中国で一番売れている日本車「日産 シルフィ」のEV車が北京で世界初公開

日産 シルフィ ゼロ・エミッション

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一時期の勢いは沈静化された感があるものの、モータリゼーション真っ只中の中国では、1年間に約2,890万台の新車(4輪車)が販売されています。これは日本の約5倍。そのなかで、もっとも売れている日本車が「日産 シルフィ(東風日産 軒逸)」です。そのシルフィの純電車(中国語で、純粋な電気自動車の意味)が発表され、話題を集めています。

文・加藤久美子
Chapter
日産シルフィEVとはどんな車?
中国では国家政策でEVが急増中?
中国市場でのシルフィ。その人気の理由は?

日産シルフィEVとはどんな車?

北京モーターショーでワールドプレミアとなった日産 シルフィのEVモデルが「シルフィ ゼロ・エミッション」です。

世界でもっとも販売台数の多い電気自動車「日産 リーフ」の技術およびプラットフォームを活用して、中国・花都工場で生産されるシルフィ ゼロ・エミッションは、日産ブランド初の中国市場向け量産EVとして、2018年秋以降の発売が予定されています。

ちなみに、日本で販売されるシルフィは中国工場で生産された部品を輸入して、神奈川県の追浜工場で組み立てるという逆ノックダウン方式で生産されています。

リーフの技術を活用したシルフィ ゼロ・エミッションの、一充電あたりの航続距離(中国基準)は338km。急速充電も可能です。

さらに本来の持ち味である広い室内とプレミアムな快適性、車線逸脱警報(LDW)、インテリジェント エマージェンシーブレーキ、後退時車両検知警報(RCTA)、後側方車両検知警報(BSW)といった、数々の先進技術を採用しています。

シルフィ ゼロ・エミッション 画像ギャラリー

中国では国家政策でEVが急増中?

中国では深刻な大気汚染や騒音問題を食い止める目的もあり、国を挙げて新エネルギー車(NEV=EV、PHV、FCV。HVは含まない)の普及を進めています。

また、モーターのほうが製造に関わる技術や経験がエンジンほどには必要としないため、中国の自動車メーカーには好都合なところもあるのでしょう。

中国では政府が購入のための補助金を出したり、さまざまな優遇措置を講じたりで、NEVの販売台数は2014年の7.5万台から4年間で約77.7万台にまで増加しました。しかし、中国市場全体では年間約2,900万台も新車が売れる市場ですから、割合としてみれば、まだまだと言ったところでしょう。

ちなみに、中国政府はNEVの販売目標を2020年に300万台、2025年に700万台、2030年に1,900万台とするとともに、2019年以降、自動車メーカー各社にNEVの生産や販売に義務を設けたNEV規制を行う予定なので、EVの販売は一気に拡大する可能性もあります。

中国市場でのシルフィ。その人気の理由は?

中国では近年、SUVの人気が凄まじく、市場ではセダンが少しずつシェアを減らしているのに対して、SUVが年々シェアを拡大しています。その割合は、いまやセダンと同じ全体の4割前後です。

そんななか、オーソドックスなセダン、典型的な日本車といった"真面目な車"であるシルフィが、日本車の中では人気ナンバーワンとなっています。これは、”中流家庭の新車としてちょうどいい”車であることが一番の理由と考えられます。

中国の人々の多くは家族をとても大切にするので、家族みんなが安心できて、プレミアム感もほどほどにあって快適装備が付いている…デザインや珍しさよりも「家族みんなが満足できる」ことが車選びには大事な要素となるようです。


日産自動車では今後『ニッサン インテリジェント モビリティ』のビジョンのもと、中国における電動化戦略を推進していくとのこと。新型EVも続々、投入予定です。

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