ストーリーのあるEV NEW BMW i3

アヘッド BMW i3

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BMW「i3」の試乗会が屋久島で行われると聞いて、EVだから屋久島っていうのはちょっと安易じゃない? と思ったのだが、浅はかだったのは私の方だった。

text:ahead編集長・若林葉子 [aheadアーカイブス vol.137 2014年4月号]
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ストーリーのあるEV NEW BMW i3

ストーリーのあるEV NEW BMW i3

●BMW i3
車両本体価格:¥4,990,000(税込)
車両重量:1,260kg
総電力量:18.8kWh
最高出力:125kW(170ps)
最大トルク:250Nm(25.5kgm)


「ひと月のうち35日雨が降る」と言われる屋久島は、島内で消費される電力をほぼ全て水力発電で賄っている。試乗会当日も大雨。滝のようになった水流が何本も山の岩肌から流れ落ちるのを目の当たりにして、この島の自然も電力も、この雨に支えられているのだと納得する。

走行にCO2を排出しないEVと、発電段階でもCO2の排出量が極めて少ない水力発電。こう考えると屋久島とEVはとても相性がいいのだ。

実際、屋久島は島をあげてCO2フリーに取り組んでおり、急速充電器や普通充電器の普及にも力を入れている。…と、こんなことを考えさせるだけでも、BMWの意図は既に半分は成功していると言える。
ではクルマそのものの印象はどうか。私は素直に、とても新しいと感じた。

それは例えばダッシュボードやドアパネルの一部に使われているケナフ麻の繊維もそうだし、さらには南ヨーロッパの森林から調達しているというユーカリ・ウッドのインテリア・トリム・パネル(オプション)もそう。

それは、はっきりと目に見える形で、このクルマが単にEVであるというだけでなく、これまでとは違う発想の元に開発されたクルマであると訴えかけてくる。

そして目に入る情報をもとに、さらにパンフレットなどを読むと、シート素材にPETボトルのリサイクル材が使われていることや、モデルキーは再生可能素材であるトウゴマの実からつくられていることなど、ひとつひとつにストーリーが満載なのだ。
これまで、EVにはどこか「我慢」がつきものというイメージが強かった。積極的に選ぶには何かが足りない、そう思っていた。

しかし『i3』は違った。豊かなストーリーが用意されている。「インテリアの素材はね、リサイクル材が使われているんだけど、あえてアップサイクルと呼んでいるんだって」「ケナフはね、雨期に育つから、食料の栽培期間と重複しないんだって」なんていう会話ができるのだ。

左右ともに観音開き(コーチ・ドア)のドアを開けて乗り込む。天然素材のインテリアを見ながら、スイッチをオンにする。走り出すと、強めの回生ブレーキに戸惑いながらも、これが内燃機関とは違う走り方なのだなと、さらに新しさを発見する。

『i3』はEVのイメージをくつがえすかも知れない。

●BMW i3(レンジ・エクステンダー装備車)
車両本体価格:¥5,460,000(税込)
車両重量:1,390kg
総電力量:18.8kWh
最高出力:125kW(170ps)
最大トルク:250Nm(25.5kgm)
エンジン:2気筒4バルブ 総排気量:647cc
最高出力:25kW(34ps)/4,300rpm
最大トルク:55Nm(5.6kgm)/4,300rpm

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text:若林葉子/Yoko Wakabayashi
1971年大阪生まれ。Car&Motorcycle誌編集長。
OL、フリーランスライター・エディターを経て、2005年よりahead編集部に在籍。2017年1月より現職。2009年からモンゴルラリーに参戦、ナビとして4度、ドライバーとして2度出場し全て完走。2015年のダカールラリーではHINO TEAM SUGAWARA1号車のナビゲーターも務めた。
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