ホンダ 10代目アコード(CV3型)を試乗レビュー|今後のフラッグシップに相応しい!

ホンダ アコード CV3型

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評判の高い2Lエンジン+2モーターのハイブリッドシステムを搭載した現行型アコード。

先代からさらに走行性能に磨きを掛けたということで、東京から千葉まで高速道路やワインディングなど多彩な道路で試乗インプレッションを行いました。

文・写真/萩原 文博

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
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10代目アコードはホンダのセダンの今後を担う重要なモデル
10代目アコードはセダンらしいゆったりとした上質な乗り心地が魅力
10代目アコードは品質は確かだが、価格の割高感が感じられる

10代目アコードはホンダのセダンの今後を担う重要なモデル

現在、ホンダはフラッグシップセダンのレジェンドをはじめ、PHEVのクラリティ、アッパーミドルクラスセダンのアコード、ハイブリッド専用であるインサイトという4種類のセダン系車種を用意しています。

しかし、2020年7月にグレイス、8月にシビックセダンが販売終了となり、レジェントとクラリティも2021年末をもって生産終了となることがアナウンスされています。

一時は6車種もあったホンダのセダン系モデルも、残すはアコードとインサイトの2モデルのみという寂しい状況となってしまいます。

10代目アコードはセダンらしいゆったりとした上質な乗り心地が魅力

次期フラッグシップセダンとなるアコードは全長4,900mm、全幅1,860mmというグローバルモデルゆえ、日本の道路事情ではやや持て余す大きさのボディサイズと言えます。

しかし、そのぶん室内空間は余裕タップリです。

特にリアシートの膝周りの広いスペースはFFの駆動方式のメリットを最大限に活かしています。

また流麗なファストバックスタイルを採用していますが、リアのヘッドクリアランス(頭上の空間)もしっかりと確保されていて、窮屈さは全く感じません。
そして、秀逸なのがトランクです。

バッテリーの形状やレイアウトの工夫などにより、ハイブリッドシステムのIPU(インテリジェントパワーユニット)が先代モデル比で32%小型化。

これにより、トランク容量はクラストップの573Lを確保。

さらに、一体可倒式のリアシートのシートバックを倒せば、荷室をさらに拡大できます。

また、リアシートにはトランクスルー機構が付いているので、4人乗車時でも長尺物を積載できるなど多彩なシートアレンジも可能となっています。
搭載する2L直列4気筒エンジン+発電・駆動の2つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムは絶品です。

このハイブリッドシステムはエンジンをメインに使うのは高速道路などの走行時のみで、街乗りなどでは積極的にモーターで走行するシリーズハイブリッドです。

低回転域から最大トルクを発生するモーターによる走行は車両重量1,560kgのアコードをスームーズかつ静かに加速させます。

走行中にほとんどエンジン音は車内に侵入してきません。若干の風切り音がわずかに聞こえる程度で、車内の会話明瞭度は非常に高く、音楽はクリアに聞こえます。
一般的には、静粛性が高まるとタイヤから発生するロードノイズが気になるところですが、アコードは不快なロードノイズを低減する中空構造の消音機能を採用した「ノイズリデューシングアルミホイール」を採用し対応しています。
コードの乗り味は非常にフラットで優しい乗り味です。

これは電子制御でダンパー内のオイル流量をコントロールするアダプティブダンパーシステムの効果によるものです。

今回はノーマルモードとコンフォートモードしか試していませんが、路面からの衝撃を見事にいなしていて、不快な揺れの発生を抑えています。

アコードは18インチという大径タイヤを装着していますが、ハンドリングの良さとフラットな乗り心地を見事に両立しています。

この乗り味は国産ミドルサイズセダンではトップレベルの実力と言えるでしょう。
運転支援システムのホンダセンシングは、アダプティブクルーズコントロールの制御が一段と質感が高まっています。

前走車に追いついた時のブレーキングや追い越し時の再加速など、人間が操縦している感覚に非常に近づいていて、ギクシャク感が大幅に無くなっています。

この質の高さならば、ロングドライブで積極的に使いたくなるでしょう。

10代目アコードは品質は確かだが、価格の割高感が感じられる

クルマの性能は文句なしですが、同じクラスのベストセラーモデルであるカムリと比べるとアコードの価格に割高感を感じます。

アコードがモノグレードのラインナップで、必要な装備は全部付いている!というのはわかりますが、同じ仕様のカムリより約30万円高となると、走行性能が高いというだけではユーザーに選んでもらうのは難しいと思います。

セダン不振な国内市場ゆえに、グレードを絞っているという戦略は正しいと思いますが、カムリには4WD車もありますので、選択肢の広さそして価格面のバリューで大きな差が付いてしまうでしょう。
4.9mという大きなボディにも関わらず、アコードは俊敏な走りをみせてくれます。

ハンドルを操作してからの、タイムラグの少ない素直な挙動は、相当の走り込みを経て作り込んだということがすぐにわかります。

また高い静粛性もアコードの美点と言えるでしょう。特に高速道路を走行した時の車内の静粛性の高さは抜群で、今後のフラッグシップモデルと言っても全く遜色ない仕上がりとなっています。
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