エスティマ、まるっとした卵型にデザインされた秘密とは?

トヨタ エスティマ

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1989年の幕張メッセで行われた第28回東京モーターショーにて、コンセプトモデルとして出展されたエスティマは、翌1990年に市販化。その独特で斬新なフォルムから「天才タマゴ」なるキャッチコピーで注目されました。このまるっとした卵型デザインは、どのような経緯で生まれたのでしょうか?

Chapter
エスティマってどんな車?
独特のタマゴ型フォルムをデザインしたのは?
どのような経緯で生まれたのか?

エスティマってどんな車?

トヨタ エスティマは、1990年1月に国内発売されたマツダ MPVと同様、アメリカ市場を意識して企画されたミニバンです。

独特の卵型フォルムの真ん中にエンジンを搭載する、アンダーフロア型ミッドシップレイアウトを採用しています。乗用車専用の3ナンバー車で、広い室内は快適性重視で高級感のあるものでした。

サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット式、リアはダブルウィッシュボーン式という4輪独立懸架を採用しています。初期の乗車定員は、7人乗りのモノグレード。エンジンも2TZ-FE型・直列4気筒2438cc(135馬力)のみ。駆動方式は、MRと4WDが用意されていました。

まだこの時代の日本市場では「ミニバン」という言葉は普及しておらず、サイズ的にはワンボックスに近かったため、これまでにない形の風変わりなスタイルのワンボックス?というイメージでした。

独特のタマゴ型フォルムをデザインしたのは?

特徴的なエクステリアデザインは、実は日本ではなくアメリカ・カリフォルニアのCALTY( Calty Design Research Incorporated)で生まれました。CALTYは、トヨタ自動車がアメリカに1973年に設立したデザインスタジオです。

これまでCALTYでデザインされた車には、2代目以降のセリカ、初代プリウス、レクサスLF-C コンセプトや2001年発売のRAV4などがあります。

エスティマに採用された特徴的な未来を感じさせる独特の卵型デザインは、室内スペースも広く確保することが可能で、さらに当時はまだあまり概念がなかった衝突安全性能を高めることにも効果がありました。

初代のデザインは、2代目、そして現行型の3代目でも引き継がれてゆくことになります。

どのような経緯で生まれたのか?

エスティマのタマゴ型フォルムは、CALTYに在籍していたデザイナーの福市徳雄氏によって提案されました。

これまでにない楕円形をベースとしたスタイルはとても斬新で、福市氏が描いたデザインコンセプトがほぼそのまま実車のエクステリアデザインとして採用。巷では「ミッドシップレイアウトがあったから、あのスタイルになった」と認識されることが多いようですが、独特のデザインありきで開発が進められたといいます。

そして、デザイナーの夢に応える形で、エンジンレイアウトや内装のデザインがスタートし、前輪と後輪の間にエンジンを傾けて搭載する「アンダーフロア型ミッドシップ」という特異なレイアウトが出来上がったのです。

室内デザインはトヨタの車体デザイン部が手がけ、こちらもエクステリアに負けない、未来的で高級感のあるデザインとなりました。

現行モデルは2016年6月にマイナーチェンジが行われましたが、すでにもう3度目となります。次のフルモデルチェンジではどのようなデザインに進化するのか楽しみですね。
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