市街地で差が出る!? 運転が難しい車の特徴5つ
更新日:2024.09.09
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特定のクルマについて「運転が難しい」という表現を使うことがある。多くのケースでは、シビアな運転特性でスポーツ走行させるにはスキルが必要という意味合いで使われているという印象もあるが、本当に気にすべき「運転の難しさ」は違うところにあるのではないだろうか。ここでは、市街地走行で感じる難しさを基準に、具体的な車種とその対策を考えてみたい。
文・山本晋也
文・山本晋也
前が見えづらいクルマは狭い場所での取り回しが難しい
市街地、とくに入り組んだ住宅街で難易度が上がるのは「前が見えづらいクルマ」だ。見えづらいクルマと聞くと、シート位置が低すぎて周囲の状況が捉えづらいスーパースポーツカーを思い浮かべるものだが、いまやファミリーカーのスタンダードといえるミニバンでもモデルによってノーズ位置の把握しやすさには意外に差があるものだ。
基本的に5ナンバー(小型車枠)ギリギリのボディサイズとなるMクラスミニバンといえば、トヨタ ノア/ヴォクシー/エスクァイア、日産 セレナ、ホンダ ステップワゴンが覇権を競っているカテゴリーだが、この3モデルを乗り比べるとステップワゴン(標準車)だけがボンネットがツルリとした形状で、運転席からノーズ位置が把握しづらいことに気付くだろう。
逆にトヨタの三兄弟はボンネット上のキャラクターラインがノーズ位置の把握を助けてくれる。ステップワゴンにしてもカスタム版のスパーダでは、それほど気にならないのだが…。対策としては視界を広げるしかないわけで、純正オプションで用意されている「コーナーカメラシステム」を装着することで、右前方の様子をモニターに映し出すことができるようになる。
基本的に5ナンバー(小型車枠)ギリギリのボディサイズとなるMクラスミニバンといえば、トヨタ ノア/ヴォクシー/エスクァイア、日産 セレナ、ホンダ ステップワゴンが覇権を競っているカテゴリーだが、この3モデルを乗り比べるとステップワゴン(標準車)だけがボンネットがツルリとした形状で、運転席からノーズ位置が把握しづらいことに気付くだろう。
逆にトヨタの三兄弟はボンネット上のキャラクターラインがノーズ位置の把握を助けてくれる。ステップワゴンにしてもカスタム版のスパーダでは、それほど気にならないのだが…。対策としては視界を広げるしかないわけで、純正オプションで用意されている「コーナーカメラシステム」を装着することで、右前方の様子をモニターに映し出すことができるようになる。
ボディ側面を絞っていると真っ直ぐ駐車するのが難しい
駐車したときに、白線に対してクルマが曲がってしまうのがイヤというドライバーは意外に多い。多少斜めでも隣のクルマに迷惑をかけない範囲であればそのままという地域もあるが、日本ではきっちりしたいという国民性なのだろう。そんな真っ直ぐに停めたい派にとって、サイドミラーだけで真っ直ぐに停めるのが難しいクルマがある。
その最右翼といえるのはホンダの初ハイブリッドカーである初代インサイト。このクルマは空力スペシャルなボディで、後ろにいくに従いボディが絞られている。そのためミラーに映るボディラインと白線を平行にするとクルマが斜めに停まってしまうことになる。
ここまで極端ではなくてもボディサイドのキャラクターラインがダイナミックにうねっているようなクルマでは曲がってしまいがちだ。
また、ドアミラーの内側と外側で曲率を変えて、死角を減らしていることもあるが、そうしたクルマでは、とくに曲率の大きい輸入車では慣れるまではミラーだけで駐車するのは難しい。ミラーだけで真っ直ぐにするには慣れるしかないが、ガイド線を表示できるバックカメラを活用するという手もある。
その最右翼といえるのはホンダの初ハイブリッドカーである初代インサイト。このクルマは空力スペシャルなボディで、後ろにいくに従いボディが絞られている。そのためミラーに映るボディラインと白線を平行にするとクルマが斜めに停まってしまうことになる。
ここまで極端ではなくてもボディサイドのキャラクターラインがダイナミックにうねっているようなクルマでは曲がってしまいがちだ。
また、ドアミラーの内側と外側で曲率を変えて、死角を減らしていることもあるが、そうしたクルマでは、とくに曲率の大きい輸入車では慣れるまではミラーだけで駐車するのは難しい。ミラーだけで真っ直ぐにするには慣れるしかないが、ガイド線を表示できるバックカメラを活用するという手もある。
ホイールベースの長いクルマは内輪差が大きくて難しい
交差点などで左折する際に、右にはらむ運転を見かけることもあるだろう。大きく右にはらむのは事故のリスクが大きくなり、批判されることもあるが、こと狭い市街地においては、そうした運転をやらざるを得ないケースもある。
というのも、クルマのサイズアップ以上にホイールベースが伸びており、免許取得時に苦労する内輪差が大きくなっている。とくにミニバンは、その居住性を確保するためにホイールベースが長くなる傾向にあり、タイトな曲がり角や狭い駐車場などではかなり気を使うものだ。
そのためトヨタアルファード/ヴェルファイアといった大型ミニバンには、前後バンパーに内蔵されたセンサーを利用して内輪差によって隣接するクルマなどに接触しないようブザーを鳴らす「巻き込み警報機能」が備わっていたりする。
