日産 新型エクストレイル登場!歴代シリーズの歴史や違いを紹介【プロ徹底解説】

日産 エクストレイル

アウトドアスポーツやレジャーに使われるエクストレイルは4人がくつろげる広い室内とアウトドアでタフに使える広い荷室を確保し、高性能の4WDシステムを搭載。

さらに取り回しの良さと、低燃費も実現しています。

これによってアウトドアレジャーを好むファミリー層や、ファッション性を重視する街乗り中心の4WDユーザーにも十分に満足できるモデルとして大ヒットしました。

文・写真/萩原 文博

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初代エクストレイル
2代目エクストレイル
3代目エクストレイル
新型(4代目)エクストレイル

初代エクストレイル

全長4,445mm×全幅1,765mm×全高1,675mm(ターボ車除く)という取り回ししやすいボディサイズながら、パッケージングの最適化により、本格オフロード4WD車を上回る広さの室内空間と荷室を実現。後席に人が乗っても圧迫感のないゆとりの室内空間と、奥行きを1,003mmとしたクラストップレベルの荷室の広さを確保しています。

さらに、インテリアは乗員や道具の濡れや汚れを気にすることなく、思う存分アウトドアスポーツを楽しめるようにするため、シートには撥水加工を施し、水や汚れを簡単に拭き取れます。一方、荷室の床面 には取り外して直接水洗いできる「ウォッシャブルラゲッジボード」を採用。汚れたままの道具や荷物を気兼ねなく積み込める荷室は特徴です。

初代エクストレイルに搭載されているエンジンは、2L直列4気筒DOHCと最高出力280psを発生する2L直列4気筒ターボの2種類。組み合わされるトランスミッションは4速ATを中心に自然吸気エンジン車には5速MTも用意しています。

駆動方式は2WDと4WDを設定。4WDシステムは、新たに開発した4WDシステム、「ALL MODE 4×4」を搭載。この4WDシステムは、運転状態、路面 状況を検知して、後輪に必要なトルクを伝達します。

市街地など通常走行では前輪駆動(2WD)で低燃費としながら、滑りやすい路面 では電子制御により瞬時に後輪にトルクを伝達し、安定した走破性を実現する。また、システムを小型軽量 としたことで燃費、動力性能を向上させています。

この「ALL MODE 4×4」はスイッチによりワンタッチで走行モードをAUTO・2WD・LOCK(前後トルク配分を57:43に固定)に切り替えることが可能です。

2003年にマイナーチェンジを行い、内外装の変更とともに、最大45度のチルト角を持ち、運転席の有効スペースを大幅に広げるポップアップステアリングや、多彩な用途でラゲッジルームを自由に使えるマルチザイルネットを採用しました。

さらに、これまでのラゲッジボード・シート・天井に加え、フロアも水拭きが簡単にできる防水加工とするなど、アウトドアスポーツでこれまで以上にハードに使えるよう、利便性・道具感を向上させています。

2代目エクストレイル

2代目エクストレイルは2007年8月に発売。初代モデルの「4人が快適で楽しい、200万円の『使える4駆』」をコンセプトと本格的SUVとしての走行性、機能性というDNAを継承・進化させ、「アウトドアスポーツを最大限満喫するためのタフ・ギア」を追求したモデルとなっています。

外観デザインは初代のキープコンセプトで、一目でわかるエクストレイルらしさと優れた悪路走破性を予感させます。4WDの力強さと踏ん張り感を表現したフェンダーや室内と荷室の広さを感じさせる低いウエストラインと、「X」をモチーフとしたリアピラーグラフィックが特徴です。

防水加工フロア、防水加工天井、取り外して水洗いできるウォッシャブルラゲッジボードなど、雪や泥の汚れを簡単に拭き取れるフル防水インテリアは、インストルメントパネルまわり、ドアトリム、アームレストに質感を向上させるソフトパッドを採用し上質感をアップ。

また、運転席・助手席どちらからでも使いやすく、ティッシュボックスも収納可能な大容量インストアッパーボックスや、機能性を向上させた大型リヤシートアームレスト等、優れたユーティリティを実現しています。

リアショックアブソーバーのレイアウト変更により、容量が大幅に増加したラゲッジルーム。横滑りを防止するラゲッジプレートを採用し、使い勝手を向上。ウォッシャブルダブルラゲッジを取り外すことで、クラストップの603L(VDA容量)の広大なラゲッジスペースを実現しています。

