これでキャンプに行きたい!フォルクスワーゲン グランドカリフォルニアってどんなクルマ?
更新日:2024.09.09
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今年の夏も各地でキャンピングカーを目撃しましたが、ドイツのVW社が新型のキャンパーを発表しました。もはや伝統ともなったVWの「カリフォルニアシリーズ」、その最新版とライバルであるメルセデス・ベンツの最新キャンパーをご紹介します。
文・山崎友貴
文・山崎友貴
小型キャンパーの源流となったVW社
ご存じの通り、欧州はアメリカ以上にキャンピングカー文化が盛んな国です。戦前からすでにキャンピングカーが存在していましたが、各国ビルダーが競って優れたキャンピングカーを製造してきた歴史があります。
そのため、市場は非常に大きく、日本の約20倍もののモデルが一年間で製造されると言われています。なかでもドイツはイタリアと並ぶキャンピングカー王国として、その地位を盤石なものにしています。
ドイツでは世情が安定した1950年代に、キャンピングカーで欧州各地を旅するというムーブメントが興りました。そのブームの中で生まれたのがタイプ2・T1にキャンパー架装をした「キャンピングボックス」です。
このキャンピングボックスを造ったのが、ドイツの名門ビルダー「ウエストファリア」であり、その歴代モデルの架装を手がけてきました。このモデルはやがて海を渡り、自由なライフスタイルを身上とするヒッピーたちに愛されました。そして、アメリカのキャルルックと結びつき、独自の進化をしていきます。
一方、本国ドイツはT2、T3、T4など新型の商用ワンボックスをベースに、ウェストファリア社が「ヴァナゴン」を造ります。そしてアメリカ西海岸の自由なライフスタイルをイメージして、代々「カリフォルニア」というペットネームが与えられるのです。ヴァナゴンは90年代に日本でもブームになり、アウトドアファミリーの憧れの的でした。
残念ながらウェストファリア社は1994年に破産し、当時のダイムラー・クライスラーの支援を受けますが、現在はフランスのビルダー「ラピード」の1ブランドになってしまいました。VWとは2003年を最後に提携を解消し、現在のVWのキャンパーは子会社の「アウト5000」が担当しています。
そしてこのアウト5000が、VWの2代目クラフターをベースに造ったのが、「グランドカリフォルニア」なのです。
そのため、市場は非常に大きく、日本の約20倍もののモデルが一年間で製造されると言われています。なかでもドイツはイタリアと並ぶキャンピングカー王国として、その地位を盤石なものにしています。
ドイツでは世情が安定した1950年代に、キャンピングカーで欧州各地を旅するというムーブメントが興りました。そのブームの中で生まれたのがタイプ2・T1にキャンパー架装をした「キャンピングボックス」です。
このキャンピングボックスを造ったのが、ドイツの名門ビルダー「ウエストファリア」であり、その歴代モデルの架装を手がけてきました。このモデルはやがて海を渡り、自由なライフスタイルを身上とするヒッピーたちに愛されました。そして、アメリカのキャルルックと結びつき、独自の進化をしていきます。
一方、本国ドイツはT2、T3、T4など新型の商用ワンボックスをベースに、ウェストファリア社が「ヴァナゴン」を造ります。そしてアメリカ西海岸の自由なライフスタイルをイメージして、代々「カリフォルニア」というペットネームが与えられるのです。ヴァナゴンは90年代に日本でもブームになり、アウトドアファミリーの憧れの的でした。
残念ながらウェストファリア社は1994年に破産し、当時のダイムラー・クライスラーの支援を受けますが、現在はフランスのビルダー「ラピード」の1ブランドになってしまいました。VWとは2003年を最後に提携を解消し、現在のVWのキャンパーは子会社の「アウト5000」が担当しています。
そしてこのアウト5000が、VWの2代目クラフターをベースに造ったのが、「グランドカリフォルニア」なのです。
グランドカリフォルニアには限られた空間に豪華な宿泊装備をインストール
これまでのシリーズに与えられたペットネームに加えて、“グランド”が付いた新型。VWの並々ならぬ自信が窺えるキャンパーです。中身をチェックすると、その自信も納得できます。
ベースとなっているクラフターには3種類のボディサイズがあり、今回どのバージョンがベースになっているかは定かではありません。ただ、最も全長の短いものでも6mはあるので、ハイエースワゴンのグランドキャビンと比べてもかなり大きいことがわかります。
FRP製のルーフで室内空間をかさ増しし、大人が立って車内を移動することができます。サイドのスライドドアを入るとすぐに、ダイネットがあります。欧州キャンパーによくあるタイプで、運転席と助手席を後方に回転させると、セカンドシートを対座となって4人用のくつろぎ空間となります。
ベースとなっているクラフターには3種類のボディサイズがあり、今回どのバージョンがベースになっているかは定かではありません。ただ、最も全長の短いものでも6mはあるので、ハイエースワゴンのグランドキャビンと比べてもかなり大きいことがわかります。
FRP製のルーフで室内空間をかさ増しし、大人が立って車内を移動することができます。サイドのスライドドアを入るとすぐに、ダイネットがあります。欧州キャンパーによくあるタイプで、運転席と助手席を後方に回転させると、セカンドシートを対座となって4人用のくつろぎ空間となります。
ダイネットのすぐ脇には、冷蔵庫やギャレー、ガス台が備え付けられ、調理などを気軽にすることが可能です。セカンドシートの後ろには、トイレ、シャワー、洗面台があるマルチスペースを設置。いつでもどこでも、トイレやシャワーが使えるのはどの国でもうれしいものです。
車両後部にはWサイズの常設ベッドがあり、ベッド下は衣服などを収納できるスペースに充てています。また運転席上のバンク部には、オプションで子供用ベッドを備え付けることができます。
