パリとルノーとルーテシア

ahead ルノーテシア

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パリの女性達の多くは、普段はエレガントでシックな雰囲気を漂わせてさり気なくセクシーでいるけれど、ほんの1枚アンヴェールすると、実は驚くほどに元気で活発な貌を見せてくれたりする。

text:嶋田智之 [aheadアーカイブス vol.129 2013年8月号]
Chapter
パリとルノーとルーテシア

パリとルノーとルーテシア

ルノー ルーテシア
車両本体価格:¥1,998,000(アクティフ)
排気量:1,197cc
最高出力:88kW(120ps)/4,900rpm
最大トルク:190Nm(19.4kgm)/2,000rpm
お問い合わせ(ルノーコール) :0120(676)365


例えばカフェで。さっきまでの人待ちの間にはちょっとばかり官能風味な仕草と表情で巧みにオスマシし、当たり前のように男の視線を集めていたレディが、待っていた同性の友達が来た次の瞬間から、よくしゃべり、よく笑い、よく食べ、よく飲み、小娘のような無邪気な表情を浮かべてる。

誰もがそうでしょ?と言われたら頷くしかないのだけど、そのギャップの大きさにはポカーン……とさせられることが少なくない。メリハリが効いてるというか、ひとつの器にいろんなモノがそれぞれ強く絶妙なバランスで収まっているというか、そんな感じだ。

しかも、どの“メリ”や“ハリ”を見ても、ちょっとばかり魅力的だったりする。
喩えるならば、ルノー・ルーテシアというのはそんなふうなクルマである。
 
もともとルノーは、日本でいうならトヨタのような巨大な自動車メーカー。けれど昔から変に保守に向かったりはせず、意外や攻めたクルマ作りを続けてる。

佳きものは延々と熟成し続けるフランスならではのお家芸を徹底する一方で、たとえ安価なコンパクトカーであろうと出し惜しみすることなく新しい技術を躊躇いなしにスルッと盛り込み、見事に調律を決めて絶妙な乗り味に仕立て上げる。
それに美の都に根付いてるだけあってデザインへのこだわりは強く、ときとしてチャレンジングにすら感じられるほどの大胆なデザイン改革を繰り返してきている。新型ルーテシアから始まった滑らかにうねる躍動的な新しいスタイリングは、パリの街の風景を変えたと言われるほど。
 
その新しいルーテシアが、いよいよ日本に上陸する。歴代がそうであるように、間違いなくコンパクトカーとして秀逸。数字の上では見るべきものは少ないと感じるかも知れないが、女性の魅力がスリーサイズなんかでは量れないのと同じで、“メリ”と“ハリ”の色々を、その曲面美の下にたくさん隠し持っている。

そして乗り手の求めに応じて、恋の駆け引きでもするかのように、ヴェールの奥からその持ち味をひとつずつ覗かせてくる。
 
何と蠱惑的なクルマであることか。男はそういう女性に弱いのである。そして大抵は、そういうクルマを操る女性にも。

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text:嶋田智之/Tomoyuki Shimada
1964年生まれ。エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集長を長年にわたって務め、総編集長として『ROSSO』のフルリニューアルを果たした後、独立。現在は自動車ライター&エディターとして活躍。
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