フォルクスワーゲン アルテオンの新グレード「エレガンス」を試乗レビュー!
更新日:2024.09.09
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この世の中には「イイじゃない。なんだかんだ言っても、結局カッコいいんだから……」と心から言えてしまうようなクルマが、ごく少数ではあるが確実に存在すると思う。あくまで筆者の個人的嗜好に基づく見方であることを前提に言わせてもらえば、現行モデルなら例えばアウディ TTやメルセデス CLS、ジャガー F-Paceなど。国産車ならばマツダ CX-3やレクサス LC500あたりが、それに相当する気がする。
文・武田公実 写真・土屋勇人
文・武田公実 写真・土屋勇人
アルテオンエレガンスをレビュー①|想定を上回るヒット作!フォルクスワーゲン アルテオン登場!
もちろん、現代の日本で正規販売されるようなメジャーブランドには、スタイルだけで箸にも棒にも掛からないようなダメ車などはもはや存在し得ず、上に挙げたクルマたちもそれぞれ当代最新のモデルとして申し分ない内容を備えていることは間違いあるまい。
そんな中、2017年10月に日本国内でも発売。この一年での販売台数は2000台以上に上ったという、想定を上回るヒット作になったフォルクスワーゲン アルテオンもまた、カッコ良さだけで充分に訴求力が期待し得るクルマの一つであると筆者は考えてきたのだが、残念ながらこれまでなかなかステアリングを握る機会には恵まれなかった。
しかしこの11月から、スポーツイメージを前面に押し出した従来の「アルテオンTSI 4 MOTION R-Line」に加えて、ボディ内外の仕立てをジェントル志向にするとともに、内装色の選択肢も増やした「アルテオンTSI 4MOTIONエレガンス」も設定されたのを機に、遅ればせながらテストドライブしてみることにしたのだ。
そんな中、2017年10月に日本国内でも発売。この一年での販売台数は2000台以上に上ったという、想定を上回るヒット作になったフォルクスワーゲン アルテオンもまた、カッコ良さだけで充分に訴求力が期待し得るクルマの一つであると筆者は考えてきたのだが、残念ながらこれまでなかなかステアリングを握る機会には恵まれなかった。
しかしこの11月から、スポーツイメージを前面に押し出した従来の「アルテオンTSI 4 MOTION R-Line」に加えて、ボディ内外の仕立てをジェントル志向にするとともに、内装色の選択肢も増やした「アルテオンTSI 4MOTIONエレガンス」も設定されたのを機に、遅ればせながらテストドライブしてみることにしたのだ。
アルテオンエレガンスをレビュー②|新作エレガンス、エレガントでジェントルな仕立てに
新作のエレガンスでは、プレーンなデザインのフロントバンパーや、クラッシィな雰囲気のシルバー仕上げのアロイホイールなど、その名のとおりにエレガントでジェントルな仕立てとされる。
R-Lineのようなスポーティでアグレッシブな印象は薄れるものの、アラフィフである筆者の嗜好からすると、持ち前の美しいボディラインをより純粋に味わえるかに感じられる。
R-Lineのようなスポーティでアグレッシブな印象は薄れるものの、アラフィフである筆者の嗜好からすると、持ち前の美しいボディラインをより純粋に味わえるかに感じられる。
アルテオンエレガンスをレビュー③|走りは「エレガント」よりは「スポーティ」!?
