トヨタbZ4Xのパワートレインの実力はいかほど?【プロ徹底解説】

トヨタbz4X

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2022年5月に登場したトヨタとして初の量産EVとなるbZ4X。そこで気になるのは、そのパワートレインの実力です。いったい、どれくらいパワーがあるのか。また、EVですから航続距離も重要です。そんなbZ4Xのパワートレインの内容を解説します。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
トヨタ初の前輪&後輪のe-Axleを採用
前後に同じスペックのモーターを配置
二次電池は71.4kWh
航続距離と電費
前後モーターを独立制御して走行性能を向上
外部充電機能を備える
1年間で1800㎞分を発電するルーフソーラーパネル

トヨタ初の前輪&後輪のe-Axleを採用

EVであるbZ4Xは、新開発されたEV専用のプラットフォームを採用しています。これはホイールベースの間の床に、薄型の大容量電池パックを平置きしています。そして、前輪と後輪の車軸に、モーターとトランスアクスル、インバーターを一体化したe-Axleを搭載します。このe-Axleはトヨタ初採用というもの。

前輪だけにe-Axleを置いたものがFF駆動となり、前後に2つのe-Axleを持つと4WDになります。

前後に同じスペックのモーターを配置

前後に配置されたe-AxleのモータースペックはFFと4WDで異なります。FFの場合、モーター型式が「1XM(交流同期モーター)」となり、スペックは最高出力150kW(203.9ps)、最大トルク266Nmとなります。4WDの場合は、最高出力80kW(109ps)、最大トルク169Nmが前後に2つ搭載されています。

二次電池は71.4kWh

二次電池となるリチウムイオン電池は71.4kWhを搭載。自宅での充電の場合、200V3kW(16A)であれば、約21時間で満充電となります。200V6kW(30A)であれば約12時間で満充電です。急速充電であれば50kW(125A)の充電器で、約60分で満充電になります。

航続距離と電費

71.4kWhの電池を搭載するbZ4Xの一充電走行距離は、FFモデルで559km(WLTCモード)、4WDで540km(WLTCモード)。オプションの20インチのタイヤ&ホイールを装着すると、FFで512km(WLTCモード)、4WDで487㎞(WLTCモード)にまで減ってしまいます。

電費は、交流電力消費率でFFモデルが128Wh/km(WLTCモード)、4WDで134Wh/km(WLTCモード)。これも20インチのタイヤ&ホイールを装着するとFFで141Wh/km(WLTCモード)、4WDで148Wh/km(WLTCモード)まで悪化します。

動力性能としては、0-100km/h加速が、FFモデルで8.4秒、4WDで7.7秒と発表されています。

前後モーターを独立制御して走行性能を向上

bZ4Xの4WDは、前後のモーターを独立制御することで、走行中の回頭性能と操縦安定性を高めています。また、スバルの技術である「X-MODE」も採用しました。これは、路面状況にあわせて前後輪の駆動力を最適に調整するもの。

雪道や泥道に対応する「SNOW/DIRT」、タイヤが埋もれるような雪や泥の「DEEP SNOW/MUD」、急坂などでも一定速度を維持する「Grip Control」の3つのモードが用意されています。

FFモデルでも、航続距離を伸ばす「ECO」、バランスのよい「NORMAL」、雪道など滑りやすい路面向けの「SNOW」を選べるドライブモードが用意されています。

また、減速エネルギーを回収する、回生ブレーキをより強く効かせる「Regeneration Boost(強回生ブレーキ)」ボタンも設置しました。ブレーキを使わずに、アクセル操作だけで走行可能な、いわゆるワンペダル走行がより広い領域で可能となります。

外部充電機能を備える

AC100V・1500Wのコンセントが、ラゲッジ右側に設置されています。キャンプやアウトドアでのイベントなどで、家庭用の家電製品を使うことが可能となります。

また、別売の外部給電機器を購入すれば、より大きな電力を家庭に供給することも可能。災害時の備えにすることもできます。

1年間で1800㎞分を発電するルーフソーラーパネル

メーカーオプションとして、ルーフに設置できるソーラー充電システムも用意されています。天候にもよりますが、1年間で走行1800㎞分の電力を発電することが可能です。
トヨタの初めての本格量産EVとなるbZ4X。しかし、大容量の二次電池の採用にはじまり、2つのe-Axleの高度な制御など、その内容は非常に充実したものとなっています。

モーターと電池を使うハイブリッドを長く作り続けてきたトヨタの電動化技術の高さを感じさせるものと言えるでしょう。
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