搭載しているエンジンは2Lそして2.5L直列4気筒自然吸気エンジンとなり、組み合わされるトランスミッションは新開発のエクストロニックCVTを中心に、2L車には6速MTを設定。一方2.5L車には6速マニュアルモード付無段変速機能付CVT-M6を採用しています。

駆動方式は2WDと4WD。4WD車には先進の4WDシステム、「オールモード 4×4-i (ヨーモーメントコントロール)」を搭載。

このシステムは、WDコンピューターがステアリングの操舵量を検知する舵角センサー、車両の旋回情報を判断するヨーレートセンサー、Gセンサーからの情報を瞬時に分析し、ドライバーが思い描くコーナリングラインを予測しながら、自動的にきめ細かい前後トルク配分を行い、滑りやすい路面でも、自然でなめらかなコーナリングを実現しています。

走行状況に応じて自動制御でトルク配分を100:0から約50:50まで切り替えるAUTOモードと、発進時に前後のトルク配分を固定し、さらに今回より新たにエンジントルクや4輪のブレーキを最適に制御して高い走破性を実現するLOCKモードを選ぶことができます。

また、坂道発進時、アクセルに踏み替えるためにフットブレーキから足を離した後もブレーキ圧力を約2秒間保持することで、車両が後退するのを防ぐヒルスタートアシストを採用しました。

2008年9月には、最高出力173ps、最大トルク360Nmを発生する2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載した20GTを追加。3.5リッターV6ガソリンエンジン並みの高トルクを低回転から発生しながら、10・15モード燃費15.2km/Lの低燃費を実現しています。組み合わされるトランスミッションは6速MTのみでした。

2010年7月にマイナーチェンジを実施。新形状のフロントグリルやフロントバンパー、ヘッドランプを採用することで、より精悍でスマートなフロントデザインとしました。また、リアコンビランプをLEDに変更し、悪天候時などでの後続車からの視認性を向上させています。

インテリアにはドライバーの視認性を向上させる大径メーターを採用し、瞬間燃費やメンテナンス必要時期など様々な情報を表示させる車両情報ディスプレイを採用しました。
これまで6速MT車しか設定されていなかったクリーンディーゼルエンジンを搭載した20GTに6速ATを追加しました。

さらに「保温保冷機能付グローブボックス」を全車に標準設定したほか、路面の状況や坂の勾配などに応じて走行速度を設定できる「アドバンスドヒルディセントコントロール(速度設定機能付)」を4WD車に採用(マニュアルトランスミッション車を除く)するなど利便性を向上させています。

3代目エクストレイル

3代目にあたる旧型のエクストレイルは2013年12月より販売開始されました。ただし、デビュー当時は先代で設定されたディーゼルエンジン搭載車も併売されていました。

旧型エクストレイルは、「アウトドアスポーツのために進化し続ける本格AdvancedGear」をコンセプトとしてガンガン使い倒すギアの世界感はそのままに、グローバルカーとして各市場でのさまざまな競合車に負けない高い競争力を持つ最強のSUVとして開発されました。

旧型エクストレイルは、「ガンガン使い倒す道具」としての力強さを継承しながら、さらに先進感あふれるモチーフを随所に取り入れ、進化させています。また高い機能性やダイナミックな走りを予感させるしっかりとしたスタンス、シャープなラインや面構成が、新しいSUVとしての存在感を表現しています。

これまでのエクストレイルは直線的を多用した無骨なデザインでしたが、旧型は2007年から販売されていたデュアリスとモデル統合されたことにより、曲線を多用したモダンな外観デザインへと路線変更を行っています。

インテリアは、エクストレイルの象徴ともいえる防水シート、防水フロア、防水ラゲッジを新型でも継承し、エクストレイルの世界観をさらに強固なものにしました。また、高く評価されてきた機能性をより向上させ、さらに細部にわたる質感をいっそう高め、「これまでのSUVにはないインテリアデザイン」を実現しました。

インストルメントパネルからドアトリムにつながる伸びやかな水平基調のラインは羽ばたく鳥をモチーフにし、快適に移動できる広々とした室内空間を表現しています。旧型エクストレイルの特徴と言えば、従来の5人乗り2列シート車に加えて、7人乗りの3列シート車を設定していることが挙げられます。

搭載するエンジンは2L直列4気筒DOHCのみで、全車トランスミッションはCVTが組み合わされ、JC08モード燃費は15.6~16.4km/Lと2WDと4WDの燃費差が小さいのが特徴です。

また、旧型エクストレイルはALL MODE 4×4-iと呼ばれる電子制御4WDシステムに加えて、「アクティブライドコントロール」「アクティブエンジンブレーキ」といったシャシー制御技術を搭載し、オンオフ問わず高い走行安定性を実現しています。