ただし、その走りについては「エレガント」というよりは「スポーティ」という表現が好適だろう。最高出力206kW(280ps)/最大トルク350Nmを発生する直列4気筒DOHC16バルブ+ターボのパワーユニットと7速DSG、そしてフルタイム4WDシステム「4 MOTION」の組み合わせがもたらすパフォーマンスは、実に気持ちの良いものである。
さらに印象深いのは、1.7tの車両重量をまるで感じさせない身のこなしの軽さ。クルマの走りのキャラクターを決定づける重要な要素であるホイールベースが、ベースとなるパサートから45mmも伸ばされた2835mmとなっているにもかかわらず、パサートはもちろん、一回り小さなゴルフ、しかも「GTI」にも匹敵するような、軽快そのもののハンドリングを披露する。
ただし、その分乗り心地は「スポーツ」モードはもちろん、例えば「コンフォート」モードを選んでもいささか固め。加えて、いわゆる車格のわりには操縦フィールが若干軽すぎるかにも感じられる。
少なくとも、エレガンス仕様にはもう少し重厚な乗り味を求めたくなってしまうのだが、それはあくまで筆者の好みと言うべきかもしれない。当然ながら、この軽快さを歓迎する顧客も少なからずいらっしゃるに違いないのだ。
さらに印象深いのは、1.7tの車両重量をまるで感じさせない身のこなしの軽さ。クルマの走りのキャラクターを決定づける重要な要素であるホイールベースが、ベースとなるパサートから45mmも伸ばされた2835mmとなっているにもかかわらず、パサートはもちろん、一回り小さなゴルフ、しかも「GTI」にも匹敵するような、軽快そのもののハンドリングを披露する。
ただし、その分乗り心地は「スポーツ」モードはもちろん、例えば「コンフォート」モードを選んでもいささか固め。加えて、いわゆる車格のわりには操縦フィールが若干軽すぎるかにも感じられる。
少なくとも、エレガンス仕様にはもう少し重厚な乗り味を求めたくなってしまうのだが、それはあくまで筆者の好みと言うべきかもしれない。当然ながら、この軽快さを歓迎する顧客も少なからずいらっしゃるに違いないのだ。
エクステリア 画像
日本に正規導入されるアルテオンは、すべて「アダプティブ・シャシーコントロール(DCC)」を標準装備。「コンフォート」「スポーツ」などの走行モードを任意に選択できるため、新生エレガンスでもサスペンションのセッティングやタイアはR-Lineと共通のものにされているとのこと。
この先、もしもエレガンスが主軸の一角を担うことになるのならば、専用のセッティングを施すこともご検討いただきたいところである。
ちなみに、今回テストドライブの機会を得たアルテオン エレガンスは、電動パノラマスライディングルーフや、デンマークのハイエンドオーディオメーカー「Dynaudio」のプレミアムサウンドシステムをセットにした新オプション「ラグジュアリーパッケージ」を装備した、アルテオンとしてはハイエンドの一台。
もともとはドイツの国民車からスタートした「VOLKS(人民の)WAGEN(自動車)」としては、ちょっと贅沢に過ぎるようにも見られるかもしれないが、魅力的なものは魅力的というほかあるまい。
フォルクスワーゲン アルテオンは、エクステリア/インテリアのデザインや仕立てだけでなく、その内面まで「スタイリッシュ」と言える一台なのである。
この先、もしもエレガンスが主軸の一角を担うことになるのならば、専用のセッティングを施すこともご検討いただきたいところである。
ちなみに、今回テストドライブの機会を得たアルテオン エレガンスは、電動パノラマスライディングルーフや、デンマークのハイエンドオーディオメーカー「Dynaudio」のプレミアムサウンドシステムをセットにした新オプション「ラグジュアリーパッケージ」を装備した、アルテオンとしてはハイエンドの一台。
もともとはドイツの国民車からスタートした「VOLKS(人民の)WAGEN(自動車)」としては、ちょっと贅沢に過ぎるようにも見られるかもしれないが、魅力的なものは魅力的というほかあるまい。
フォルクスワーゲン アルテオンは、エクステリア/インテリアのデザインや仕立てだけでなく、その内面まで「スタイリッシュ」と言える一台なのである。
インテリア 画像
武田公実|Takeda Hiromi
かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッドで営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、クラシックカー専門店などで勤務ののち、自動車ライターおよびイタリア語翻訳者として活動。また「東京コンクール・デレガンス」、「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントにも参画したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム」ではキュレーションを担当している。