国内でも100箇所以上で導入!「ラウンドアバウト」をご存じですか?

ラウンドアバウト標識

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時計回りに矢印が3つ配置された青の標識、皆さんは見たことありますか?2014年から日本で運用が始まり、現在では全国に100箇所以上で導入されています。
この標識は、「ラウンドアバウト」という交差点があることを示しています。ラウンドアバウトというとヨーロッパによくある交差点の1種というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、日本で運用開始以降、全国で普及が進んでいます。

ラウンドアバウトはどのように通れば良いのか、そしてラウンドアバウトにどのようなメリットがあるのか、確認していきましょう。
Chapter
ラウンドアバウトってどんな道路?
郊外に多いラウンドアバウト、導入箇所の傾向とは
ラウンドアバウト導入箇所の様子をご紹介
ラウンドアバウトがもたらす様々なメリット

ラウンドアバウトってどんな道路?

ラウンドアバウトの構造と通行手順

ラウンドアバウトとは、環状の道路を右回り(時計回り)に周回する方式の交差点です。特徴として、交差点内に信号がないことや、交差点内の車両が優先して通行できることなどが挙げられます。
通行手順としては次の通り。

①進入時は予め道路の左側に寄り徐行して入る。このとき、交差点内の車が優先なので通行を妨げないこと。

②進入後、徐行したまま右回り(時計回り)に進む。交差点内ではできるだけ交差点の側端に沿って通行する。

③直前の出入り口を通過したタイミングで左折のウインカーを出す。交差点を出る際には、横断する歩行者や自転車、通行中の車に気をつけながら左折する。

ラウンドアバウトが持つ災害時の強み

日本ならではの強みとして、災害時に強い交差点であることが挙げられます。停電発生時、従来の交差点だと信号が機能しなくなることで通行中の車に混乱が生じるおそれがあります。ラウンドアバウトでは通行方法や出入りの方法が決まっているため信号を設ける必要がなく、災害時でも道路に大規模な損害がない限り混乱なく通行することができます。

この強みに着目し、災害対策の一環としてラウンドアバウトの導入が進められているところもあります。

日本のラウンドアバウト導入箇所は100箇所以上

2020年3月末の時点で、日本国内には36都道府県で101箇所のラウンドアバウトが導入されています。その後も各地でラウンドアバウトの導入が進んでおり、今後さらに増えていくことでしょう。

2020年3月末時点で導入箇所が最も多い県は、宮城県の21箇所となっております。東日本大震災をきっかけに、災害時でも機能するラウンドアバウトの導入が進められているようです。

郊外に多いラウンドアバウト、導入箇所の傾向とは

「交通量」が導入の目安に

ラウンドアバウトが導入されている箇所の特徴として、郊外に多いことが挙げられます。先ほど紹介した宮城県でも住宅団地内に多く導入されており、比較的交通量の少ない場所に設けられることが一般的です。

国土交通省が提示しているラウンドアバウト導入の目安の1つとして、「1日あたりの車両交通量が1万台未満の交差点」とされており、この条件を満たす場所で導入が進んでいると考えられます。

都市部やインターチェンジにも導入

少数ながら、都市部高速道路のインターチェンジにもラウンドアバウトが導入されています。2020年9月に名古屋市中区の交差点で、都市部初のラウンドアバウトが導入されました。都市部での導入によって、歩行者の巻き込み事故防止通過車両の速度低下などの効果が期待されています。

また、愛知県や島根県、長野県などの高速道路インターチェンジでラウンドアバウトが導入されています。インターチェンジにラウンドアバウトを導入する効果として、衝突事故の防止やインターチェンジでの逆走防止などがあります。

ラウンドアバウト導入箇所の様子をご紹介

東京都多摩市桜ヶ丘のラウンドアバウト

東京都には、ラウンドアバウトが2箇所導入されております。中でも多摩市桜ヶ丘にあるラウンドアバウトは、2014年9月に日本で法令上初のラウンドアバウトとして導入されました。ちなみに、この場所は1995年に公開されたスタジオジブリ映画「耳をすませば」のモデル地にもなっています。

沖縄県糸満市のラウンドアバウト

2015年から沖縄県糸満市で導入されているラウンドアバウトは、かつてロータリーだった交差点が改良されたものです。ロータリーもラウンドアバウトと同じく環状交差点の1種ですが、違いは「通行時にどちらが優先されるか」です。交差点に進入する車が優先されるロータリーに対し、ラウンドアバウトでは交差点内で周回する車が優先されるため、通行が比較的スムーズです。

糸満市でラウンドアバウトが導入された後、渋滞が発生する時間帯において車両の滞留長が100mから20mに改善されたと報告されています。

ラウンドアバウトがもたらす様々なメリット

重大な事故が起こりにくい

ラウンドアバウトを通行する際は速度を落とすことになるため、交差点内での重大な事故を減少させる効果があります。また、右回りの一方通行であることから車の動きを把握しやすくなります。歩行者にとっても、車が速度を落として通行するため交差点を横断しやすくなる効果があります。

さらにラウンドアバウトを1周してUターンを行うことも可能なため、交差点内で後続車を妨げずに通行できます。

従来の交差点に比べて待ち時間が減少

ラウンドアバウトには信号がないため、信号待ちによるタイムロスが起こりません。国土交通省の実験では、交通量が少ない状況においてラウンドアバウトの方が信号交差点よりも通行にかかる時間が少ないということが実証されています。

信号なしで機能するのがラウンドアバウト

地方自治体側のメリットとして、信号機の運営や点検、補修などのコストを削減できることが挙げられます。また、信号がなくても機能するため交通整理に必要な人員を削減できるということもラウンドアバウトのメリットです。
道路交通法の改正以降、ラウンドアバウトは日本各地で導入が進められています。様々なメリットがあるラウンドアバウトですが、まだまだ目にする機会が少ないため通行に自信がない方も多いでしょう。これを機に、ラウンドアバウトの通行方法を確認してみるのも良いかもしれませんね。
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