またインテリジェントキーを持っていれば、手やモノをセンサーにかざすだけで、バックドアが開く、ハンズフリー機能付きリモートオートバックドアをオプションで設定するなど利便性が向上しているのも見逃せないポイントと言えるでしょう。

2015年4月には日産独自の1モーター2クラッチシステムのハイブリッドシステムを搭載したエクストレイルハイブリッドを追加。こちらはガソリン車と異なり5人乗りだけの設定ですが、高速域でのモーター走行が可能な高効率ハイブリッドシステムによりJC08モード燃費20.6km/Lという優れた燃費性能を実現しています。

そして、2017年6月にエクストレイルはマイナーチェンジを実施。内外装の変更と同時に先進運転支援システムである高速道路同一車線自動運転技術「プロパイロット」を搭載しました。さらに、ハンズフリー機能付きのリモコンオートバックドアの新採用やインテリジェントパーキングアシストの性能向上などでさらに利便性を高めています。

新型(4代目)エクストレイル

2022年7月、日産のミドルサイズSUV、エクストレイルがフルモデルチェンジを行いました。

4代目となる現行型エクストレイルは、初代モデルからのDNAである「タフギア」を継承しつつ、新たに「上質さ」を加え、進化した第2世代「e-POWER」「VCターボ」、そして電動駆動四輪制御技術「e-4ORCE」を搭載したことで、まったく新しいSUVへと生まれ変わっています。

伝統と革新を融合させた「タフギア×上質」の本格SUVの新型エクストレイルは、日常生活からこだわりのアウトドア体験まで、幅広いシーンで楽しむことができるモデルです。

現行型エクストレイルは、クルマの骨格にあたるプラットフォームを刷新。高剛性なボディと徹底した遮音構造によって電動車である「e-POWER」の高い実力を堪能することができます。

また、アクセルペダルだけで車速を自在にコントロールできる「e-Pedal Step」は、e-POWER 車で初めてブレーキ協調制御を採用し、加減速を繰り返す市街地走行に加え、状況に応じて自動的に油圧ブレーキを作動させることで、長い下り坂など、幅広いシーンで快適に運転できます。

搭載されているパワートレインは、高出力モーターを搭載した第2世代「e-POWER」です。発電用エンジンには日産が世界で初めて量産化に成功した可変圧縮比エンジン「VC ターボ」を採用し、力強く、なめらかな走りを実現するとともに、常用域から加速時までエンジン回転数を抑え、圧倒的な静粛性を実現しています。

駆動方式は2WD(FF)に加えて、e-4ORCEと呼ばれる電動駆動四輪制御技術を投入。前後2 基の高出力モーター、左右のブレーキを統合制御することで、四輪の駆動力を最適化し、雪道や山道の走破性に力を発揮するとともに、市街地走行などの日常使いなど、あらゆるシーンや路面状況において

ワクワクした走り、そして乗る人すべてに快適な乗り心地を提供します。

安全装備は、 360°全ての方向の安全を確保する「360°セーフティーアシスト(全方位運転支援システム)」を採用。新たに追加した「SOS コール」や、対向車や先行車の有無に応じてハイビームの照射位置をコントロールする「アダプティブLED ヘッドライトシステム」をはじめとする、多彩な安全技術が、さまざまなシーンで安心なドライブをサポートしてくれます。

さらに、高速道路の単一車線での運転支援技術「プロパイロット」に、「ナビリンク機能」を追加しました。ナビゲーションと連動し、地図データをもとに、制限速度に応じて設定速度の切り替えや、カーブに応じた減速支援など、ドライバーの操作頻度を軽減してくれます。

加えて、駐車時にステアリング、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、パーキングブレーキのすべてを自動で制御する「プロパイロット パーキング」が、縦列・並列駐車、車庫入れをサポートしてくれます。

全車e-POWER搭載車となりましたが、Xグレードには5人乗り2列シート仕様に加えて、7人乗り3列シート仕様も用意されています。

若者でも手に入りやすい200万円という価格設定で、SUVの裾のを広げた初代エクストレイル。そのタフギア感を歴代モデルは継承しつつ、4代目の現行モデルでは、さらに質感の高さも加わっています。

エンジンで発電した電力でモーターを駆動させて走行するe-POWERと電動駆動四輪制御技術「e-4ORCE」によって、従来以上の細かい制御が可能となり、どんな路面状況においても安定感の高い走行性能を発揮できるようになりました。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博