“モモデザイン”のヘルメットを日本に紹介した男 モトーリモーダ 岡林社長 インタビュー

“モモデザイン”のヘルメットを日本に紹介した男 モトーリモーダ 岡林社長 インタビュー

アヘッド Motorimoda GINZA モトーリモーダ銀座

岡林道則/Michinori Okabayashi
1974年4月21日生まれ 。高知県出身。現在の愛車は、MVアグスタのブルターレ750セリエオロとBMW R1200C。BMWは、C1というスクーターから始まり、F650Cスカーバーを乗り継ぐ個性派。クルマはVOLVO V50とアルファロメオ ブレラを所有。


特にバイクにおけるヘルメットなどは最たる例だろう。身を守るために被るのは当然としても、法律的な義務感が影響して保守的なモノを選びがち。傍目には最も露出度が高く、目立つアイテムにもかかわらずだ。

「せっかくならもっとスタイリッシュにならないだろうか」 そう考えたのが現在銀座に本店を構える『モトーリモーダ』の代表、岡林道則さんだ。

大学を卒業後、商社に勤めていた岡林さんは仕事で欧米を行き来する中、バイクに対するスタンスが日本人とは大きく異なることを実感。もともとバイク好きだったからこその視点だが、それが最初の転機になった。

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「特にイタリア人やフランス人に顕著だと思いますがバイクとの関わりが自然なんですね。彼らはヘルメットやジャケットひとつとってもシーンに合わせたファッションとして楽しんでいます。ところが日本だと機能ありきで男臭く、コスプレ感も漂いがち。バイクに乗る時のスタイルと日常のスタイルがあまりにかけ離れていて、そのギャップを埋められたらな、と思うようになっていました」

そんな時に出会ったのがモモデザインのヘルメットだった。ステアリングを始めとする4輪パーツブランドとしては有名だったものの、2輪用ヘルメットは知られていなかった。

しかしその形状や色、シールドなどに見られるギミックはどれも抜きん出たデザイン性を持っていたのだ。ひらめきを得た岡林さんは商社の利を活かして取扱商品に加え、日本での展開を試みたという。

「ところが営業先の全てに断られました。価格は高く、当時のクオリティはまだ胸を張れるほどではなく、知名度はゼロ。どうにもならなかったですね。でもある時にふと気がついたんです。既存のバイク用品にはない世界観を創りたかったのに、出向いた先が既存のバイク用品店。受け入れられなくて当然ですよね」

そこからの方向転換が早かった。「だったら自分たちの世界観を表現できるショップを立ち上げよう」と、'01年6月にモトーリモーダの前身となる『モモデザイン銀座』を商社の一部門としてスタートさせたのだ。

「様々な縁があってオープンにこぎつけたのですが、散々無謀だと言われました。でもモモデザインなら2輪と4輪を繋ぐことができ、自分の中で描いていた6輪生活を具体化するブランドとして理想的。それを本気で実現させるためにも銀座という場所が必要だったんです」

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ところがその後商社の業績が悪化し、ショップ運営は他の会社へと委託。それに伴って岡林さん自身も移籍を余儀なくされるなど、決して小さくはない浮き沈みに翻弄された。

「ならばいっそ自分自身で経営しよう」と、リスクだらけの中、再出発を図ることにしたのだ。

マイナスからのスタートだったが岡林さんは攻めた。それからほどなく『モトーリモーダ銀座』へと改称し、まだ知られていない本場ヨーロッパのブランドを幅広く展開するビジネスへと拡張してきたのだ。

現在取り扱うブランドは国内外合わせて40以上。銀座本店の他、直営店を名古屋と神戸に、姉妹店となる『ボレロ』を札幌、金沢、福岡で運営し、調布でのオープンも3月1日に決定している。

『モトーリモーダ』と『ボレロ』各店に訪れる客層の多くは40~50代だという。2輪で言えばレプリカ世代、4輪で言えばスーパーカー世代そのもので、現在40歳の岡林さんより年齢層が高い。

マニアックで、一筋縄でいかない層とも言える。そういう目の肥えたユーザーに響くアイテムをセレクトし、購買意欲をそそるのは難しいのではないだろうか?

「2輪か4輪のどちらかに絞り込むならマニア的な視点も必要かもしれませんが、常に〝6輪生活〟というバランスの中で判断しています。とはいえ基本は自分が使いたい、身に付けたいと思うかどうか。もっと言えば直感のようなものですけどね。世代的に多くのお客様より若く、2輪、4輪業界とは少し離れたところを歩んできましたから、その世界の常識やタブーにとらわれることがなかったのかもしれません。スタンスは今も変わらず、気になるブランドやアイテムがあればすぐに電話を掛け、会いに行くようにしています」

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岡林さんのそんなフラットな感覚を表すエピソードがある。以前、フランスで気になるヘルメットを見つけた岡林さんは現地に赴き、社長との直接交渉で取引開始の約束を取り付けることに成功した。

話の中、初老にさしかかろうとしているその社長がかつて日本でレースに出場したこと、世界一になった経験もあることを話半分で聞いていたという。その相手こそレイモン・ロッシュ。

往年のGPライダーのひとりであり、世界スーパーバイク選手権でタイトルを獲得したその人だった。岡林さんがそれを知ることになったのは帰り際に「俺の名前をウィキペディアで調べてみな」と言われたからだというから笑い話である。

その事実は、なんの先入観もなく、いいモノを自身の目で選び、ユーザーに届けたいというピュアな思いに他ならない。2輪のスタイルを本気で変えたいと思い、それを4輪世界にも繋げることで豊かなモーターライフを創り上げていく。『モトーリモーダ』はその発信地なのである。

アヘッド Motorimoda GINZA モトーリモーダ銀座

Motorimoda GINZA/モトーリモーダ銀座
住所:東京都中央区銀座8-11-13 
エリザベスビル1F
営業時間:11:00〜20:00
定休日:年末年始
TEL:03(5537)8567
www.motorimoda.com/info.html

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text:伊丹孝裕/Takahiro Itami
1971年生まれ。二輪専門誌『クラブマン』の編集長を務めた後にフリーランスのモーターサイクルジャーナリストへ転向。レーシングライダーとしても活動し、これまでマン島TTやパイクスピーク、鈴鹿八耐を始めとする国内外のレースに参戦してきた。国際A級ライダー。

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