新型ロードスターのプロトモデルに試乗

アヘッド 新型ロードスターのプロトモデルに試乗

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昨年末に伊豆修善寺サイクルスポーツセンターにおいて「マツダロードスターエクスペリエンス」と名付けられた次期マツダ「ロードスター」のプロトモデル試乗会が行われた。4代目となるND型ロードスターは、1.5ℓと2.0ℓの「スカイアクティブ-G」と呼ばれるガソリンエンジンが用意される。基本的には先に発売されたアクセラと同じエンジンになるのだが、燃焼室の形状以外は、ロードスター専用にチューニングされ、ほぼ別物になっているという。

text:神尾 成 [aheadアーカイブス vol.147 2015年2月号]
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新型ロードスターのプロトモデルに試乗

新型ロードスターのプロトモデルに試乗

今回は、国内仕様となる1.5ℓのみの試乗だったが、中間加速は一般的なクルマの2.0ℓ並に感じられた。中低速コーナーが続く登りのワインディングでも軽い車重の恩恵もあり、トルクが意のままに湧き出てくるのでクルマのリズムに集中することができる。

排気音も〝心地よく感じる音〟を研究したというだけあって加速の時だけではなく減速時の音までもが気持ち良い。また、ND型のためだけに社内で新造された6速MTは、従来型のオーナーとしては、腹立たしいほどシフトフィーリングが向上していた。(ATモデルも市販予定)

車体まわりは、ボンネットやトランクリッドに加え、フロントフェンダー、ソフトトップリンク等のアルミ化、ブレーキキャリパーの肉抜きやホイールの4点止めなど、全ての部品をグラム単位で見直し、従来のNC型よりも100kg以上の軽量化を実現。

さらに歴代ロードスターの中では一番ボディ全長が短くなり、ホイールベースを短縮していることも、この運動性能にひと役かっていると思われる。
しかしそれ以上に注目すべきは、ND型ロードスターの開発の進め方だ。’89年にデビューしたロードスターは世界的に大ヒットし、次々とギネスの販売記録を塗り替えている。

ND型もロードスターの伝統を継承すべく、ロードスターとは何かを追求する必要があった。主査の山本修弘氏は、ND型の開発が始まる前、このクルマに関わる100名以上のスタッフに自らの新型ロードスターに対する想いを記させた。

それを顔写真入りの冊子にまとめ、当初の「志」を忘れないようにと、関係者全員に配ったというのだ。そのメンバーは広報担当やファイナンスのスタッフにまで及んでいる。ある意味で宗教的にも思えるが、立場の違うそれぞれの意思をお互いに理解し合うには必要なことだったと山本氏は振り返る。

ロードスターの求める感覚的な性能は単純に数字や理屈で表すことができないだけに有効な方法だったのだろう。結果、新型のND型ロードスターは多くの人の志で作られたことを乗る人に感じさせるクルマになっていた。

●[新型ロードスター(プロトタイプ・日本仕様)開発目標値]
ボディサイズ:
全長3,915mm×全幅1,730mm×全高1,235mm
ホイールベース:2,315mm
車両重量:1,000kg
エンジン:SKYACTIV-G 1.5ℓ 直噴ガソリンエンジン
トランスミッション:
SKYACTIV-MT 6速マニュアルトランスミッション
最高出力:96kW(131ps)/7,000rpm
最大トルク:150Nm(15.3kgf・m)/4,800rpm
フロント:ダブルウィッシュボーン式サスペンション
リア:マルチリンク式サスペンション
タイヤサイズ:195/50R16
*スペックは全て暫定値であり、変更されることがあります。また、数値・仕様・装備は市場及び国によって差があります。

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text:神尾 成/Sei Kamio
1964年生まれ。神戸市出身。新聞社のプレスライダー、大型バイク用品店の開発、アフターバイクパーツの企画開発、カスタムバイクのセットアップ等に携わり、2010年3月号から2017年1月号に渡りahead編集長を務めた。現在もプランナーとしてaheadに関わっている。
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