新しい移動のカタチ チョイモビ ヨコハマ

「会員は、平日に市内で働かれている営業マンの方から、クルマを所有していない方までさまざまです」と教えてくれたのは、日産自動車ゼロエミッション企画本部の林 隆介さん。

幅広い支持の理由は、「気軽に借りられる」という点だ。現在、主要駅周辺や観光スポットなど横浜都心エリア54箇所のステーションに、延べ50台を配置。貸出と返却場所が違っても構わないシステムのため、出発地と目的地はこれらの中から自由に選ぶことができる。

利用料金は1分20円。スマートフォンとICカード（会員カード）さえあれば、貸出から返却・支払まで済んでしまうという便利さだ。レジャー目的はもちろん、「外回り中に、駅からオフィスエリアまで雨に濡れずに移動したい、といった使い方もされているようです」（林さん）。

もう一つの人気の理由が、100％電気で走る最先端の超小型EV「NISSAN New Mobility CONCEPT」に乗れることだ。見た目は、クルマとバイクの中間といった具合だが、上にぴょんと跳ね上がるドアや前後2人乗りという形が、愛嬌のあるコンパクトなスタイルを生み出している。

新しい乗り物というイメージと、全幅約1.2mという車幅感覚の掴みやすさが手伝ってか、「これなら運転しやすそう」と会員になるペーパードライバーの女性もいるそうだ。

利用するには、まずは会員登録をして、“会員カード”を取得せねばならない。これはチョイモビを動かす鍵にもなる、大切なカード。

まずはスマホの専用サイトから会員申請を行い、登録完了後に安全講習会を予約・受講すれば、発行してもらえる。最初は「講習会か…ちょっと面倒だな」と思っていたが、安心・安全に利用するためには欠かせないもの。基本的な車両の操作方法や利用時の注意点などについての説明と試乗で、1時間ほどで終了した。

講習後、早速街中をドライブしてみた。「アクセルはしっかり目に踏んでくださいね」と言われたものの、最初はおっかなびっくりで、不安定な走行になってしまった。が、すぐに慣れた。細い道に気兼ねなく入れるし、トルクがあるせいか勢い良く発進し、坂道もグイグイ上れる。何より、まるでアトラクションに乗っているかのようなワクワク感がある。

赤信号で停まると、隣に並んだクルマからおじさんが顔を出した。「それ、どのくらい馬力あるの？」　路肩に停まっていたら、観光客がパシャパシャと写真撮影しながら声を掛けてくる。「さすが横浜、おしゃれ〜」「どこのクルマですか？」　窓がなく開放的なせいか、知らない人からどんどん話し掛けられ、何だかくすぐったい。

週末はフル稼働状態になるほど人気が高まっているというチョイモビ。来年９月までの限定プロジェクトなので、横浜に来る機会があれば、一度体験してみてほしい。

①会員申請
現在、受付はスマートフォンからのみ。専用サイト（www.choi-mobi.com）にアクセスし、申請フォームに従って、クレジットカード情報など必要情報を入力。運転免許証の画像データとともに、会員申請をする。

②会員審査
チョイモビ ヨコハマ運営事務局で入力内容や運転免許証の有効期限などを確認。登録完了後、メールにて通知がくる。

③講習会予約・受講
特定ステーション（日産グローバル本社ギャラリー/パシフィコ横浜）で実施する安全運転講習会の希望日時を専用サイトから予約。土・日は、希望者が多いため、早めの予約がオススメだ。

④会員カード取得
講習終了後、会場にて会員カードを発行。入会金や手数料はかからない。


●会員登録の条件は？
次のすべてを満たせば、誰でも登録可能。

①日本の自動車運転免許所を取得していること。
②eメールを受信できるスマートフォンを所有していること。
③日本国内発行のクレジットカードで決済できること。

問い合わせ：チョイモビ ヨコハマ運営事務局
0120（458）023

NISSAN New Mobility CONCEPT
欧州で販売されているルノーの2人乗りEV「Twizy」をベースに開発された。チョイモビでは、国土交通省の認定により軽自動車基準が緩和され、横浜市内に限り走行が許可されている。高速道路や自動車専用道路は運転できないので注意。

定員：2名
全長×全幅×全高：2,340mm×1,230mm×1,450mm
最高速度：約80km/h
航続可能距離：約100km