トヨタ「ランドクルーザー(300シリーズ)」の走行機能は?悪路を走破するための特別な機能を満載 !【プロ徹底解説】

トヨタ ランドクルーザー

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トヨタで最も古く、そして最も上位なSUVとなるのが「ランドクルーザー(300シリーズ)」です。この「ランドクルーザー(300シリーズ)」の大きな強みは、非常に高い悪路走破性能です。その走りを実現する特別な機能は、どのようなものなのかを解説します。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
走破性能の基本となるのが車体ディメンジョン
オンロードの走りのキャラを変えるドライブモードセレクト
悪路の状況に応じてモードを選ぶマルチテレインセレクト
滑りやすい路面を一定速で走るクロールコントロール
急坂を走るためのダウンヒルアシストコントロール
路面の状態を確認するマルチテレインモニター
路面をつかんで離さないAVS
GR SPORT専用の機能がE-KDSS
デフロック機能を備えるフルタイム4WDシステム

走破性能の基本となるのが車体ディメンジョン

「ランドクルーザー(300シリーズ)」の悪路走行性能は、基本となる車体ディメンジョンの優秀さが土台となります。アプローチアングル32度、デパーチャーアングル26度、ランプブレークオーバーアングル25度は、先代モデル同等以上を維持。ホイールベースも伝統の数値となる2850mmを継承しています。

また、ボディ四隅が悪路走行でぶつからないように丸められているのも特徴です。

そうした工夫の結果、「ランドクルーザー(300シリーズ)」は、最大登坂能力45度、最大安定傾斜角44度、最大渡河性能700mmを実現しています。

オンロードの走りのキャラを変えるドライブモードセレクト

「ランドクルーザー(300シリーズ)」には、上位グレードに4輪ばらばらに減衰力を変更できるショックアブソーバーのAVSが採用されています。それを利用して、気分に合わせて、車の走行キャラクターを変化する機能が「ドライブモードセレクト」です。トランスファーギヤ「H4」で作動します。

上位グレードの「ZX」と「GR SPORT」では、「ECO」「COMFORT」「NORMAL」「SPORT S」「SPORT S+」「CUSTOM」の6種類のモードを用意。パワートレインの反応、パワーステアリングの反応、サスペンションの減衰力、エアコンの効き目を、それぞれのモードにあわせて調整します。また、「GX」「AX」「VX」のグレードでは、「ECO」「NORMAL」「SPORT」の3種のモードが用意されています。

悪路の状況に応じてモードを選ぶマルチテレインセレクト

様々な路面状況にあわせて、最適な駆動力・サスペンション・ブレーキなどを統合制御するのが「マルチテレインセレクト」です。AUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW/ROCKといった6つのモードが用意されています。基本となるAUTOは、各種センサーが路面状況を検知し、ドライバーによるモード切替なしで、最適なセッティングに変化するものとなります。

ちなみに「マルチテレインセレクト」の操作スイッチは、シフトノブの前側のインパネ下にあり、「ドライブモードセレクト」をはじめ「クロールコントロール」「ダウンヒルアシストコントロール」と共通になっています。

滑りやすい路面を一定速で走るクロールコントロール

滑りやすい路面や、凹凸の大きな、厳しい路面状況に威力を発揮するのが「クロールコントロール」です。これは、ゆっくりと一定速度でもって、自動で進むモードで、運転手はステアリング操作に集中することができます。進行速度は5段階に設定可能。路面にタイヤが埋まったスタックからの脱出にも効果的です。また、きついコーナーに入ると、後輪内輪だけにブレーキをかけて、回答性を高めるターンアシスト機能付き。切り返しが必要なきついコーナーで、より小回りが効くようになります。

急坂を走るためのダウンヒルアシストコントロール

急な下り坂で便利な機能が、「ダウンヒルアシストコントロール」です。スイッチを押すと、急坂をゆっくりと一定速度で下ってゆきます。ドライバーはステアリング操作に集中できます。また、速度は5段階に設定可能。

また、上り坂でブレーキからアクセルに足を踏み替える瞬間に、車がバックしないように、自動でブレーキを掛ける、「ヒルスタートアシストコントロール」機能も備わっています。

 

路面の状態を確認するマルチテレインモニター

悪路走行で重要になるのが、凹凸のある路面状況です。そこで助けになるのが「マルチテレインモニター」。オフロード走行中に、車の周囲四方向の路面をディスプレイに映し出します。

また、停止して、車両下の路面を表示する「アンダーフロアビュー」という機能も備わっています。「ランドクルーザー(300シリーズ)」では、前輪の下だけでなく、後輪まわりも表示できるようになっています。これはトヨタ初の機能です。

路面をつかんで離さないAVS

「GR SPORT」と「ZX」には、サスペンションのショックアブソーバーの減衰力を4輪別々に制御できるAVSが採用されています。

舗装路での走行性能と快適性の向上だけでなく、オフロードでの走行性能にもAVSは貢献しています。オフロードのデコボコの道を走るときに、4本のショックアブソーバーを個別に制御することで、タイヤが浮き上がりにくくしています。4輪の路面接地性が高まるだけでなく、車体そのものの動きも小さくなります。

GR SPORT専用の機能がE-KDSS

スポーツグレードである「GR SPORT」専用のシステムが「E-KDSS(エレクトロニック・キネティック・ダイナミック・サスペンション・システム)」です。これは電子制御で、前後のスタビライザーの効き目を変化させるというもの。

路面の凹凸にあわせて、前後のスタビライザーの効き目を変えることで、タイヤが浮き上がりにくくなり、また、車体の揺すられも減少します。

 

デフロック機能を備えるフルタイム4WDシステム

「ランドクルーザー(300シリーズ)」の悪路走行性能の基本となるのがフルタイム4WDシステムです。センターデフにトルセンLSDを採用。通常時は前40:後60のトルク配分を、コーナーリング時はリヤよりにするなど、走行シーンにあわせて変化させます。

また、「GR SPORT」では、前後の電動デフロックを標準装備。後輪の電動デフロックは、他グレードでオプションとなります。フロントの電動デフロックは「GR SPORT」だけの装備となります
「ランドクルーザー(300シリーズ)」の大きな特徴となるのが優れた悪路走破性能です。それを実現するために、土台となる車体ディメンションをはじめ、さまざまな制御や機能が用意されていました。これらの充実した機能が、世界最高レベルと言われる「ランドクルーザー(300シリーズ)」の悪路走破性を実現しているのです。
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