日本で人気の5m未満の国産キャブコンより若干広く、750kg以下のキャンピングトレーラーとほぼ同等のスペースユーティリティと考えればいいでしょう。
車両後部にはWサイズの常設ベッドがあり、ベッド下は衣服などを収納できるスペースに充てています。また運転席上のバンク部には、オプションで子供用ベッドを備え付けることができます。
日本で人気の5m未満の国産キャブコンより若干広く、750kg以下のキャンピングトレーラーとほぼ同等のスペースユーティリティと考えればいいでしょう。
さらに、先進運転支援システムやデジタルガジェットとの親和性が高いオーディオシステムなどを採用。安全性や娯楽性をも備えた、自動車メーカーらしいキャンピングカーに仕上がっています。
日本への正規輸入は未定ですが、現在の日本のキャンピングカーブームを考えれば、あながち夢ではないかもしれません。
日本への正規輸入は未定ですが、現在の日本のキャンピングカーブームを考えれば、あながち夢ではないかもしれません。
グランドカリフォルニア 画像ギャラリー
あの高級ミニバンもキャンパーベースに
2018年2月に開催された「ジャパンキャピングカーショー2018」で日本デビューを果たしたのが、メルセデス・ベンツの「V220d Marco Polo HORIZON(マルコポーロ・ホライゾン)」です。事前の告知なしに、この会場で日本への導入が発表されたため、驚いたファンも多くいたことでしょう。
このモデルはその名の通り、高級ミニバンのVクラスをベースにした車中泊仕様車です。キャンピングカーとお伝えしないのは、ギャレーなどの装備がないため。
セカンドシートとサードシートにフルフラットになるタイプを採用し、また運転席と助手席は後ろ向きに回転します。これにより、車内をダイネット&ベッドの兼用スペースとして使うことが可能になりました。さらにルーフ上には、ウェストファリア社が架装したポップアップタイプのテントを付け、大人2名分の就寝スペースを確保しています。
標準ボディのVクラスはフルフラットシートにならない上に、後部をフラットスペースとして使うには、非常に苦労してセカンドおよびサードシートの脱着を行う必要がありました。それを考えると、このモデルは車中泊派には非常に利便性が高いと言えるでしょう。
じつはVクラスのホライゾンシリーズには、車内にギャレーなどをインストールした本格キャンパーも本国でラインナップされています。しかし、海外と異なり、日本ではキャンピングカーはビルダーから購入する風潮があります。
さらに日本にはメルセデス・ベンツのキャンピングカー専用ベース車両を使った「ハイマー」が並行輸入されています。メルセデス・ベンツ日本はそんな市場の状況を判断して、一番簡易型のマルコポーロのみを日本に導入したようです。
一番簡易型とは言え、快適に寝泊まりするには十分。雨天時以外、煮炊きは車外でする人がほとんどですので、バーナーなどを持っていけばいいと思います。何よりスリーポインテッドスターの付いた車中泊仕様車というのは、ファンにはたまらないはず。
欧州の大手メーカーのバッジが付いたキャンピングカーは、他にも存在します。例えば、フィアット社の商用車「デュカト」をベースにしたキャブコンバージョン(通称キャブコン)は、日本でも人気を博しています。
このモデルはその名の通り、高級ミニバンのVクラスをベースにした車中泊仕様車です。キャンピングカーとお伝えしないのは、ギャレーなどの装備がないため。
セカンドシートとサードシートにフルフラットになるタイプを採用し、また運転席と助手席は後ろ向きに回転します。これにより、車内をダイネット&ベッドの兼用スペースとして使うことが可能になりました。さらにルーフ上には、ウェストファリア社が架装したポップアップタイプのテントを付け、大人2名分の就寝スペースを確保しています。
標準ボディのVクラスはフルフラットシートにならない上に、後部をフラットスペースとして使うには、非常に苦労してセカンドおよびサードシートの脱着を行う必要がありました。それを考えると、このモデルは車中泊派には非常に利便性が高いと言えるでしょう。
じつはVクラスのホライゾンシリーズには、車内にギャレーなどをインストールした本格キャンパーも本国でラインナップされています。しかし、海外と異なり、日本ではキャンピングカーはビルダーから購入する風潮があります。
さらに日本にはメルセデス・ベンツのキャンピングカー専用ベース車両を使った「ハイマー」が並行輸入されています。メルセデス・ベンツ日本はそんな市場の状況を判断して、一番簡易型のマルコポーロのみを日本に導入したようです。
一番簡易型とは言え、快適に寝泊まりするには十分。雨天時以外、煮炊きは車外でする人がほとんどですので、バーナーなどを持っていけばいいと思います。何よりスリーポインテッドスターの付いた車中泊仕様車というのは、ファンにはたまらないはず。
欧州の大手メーカーのバッジが付いたキャンピングカーは、他にも存在します。例えば、フィアット社の商用車「デュカト」をベースにしたキャブコンバージョン(通称キャブコン)は、日本でも人気を博しています。
V220d Marco Polo HORIZON 画像ギャラリー
保管場所や道路インフラ、オートキャンプをする場所などの事情から、日本ではこれまで一部の人にしか乗られていなかった欧州製キャンピングカー。しかしここ数年、より快適な車内空間を求めて欧州車に乗り替えている人が増えています。
もしグランドカリフォルニアが導入されれば、ハイエースのバンコンバージョンやカムロードのキャブコンバージョンを脅かすような存在になるかもしれません。
山崎友貴|Yamazaki Tomotaka
四輪駆動車専門誌、RV誌編集部を経て、フリーエディターに。RVやキャンピングカー、アウトドア誌などで執筆中。趣味は登山、クライミング、山城探訪。小さいクルマが大好物。