昭和天皇に愛された車、プリンス・ロイヤル。その納得の理由とは

1967年から天皇陛下の御料車としてその役務を果たしたプリンス・ロイヤル。
日本の最高峰の車として今もなお多くの人々から愛されています。

昭和天皇陛下に寵愛された御料車、プリンス・ロイヤルについて見ていきましょう。

Chapter
御料車 プリンス・ロイヤル
数多くのメーカーからプリンスが選ばれた理由
御料車としてのこだわり
昭和天皇陛下に長年愛用されました

御料車 プリンス・ロイヤル

皇室の御料車としてわずか7台しか製造されなかったリムジン、プリンス・ロイヤル。「自動車の最高峰を国産車で」という信念のもとに製造されました。
プリンス自動車工業が開発した自動車ですが、皇室納車時には日産に吸収合併されていたため、正式名称は日産・プリンス・ロイヤルです。

プリンスが特別に開発したエンジンは水冷V型8気筒、排気量6373ccで、これは史上最大の日本製自動車エンジンになります。
変速機構は3速AT。しかし、AT自体が当時日本ではまだ発展途上だったことから、信頼性などを考慮しGM製のものを導入。タイヤはプリンス社を資本・経営面で大きな力を持っていたブリヂストン製です。

数多くのメーカーからプリンスが選ばれた理由

プリンスが御料車開発を担うきっかけとなったのは、明仁親王(今上天皇)の車好き。明仁親王は自ら自動車を運転するのが趣味であり、1954年に献上されたプリンス・セダン以来スカイラインやグロリアなどのプリンス車を愛用なされていました。
プリンス車がもともと公用車としての納入実績も高かったことも理由のひとつになりました。

また、会社が都内にあったためメンテナンスの面でもプリンス自動車は好都合だったようです。

御料車としてのこだわり

ロイヤル・プリンスには御料車ならではのこだわりが多くつまっています。
例えば内装。侍従用の補助席もある8人乗りの室内はほぼ手作り!当時可能な限りの最高級の品質を追い求め、全席は耐久性を意識した革張り、貴賓席には最高級の毛織物を使用し、柔らかかつ滑りにくいシートを実現しました。
外装の面では外部から攻撃を防ぐため、窓ガラス、ドアに防弾対策が施されています。
ボディの塗装はあえて特殊なものは塗られていません。これは、地方での歓迎の際に国民が御料車を囲み手や小旗で車に傷付けてしまったとしても、どの自動車工場でも修復がすばやく出来るようにとの配慮です。こだわりの高さを感じますね。

昭和天皇陛下に長年愛用されました

プリンス・ロイヤルは1990年の「即位礼及び大嘗祭後神宮に親謁の儀」や国会開会式などの行幸で活躍しました。
しかし製造から40年近く経ち、老朽化や部品交換が困難であることが問題となり、日産は徐々にプリンス・ロイヤルの使用を停止していくことに。
2005年トヨタから後続車「センチュリーロイヤル」の納車が決まり、その長い生涯を終えました。


日本最高級の車として天皇の公務を支え続けてきたプリンス・ロイヤル。
使用が停止された現在でも多くの人に愛される日本を代表する車です。