また、真上から見たような映像を合成してモニターに映し出す機能(日産のアラウンドビューモニターが代表格)を活用するのも、ロングホイールベースのクルマでは有効だ。予算が許せば、ぜひともオプションで装着しておきたい。
というのも、クルマのサイズアップ以上にホイールベースが伸びており、免許取得時に苦労する内輪差が大きくなっている。とくにミニバンは、その居住性を確保するためにホイールベースが長くなる傾向にあり、タイトな曲がり角や狭い駐車場などではかなり気を使うものだ。
そのためトヨタアルファード/ヴェルファイアといった大型ミニバンには、前後バンパーに内蔵されたセンサーを利用して内輪差によって隣接するクルマなどに接触しないようブザーを鳴らす「巻き込み警報機能」が備わっていたりする。
また、真上から見たような映像を合成してモニターに映し出す機能(日産のアラウンドビューモニターが代表格)を活用するのも、ロングホイールベースのクルマでは有効だ。予算が許せば、ぜひともオプションで装着しておきたい。
ハイギアードな最終減速比のMTは坂道発進が難しい
マニュアル免許を取得したならば、坂道発進の難しさは覚えているだろう。そして、パワーがないクルマは坂道発進が難しいというイメージを持っているかもしれない。しかし、意外にも単純に最高出力のカタログ値だけでは坂道発進の難易度は計れない。
たとえば、国内で売っているクルマの中でもっとも最高出力が低いと思われる軽トラックや軽1BOXなどの商用車の坂道発進はかなり容易だ。
2018年に登場したホンダN-VANなどは空荷であればアイドリング状態からクラッチをつないでも発進できそうなくらいだ。それはギア比が全体に低くなっているから。そのため発進は得意なのである。
一方で、高速走行をメインに割合にハイギアードな最終減速比を与えられたスポーツカーなどは坂道発進が難しいクルマもある。エンストしてしまうほどではないが、前述したN-VANよりも同じホンダの軽自動車でターボエンジンを積んでいるS660のほうが坂道発進では気を使う。
もっとも、坂道発進をサポートする「ヒルスタートアシスト機能」が装備されているので、実際にクルマが後退してしまうようなことはない。ちょっと不安に思うようなきつい坂道であれば、躊躇なくパーキングブレーキを使いたい。右足でアクセルペダル、左足でクラッチペダル、そして左手でサイドブレーキレバーをタイミングよく操作するのもMTを操る醍醐味だ。
たとえば、国内で売っているクルマの中でもっとも最高出力が低いと思われる軽トラックや軽1BOXなどの商用車の坂道発進はかなり容易だ。
2018年に登場したホンダN-VANなどは空荷であればアイドリング状態からクラッチをつないでも発進できそうなくらいだ。それはギア比が全体に低くなっているから。そのため発進は得意なのである。
一方で、高速走行をメインに割合にハイギアードな最終減速比を与えられたスポーツカーなどは坂道発進が難しいクルマもある。エンストしてしまうほどではないが、前述したN-VANよりも同じホンダの軽自動車でターボエンジンを積んでいるS660のほうが坂道発進では気を使う。
もっとも、坂道発進をサポートする「ヒルスタートアシスト機能」が装備されているので、実際にクルマが後退してしまうようなことはない。ちょっと不安に思うようなきつい坂道であれば、躊躇なくパーキングブレーキを使いたい。右足でアクセルペダル、左足でクラッチペダル、そして左手でサイドブレーキレバーをタイミングよく操作するのもMTを操る醍醐味だ。
スーパースポーツは静かにおとなしく走るのが難しい
最後に、市街地を走らせるのがもっとも難しいと感じるのはハイパワーなエンジンを積むスーパースポーツだ。ハイパワーということはちょっとだけパワーを出すようコントロールするのが難しい。その上、トランスミッションも大トルクに対応しているために、つながり感が唐突になりがちだ。
スーパースポーツの多くが採用しているDCTは低速でのマイルドさを考慮しているが、とはいえセダンなどの快適性は望み難い。アクセルを踏めば、エキゾースト音も盛大になってしまい、住宅街を静かに移動しようとしても目立ってしまう。溢れ出るエモーショナルゆえに仕方がないとはいえ、スーパースポーツでおとなしく移動しようとするのは至難の業だ。
ハイブリッドのスーパースポーツであるホンダNSXであれば、フロントのモーターだけで走ることができるため、そうした悩みからは多少は開放されるかもしれない。
スーパースポーツの多くが採用しているDCTは低速でのマイルドさを考慮しているが、とはいえセダンなどの快適性は望み難い。アクセルを踏めば、エキゾースト音も盛大になってしまい、住宅街を静かに移動しようとしても目立ってしまう。溢れ出るエモーショナルゆえに仕方がないとはいえ、スーパースポーツでおとなしく移動しようとするのは至難の業だ。
ハイブリッドのスーパースポーツであるホンダNSXであれば、フロントのモーターだけで走ることができるため、そうした悩みからは多少は開放されるかもしれない。
山本晋也
自動車メディア業界に足を踏みいれて四半世紀。いくつかの自動車雑誌で編集長を務めた後フリーランスへ転身。近年は自動車コミュニケータ、自動車コラムニストとして活動している。ジェンダーフリーを意識した切り口で自動車が持つメカニカルな魅力を伝えることを模索中。