー1100が日本上陸を予定している。昨年のEICMAミラノショーで発表されたこの新型車は、スタンダードモデルである「スクランブラー1100」に加えて、スポーツバージョンの「スクランブラー1100スポーツ」、より上質なパーツを装着したカスタムモデルの「スクランブラー1100スペシャル」の3モデルで展開される。

text:河野正士 [aheadアーカイブス vol.186 2018年5月号]
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ヘリテイジの威容を示すスクランブラー1100

ヘリテイジの威容を示すスクランブラー1100

この〝スクランブラー〟とは、2015年から日本デビューを果たしたドゥカティの新ブランドのことだ。ドゥカティのラインアップに含まれるモデルファミリーではなく、ロゴマークもブランドカラーも異なる、〝スクランブラー〟という独立したブランドとしてスタートを切った。

その目的は、バイクが本来持つシンプルなメカニズムとそれによって生み出される純粋な乗り味を大切にし、またその機械的な美しさや金属素材が持つ独特な力強さをプロダクトに落とし込むことで、ドゥカティを、そしてバイクを再認識することだ。

この目論見は功を奏し、800㏄エンジンを中心とした初代スクランブラーは、デビューから3年で世界販売累計が4万6,000台を達成した。
しかし今回の「スクランブラー1100」は、これまでの流れとは異なる。排気量拡大はもちろん、モデルファミリー初となる電子制御技術を搭載したのである。それは車体の動きや加減速の状態などを測定するIMUであり、それを元にしたコーナーリングABSトラクションコントロールだ。

また3つのライディングモードを持ち、そのモードはアクセル操作に対するエンジンのレスポンス/最高出力/トラクションコントロールの介入度が異なる。

これまで〝素〟バイクであることで存在感を高めてきたスクランブラーにとって、これは大きな変化だ。しかし彼らはスクランブラー800が世界デビューした2014年に開発に着手。800が市場に出ればすぐに、より大きな排気量モデルの需要があると判断し、それには電子制御技術が不可欠であると決断していたのだ。

この読みは、当たった。ライバルメーカーたちがニューモデルを次々と投入する〝ネオクラシック〟カテゴリーは、ヘリテイジ=自らのアイデンティティと共に、その未来の姿も示さなければならない。「スクランブラー1100」のディテールは、まさにそれを計ったようだ。

〝素〟の800モデルを維持したまま、〝ネオクラシック〟カテゴリーでライバルたちに対峙できれば、スクランブラー・ファミリーはモデル層の厚さでアドバンテージを得ることができるだろう。

もちろんそれは、盛り上がったパーティにチラッと顔を出すだけのような、〝ネオクラシック〟カテゴリーを単なるトレンドと捉えていないことを意味する。ドゥカティは、本気なのだ。

●Ducati Scrambler 1100 Special

車両本体価格: ¥1,748,000(税込)
エンジン:L型2気筒
デスモドロミック 2バルブ 空冷
排気量:1,079cc
最高出力:63kW(86ps)/7,500rpm
最大トルク:88Nm(9.0kgm)/4,750rpm

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商品詳細