昔、ドアミラーが禁止されていた理由

日産 スカイライン R30 鉄仮面

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昔の車を見ると、ある共通点に気づきます。どの車もサイドミラーがドアではなく車の前方、フェンダー上に取り付けられています。これは当時、ドアミラーが禁止されていたことに起因しているのですが、なぜドアミラーが禁止されていたのでしょうか?
Chapter
ドアミラーはいつから採用された?
日本でドアミラーの採用が見送られていたのはなぜ?
タクシーがフェンダーミラーを採用するのはなぜ?

ドアミラーはいつから採用された?

ドアミラーが一般的になった現在でも、タクシーなどにフェンダーミラーを採用する車があります。トヨタが2017年に発売したJPN TAXI(ジャパンタクシー)も新型車でありながらフェンダーミラーを採用しています。

1983年に日産のパルサーEXA(エクサ)が初採用する以前、日本国内でのサイドミラーはフェンダーに取り付けなければなりませんでした。ドアにミラー取り付けると、なにか不具合があったのでしょうか?

もちろん、輸入車でもフェンダーミラーの旧車は数多くありますが、同じ年代の日本車と輸入車を比べてみると、海外のほうがドアミラーの導入が早かったことが分かります。

アメリカでは1950年代のモデルでもドアミラーの車を見かけることができますが、日本でドアミラーの車が市場に出たのは1980年代になってからと海外に比べると遥かに遅かったのです。

では、日本でドアミラーを採用できなかったのは、なぜなのでしょうか?

日本でドアミラーの採用が見送られていたのはなぜ?

フェンダーミラーの利点は、ドアミラーよりも目線の移動が少なく後方を確認できることと、死角の少なさがあります。そのため日本ではドアミラーよりもフェンダーミラーのほうが安全と考えられており、ボンネットのある車種の場合、サイドミラーはフェンダーに装着しなければなりませんでした。

しかし1980年代になると、ほとんどの欧米のメーカーではドアミラーを採用しており、日本へ輸出するためにフェンダーミラーをわざわざ装備するという手間が発生します。この作業は、メーカーはもとよりユーザーにもコストとして跳ね返ってくることになり、海外ブランドの需要が高まってくると問題視されるようになってきました。

結果、海外メーカーからの働きかけで1983年に規制が緩和され、日本でもドアミラーが認められるようになったのです。

タクシーがフェンダーミラーを採用するのはなぜ?

では、規制が緩和されたにも関わらずタクシーがフェンダーミラーを採用し続けるのは、どうしてなのでしょうか?

前述した利点に加え、ドアミラーよりも若干ながら車幅を抑えることができること、車幅がつかみやすいことなどにより、目的地を乗客に指示され、ときには狭い路地にも入って行けなければならないタクシーでは、フェンダーミラーのほうが使い勝手が良いとされているのです。

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