突然の事故に役立つ?「ボッシュクラッシュデータリトリーバル」と「ボッシュカーヒストリーレポート」って何?

事故処理

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今回CarMe編集部は、ボッシュが「人とくるまのテクノロジー展2024 横浜」に出展されると聞き取材に訪れました。

ボッシュの「ボッシュクラッシュデータリトリーバル」と「ボッシュカーヒストリーレポート」という車両評価サービスは、業者向けのサービスと思いきや、事故時など一般ユーザーである我々にもとても興味深いサービスでした。

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日本は2022年7月から販売される新型車への「EDR」の搭載が義務化
ボッシュの「ボッシュ クラッシュデータリトリーバル」とは?
中古車市場にも影響?事故データを見やすく特許も取得「ボッシュカーヒストリーレポート」

日本は2022年7月から販売される新型車への「EDR」の搭載が義務化

現在の多くの自動車には「EDR」(イベントデータレコーダー)という装置が搭載されています。EDRは、車両が事故によりエアバッグなどが作動するような衝撃を受けたとき、その車の状況を記録する機能で、通常エアバッグシステムに搭載されていて、衝撃の前、約5秒間のデータとその後、衝撃が終了するまでの間のデータを記録します。

衝撃の前については、主に車速、エンジン・モータ回転、アクセル、ブレーキ、ステアリング角など車両の状態やドライバーの操作を示す項目を記録し、衝撃の後については、主に衝撃の大きさを示すデルタVや、衝撃により発生した加速度の情報などについて記録します。
このEDRは、アメリカでは、2000年以降から裁判における証拠データとして活用されています。一方日本では、2022年7月から販売される新型車へのEDRの搭載が義務化となりましたが、積極的なEDRの活用、特に事故時の貴重なデータとしての活用には遅れをとっています。

ボッシュの「ボッシュ クラッシュデータリトリーバル」とは?

「ボッシュ クラッシュデータリトリーバル」は、EDRが記録したデータを読み出し、事故情報をCDRレポートの形で出力します。

EDRのデータの読み出しと解析は、ボッシュの認定トレーニングに合格した「CDRアナリスト」によって行われます。現在では、警察機関、損害保険大手各社、調査研究機関、自動車メーカーなどを中心に、現在まで400名以上、CDRアナリスト認定を取得しています。

しかし、2022年7月より始まるEDRの搭載義務化により、事故時のEDRデータ活用の大幅な増加が見込まれているため、EDRデータの読み出しに特化した作業員資格の「CDRテクニシャン」を新設し、数年で1000人規模への拡大を目指しています。
データの読み出しが可能なアナリストやテクニシャンが増えることによって、読み出しを近くのアナリスト・テクニシャンに依頼することが可能となり、利活用の拡大につながるとボッシュは考えています。

現在、国内の事故調査の対象となる自動車は約150万台に及びますが、EDRデータを活用した調査は約4000台にとどまっており、潜在的なニーズに対しては大幅に満たされていない状況とも考えており、大きな要因としては、EDRの活用方法に関しての知名度が低い事が挙げられるとしています。

中古車市場にも影響?事故データを見やすく特許も取得「ボッシュカーヒストリーレポート」

CDRアナリストと聞いて、一般の方々にはあまり関係ないと思われるかもしれませんが、BCHRは特に中古車の売買における車両の評価・査定の際に一般の方にも身近にで役立つ物になると考えているのが、「ボッシュカーヒストリーレポート」です。

近年発売されている自動車の多くは、最新のADASを搭載した車両が主流となっています。

例えば、今、購入しようとしている車両が年式偽装ではないか、偽造エアバッグなど部品に不備はないか、本来車両が持つ機能は果たしているのかを判断するために「ボッシュカーヒストリーレポート」があれば、未然にそういった不安を防ぐことが可能で、視覚的に確認できる一般的なレポート形式となっているのが特徴です。
ボッシュカーヒストリーレポートはEDRの記録データと各種関連データを用いてエアバッグ作動履歴やエアバッグシステムの状態判定を行い、過去にその車両に加わったであろう衝撃の大きさや方向を算出し、総合的に判定した結果を一枚のレポートで出力されます。

EDRという一定の基準に基づいた記録データを用いることで、標準化された評価が可能になり、加えて車両の損傷歴の正しい評価や、使われた部品、修理自体の不備についても詳細な確認につなげることのできるヒントも得られるとボッシュは考えています。

注意:EDRに大きな衝撃の記録が残っている場合には骨格となる車体の歪み等が考えられますが、適切に修理されずに歪んだままの車体は、アライメントが整わずADASシステムの正常な動作に影響が出てしまう懸念があります。
現在の中古車流通現場では、人的な車両評価が一般的で、専門の検査員による評価では標準化が難しく、高齢化も問題になっています。

全世界24の自動車メーカーからの車両事故時のEDRデータにアクセスできる市販ツールを提供する、唯一のメーカーであるボッシュは「ボッシュカーヒストリーレポート」がこの問題の解決に役立つのではないかと考え、さらにユーザー、一人ひとりがより良いカーライフを送れるようにと取り組んでいるそうです。
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