意外とお値打ち?美しいデザインを誇るいすゞ 117クーペとは?

いすゞ・117クーペ

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今回は、いすゞ 117クーペについて紹介します。117クーペは1968年に発売されて以来、10年以上にわたりいすゞのフラッグシップモデルとして君臨し続けていました。

1970年代の日本車を代表するクルマは数多くありますが、117クーペを外すことはできませんし、そんな117クーペに憧れたファンも少なくありませんが、いったいどのような魅力が詰まったモデルだったのでしょうか。

また、そんな117クーペの、2020年7月時点での中古車価格はどうなっているのでしょうか。比較的安価で購入できる情報も併せて紹介していきます。
Chapter
いすゞ 117クーペのジウジアーロによる美しいデザイン
初期のいすゞ 117クーペはハンドメイドモデル
いすゞ 117クーペの量産化が実現した第2期モデル
いすゞ117クーペの最後を飾った第3期モデル
いすゞ 117クーペの走行性能はどうだった?
いすず 117クーペの中古車価格相場は?

いすゞ 117クーペのジウジアーロによる美しいデザイン

117クーペの日本車離れしたデザインは、イタリアを代表するデザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロによってデザインされたものです。いすゞとジウジアーロの関係は、ジウジアーロがイタルデザインへと移籍した後も続きました。

前後のホイールアーチに沿ったフェンダーラインは、当時のイタリアンデザインの面影を残しています。また、大きなガラスエリアに細いピラー、ステンレス製ウィンドウガーニッシュなど、当時としては斬新なデザインが随所に見られます。

117クーペはスポーツカーと比べると凡庸の性能でしたが、グランツアラーとしての快適さは十分兼ね備えていましたし、何よりそのデザインだけで買う価値はあったものです。

初期のいすゞ 117クーペはハンドメイドモデル

117クーペは3つの世代に分かれます。1968年~1972年までに生産された第1期と呼ばれるモデルは、「ハンドメイドモデル」と呼ばれます。実際に、各所が手作業で製作されていました。その結果として当時としては非常に高価な172万円もの価格が付けられ、生産台数は3年間で僅か2,458台と言われています。長い117クーペのモデルライフの中でも、コレクターズアイテムとしての価値は最も高いモデルといえるでしょう。

そのインテリア(内装)は、ウッド面のインパネに加えステアリングやシフトノブにもウッドが使用されるゴージャスなものでした。また7連メーターがスポーティーな印象を与えます。

初期のハンドメイドモデルのボディサイズは、全長4,280mm×全幅1,600mm×全高1,310mm、車両重量は1,055kg~1,160kgとなっています。

いすゞ 117クーペの量産化が実現した第2期モデル

1973年〜1976年にかけて生産された第2期は、1971年にいすゞがアメリカのGM(ゼネラルモーターズ社)と資本提携したこともあり、量産型モデルとして生まれ変わりました。生産台数は増えましたが、量産化の代償として多くの場所でコストダウンが行われています。一方で、若年層をターゲットにしたXC-Jというグレードも用意されるなど、その人気に拍車を掛けました。

基本的なスタイリングはハンドメイドモデルから大きな変化がありませんが、細かい点を見るとフロントグリルのデザインや大型化されたバンパーなど、様々なところに変化がみられます。
 
第2期モデルのインテリアは、ハンドメイドモデルからコストダウンされたことがはっきりとわかります。インパネの素材がウッドから金属製になり、ステアリングやシフトノブもウレタン製に変更されています。また、シート素材もビニールレザーになっています。

第2期モデルのボディサイズは、全長4,310mm×全幅1,600mm×全高1,320mmとなっていて、また車両重量は1,045kg~1,115kgと、わずかながら軽量化されています。

いすゞ117クーペの最後を飾った第3期モデル

117クーペ最後のモデルとなった第3期は、1977年〜1981年まで生産されていました。カタログ落ちしていたXGグレードが復活したり、ラグジュアリーグレードが追加されたりしました。第3期モデル最大の特徴は、第2期モデルまでに採用されていた丸目4灯ヘッドライトが角目4灯に変更された点です。

インテリアは樹脂製パーツがより多用され、第2期モデルよりもさらにコストダウンが進みました。一方スイッチの操作性改善やリクライニングシートの採用など、快適性を高める改良が施されています。

第3期モデルのボディサイズは全長4,320mm×全幅1,600mm×全高1,325mm。車両重量は1,070~1,145kgと相変わらず軽量に仕上がっていました。

いすゞ 117クーペの走行性能はどうだった?

117クーペのシャシーは、いすゞの中級セダンとして発売されていたフローリアンのものを流用したものでした。サスペンションもフローリアン同様、フロントにダブルウィッシュボーン式、リアはリジッドアクスル式が採用されました。

また117クーペの駆動方式は、当時のスタンダードだったFRです。搭載されるエンジンは発売時期によって1.6Lや1.8L、2Lのガソリンエンジンが使い分けられ、第3期モデルには2.2Lディーゼルエンジン搭載モデルも用意されていました。

発売当初はツインキャブレターが採用されていましたが、後に電子燃料噴射装置へと変更されました。初期モデルに用いられたトランスミッションは4速MTでしたが、後に5速化されるとともに3速ATモデルも登場しています。

いすず 117クーペの中古車価格相場は?

117クーペは絶版名車の中では比較的安価な部類に入ります。第3期モデルを中心に、安いものでは120万円前後の個体が中古車市場で流通しています。お値打ち価格で117クーペを手に入れるのであれば、迷わず第3期モデルというチョイスになるでしょう。

第1期にあたるハンドメイドモデルは、先述どおり希少価値が高いため、中古車として流通する台数が極めて少なく、販売される個体の価格は2020年7月時点で450万円以上に高騰しています。また、これは117クーペに通して言えることですが、旧車の領域に入るモデルなので、その後のメンテナンにかかる費用を含めると、必ずしもお値打ちとはいえません。(2020年7月時点)

それでも、貴重であり美しいクルマであるハンドメイドモデルを所有するのは大きな喜びとなるでしょう。また、近年ではクラシックカーの相場が高騰しており、日本車も例外ではありません。117クーペは、モデルを問わず、投資物件としても価値のあるものとも言えるでしょう。
いすゞ 117クーペは、日本とイタリアの技術が融合された、日本の自動車史に名を残す名車です。歴代の国産車で最も美しいクーペと評価する自動車ファンも少なくありません。 

初期モデルは少量生産、量産化された後もそれほど多くない総販売台数でしたが、ノスタルジックカー愛好家には今もなお高い人気を誇っていながら、第3期モデルは、今なお中古車市場で購入しやすく、存在感を放ち続けています。117クーペに想いれがあった方や、あるきっかけで存在を知り、一目惚れをした方などは、これを機に中古車市場を探してみてはいかがでしょうか。
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