特集 ダカールラリー 2012 日本人の闘い

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1月2日から15日まで、南米を舞台に第34回ダカール ラリーが開催された。世界の並みいる強豪に交じって、日本からは今年も2組のチームが参戦。カミオン部門には2台の日野レンジャーを駆るHINO TEAM SUGAWARA。オート部門にはトヨタ車体からランドクルーザーを駆るTEAM LAND CRUISER TOYOTA AUTO BODY(TLC)。真にセルフコントロールできるものだけが生き残れる。そんなことを強く印象付けられるダカール ラリーである。

text:ahead編集長・若林葉子 写真提供:日野自動車、トヨタ車体
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ダカールラリー 2012 日本人の闘い

ダカールラリー 2012 日本人の闘い

2012年のダカールラリーは3つの国を舞台に繰り広げられた。初盤の第1ステージから第5ステージまでがアルゼンチン、中盤の第6ステージから第 ステージがチリ。そして終盤の第11ステージから第14ステージが、今年初めてコースに組み入れられたペルーである。

参加車両はモト(バイク)182台、オート(クルマ)161台、クワド(四輪バギー)30台、トラック74台の計442台。うち日本からはHINO TEAM SUGAWARAのトラック2台(1号車:菅原義正/杉浦博之、2号車:菅原照仁/鈴木誠一)、 TEAM LAND CRUISER TOYOTA AUTO BODYのオート2台(1号車:三橋淳/アラン・ゲネック、2号車:寺田昌弘/田中幸佑)が参戦。

12月31日に華々しく行われたスタート・セレモニーでは、HINO TEAM SUGAWARAの1号車ドライバー、菅原義正氏(70歳)が、大会最多連続出場記録30回達成を記念して、主催者から表彰された。
スタートは翌1月1日。昨年のスタート地だったブエノスアイレスから500‌kmほど南にあるマル・デル・プラタを出発。

日本人チームにとって、アルゼンチンを舞台とした初盤の大きな出来事は第2ステージと第4ステージで起きた。

第2ステージ。この日はサン・ラファエルに向かう782kmの行程(リエゾン487km/SS295km)。競技区間が始まって間もなくの37‌km地点だった。両側の台地が高くなった切り割りの底にある道を走っているとき、突然、菅原義正氏の正面のフロントウィンドウにこぶし大の石が激突。ガラスが割れ、飛んだガラスで顔を負傷した。

ガラスの破片はシートの背中や足の下にまで飛び散るが、競技中であるゆえ、痛みに堪えてそのまま走り続けた。観客の投石によるものだったらしい。観客に悪気はなく、かつてはアフリカでも同様のことが起こっており、ダカールラリーでは決して珍しくないことだという。幸い菅原氏の傷は大事に至らず、割れたフロントウィンドウはビバークで交換。人もクルマも事なきを得た。

アンデス山麗をめぐる山間コースとなった第3ステージを日本人参加者は手堅くこなし、オート、カミオンともにクラス首位に浮上する。しかし翌日の第4ステージ。TLCの寺田/田中組はSS中に激しく横転。何とかゴールするものの車両のダメージが大きく、リタイアとなった。

4日目にして、4台中1台を失った日本勢であるが、第6ステージ、アルゼンチンでの山場となる“白い砂漠”フィアンバラを果敢に疾走した。40度を超える酷暑の中、柔らかいパウダーサンドが覆う大砂丘は傾斜もきつく、こんなときはオーバーヒートがネックとなる。

2台の日野レンジャーはオーバーヒートの兆候も無く手堅くゴール。TLCの三橋組はスタックなしでクリアするが、ゴールまであと数キロというところで水温が上昇。大事を取って5分ほど停止し、エンジンを冷ましてからゴールに向かった。

菅原照仁組はトラック部門総合18位/10リッター未満クラス1位、菅原義正組は総合25位/クラス4位。TLC三橋組はオート部門総合25位/市販車部門1位でアルゼンチンステージを終えた。

投石、横転。初盤に事件は起きた

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