現代のスーパーカー3 Lamborghini Aventador LP700-4 王道を邁進するフラッグシップモデル

アヘッド Lamborghini Aventador LP700-4

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今後も何度となく繰り返すことになるだろうが、“スーパーカー”の定義は曖昧だ。が、誰もが「うん。それは間違いなくスーパーカーだよね」と認めざるを得ない髄の髄がある。

text:嶋田智之 [aheadアーカイブス vol.113 2012年4月号]
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王道を邁進するフラッグシップモデル

王道を邁進するフラッグシップモデル

尖ったカタチ、12気筒エンジン、ミドシップ・レイアウトの3つを備えたクルマである。それに加えて天空に羽ばたくかのような、ド派手な跳ね上げ式ドアを持っていたりしたら、もう文句のつけようなんてどこにもなかろう。

それを世界のクルマ好きに植えつけたのは、1971年に初めてこの世に姿を現したランボルギーニ・カウンタック(欧米では“クンタッチ”と呼ばれる)の存在だ。

最高速度300㎞/hという公称値とともに、それらの要素の全てを誇ったカウンタックは、70年代後半の第1期スーパーカー・ブームの時代の王様であり、ライバルだったフェラーリは尖ったカタチに12気筒を積んだミドシップの365BB/512BBで、子供のケンカみたいに最高速度302㎞/hを詠っていたが、存在感ではカウンタックに勝てなかった。

まぁどっちにしても実測値では300㎞/hになんて達しなかったが、それでもその後の不文律みたいになった“絶対にスーパーカー認定される要素3点セット”は、この2台がルーツになったといっていいだろう。以来、ランボもフェラーリもフラッグシップはその路線を貫いていた。

が、96年以降、フェラーリはその路線を降りている。フラッグシップの12気筒モデルはフロント・エンジンで、V8モデルにはミドシップを用意するが、もはやブランド全体として古式ゆかしきスーパーカーのイメージを捨て去り、ひたすら“誰でも乗れる超高性能スポーツカー”路線を突き進んでいるのだ。

確かに12気筒の巨大なエンジンを搭載する場合、エンジンを前に積む方がコーナーでのコントロール性を容易にしやすい。それはフェラーリなりの正義なのだろう。

一方のランボルギーニはといえば、カウンタックの後継であるディアブロ、そのまた後継であるムルシエラゴ、と自らのフラッグシップであるモデルには例の3点セット+跳ね上げ式ドアを採用し続けたまま世紀を跨ぎ、スーパーカーを愛する男達のロマンティシズムを満たし続けてきた。それはランボルギーニとしての正義に他ならなかったのだ。

そして2011年にムルシエラゴの後継モデルとしてアヴェンタドールが発表されたとき、ファンは感涙したものだ。ランボが跳ね上げ式ドアまで含めた自らの伝統を捨て去ることなく、性能面でもフェラーリを凌駕するモデルを造り上げたからだ。

もはや唯一といえるスーパーカーの“髄の髄”、まさに“キング・オブ・スーパーカー”である。日本での価格は4100万2500円。

だが、決して高くはないと思う。滅多に買えないだけで。
ランボルギーニ・アヴェンタドールLP700-4は、2011年3月に発表されたランボルギーニの最上級モデル。

カウンタック以降の伝統的なV12+ミドシップ+跳ね上げ式ドアという基本構成に則ってはいるが、車体はカーボンモノコック、サスペンションはレーシングカーそのもののプッシュロッド式、700PSのエンジンも7速2ペダルのミッションも完全な新設計、とほぼゼロから創造されている。

0-100km/h加速は2.9秒、最高速度は350km/hと、性能も“超”スーパーである。
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text:嶋田智之/Tomoyuki Shimada
1964年生まれ。エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集長を長年にわたって務め、総編集長として『ROSSO』のフルリニューアルを果たした後、独立。現在は自動車ライター&エディターとして活躍。
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