昭和天皇に愛された車、プリンス・ロイヤル。その納得の理由とは
更新日:2019.05.31
1967年から天皇陛下の御料車としてその役務を果たしたプリンス・ロイヤル。
日本の最高峰の車として今もなお多くの人々から愛されています。
昭和天皇陛下に寵愛された御料車、プリンス・ロイヤルについて見ていきましょう。
御料車 プリンス・ロイヤル
皇室の御料車としてわずか7台しか製造されなかったリムジン、プリンス・ロイヤル。「自動車の最高峰を国産車で」という信念のもとに製造されました。
プリンス自動車工業が開発した自動車ですが、皇室納車時には日産に吸収合併されていたため、正式名称は日産・プリンス・ロイヤルです。
プリンスが特別に開発したエンジンは水冷V型8気筒、排気量6373ccで、これは史上最大の日本製自動車エンジンになります。
変速機構は3速AT。しかし、AT自体が当時日本ではまだ発展途上だったことから、信頼性などを考慮しGM製のものを導入。タイヤはプリンス社を資本・経営面で大きな力を持っていたブリヂストン製です。
数多くのメーカーからプリンスが選ばれた理由
プリンスが御料車開発を担うきっかけとなったのは、明仁親王(今上天皇)の車好き。明仁親王は自ら自動車を運転するのが趣味であり、1954年に献上されたプリンス・セダン以来スカイラインやグロリアなどのプリンス車を愛用なされていました。
プリンス車がもともと公用車としての納入実績も高かったことも理由のひとつになりました。
また、会社が都内にあったためメンテナンスの面でもプリンス自動車は好都合だったようです。
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