思わず二度見!? 強烈な個性をもつ2代目フィアット ムルティプラとは?

ムルティプラの誕生

ムルティプラ 初代

フィアット ムルティプラという名前は、往年のラテン車好きの方にとっては懐かしい名前でしょう。トポリーノの愛称で有名な初代フィアット500が生産を終了した1955年に、600という車が登場したことがムルティプラ誕生のきっかけとなります。

フィアットにおける最初のリアエンジン車であった600(セイチェント)は、1957年に発売され、大ヒットとなるヌォーバ500の上級車種として、当時のソ連でもライセンス生産がされるほどの人気でした。そのセイチェントの派生型モデルとして、1956年にムルティプラが誕生するのです。

RR(リアエンジンリアドライブ)のレイアウトを活かした600 ムルティプラは、2座×3列=6人乗りのピープルムーバー(ミニバン)として開発されました。

ボンネットのないワンボックススタイルは、どこか可愛げでユーモラスな印象。名前は、イタリア語で「多目的な」という意味でした。

30年の時を超えて復活したムルティプラ

フィアット ムルティプラ

初代ムルティプラの誕生からおよそ30年後の1998年に、フィアットからふたたびムルティプラの名前を冠したモデルが発表されました。しかしその見た目は、初代とはまったくかけ離れた奇妙な出で立ちで、発表当時は賛否両論さまざまだったと言われています。

一般的な車はボンネットからAピラーまで流れるようなラインを描いていますが、ムルティプラはAピラーの根もと部分にあえて段を設け、そこからフロントウィンドウが始まっているのです。しかもその段の部分にハイビーム用のライトを埋め込むという、独創的なスタイリングとなっていました。

全長3,995mm×全幅1,870mm×全高1,670mmと、全長が極端に短いサイコロのようなフォルムは、全長4メートルを超えると欧州のカーフェリー料金が高くなることを考慮したものでした。

フロントマスクだけでなくリアスタイルも真四角に近い強烈なカタチをしており、テールレンズの処理もじつに個性的。内装は、3列シートに合わせてセンターコンソールにシフトレバーが配置され、センターメーターまわりにエアコンの吹き出し口や各種スイッチが並ぶという、こちらも負けず劣らずの変わりっぷりでした。

ちなみにフィアットのエンブレムは、ボンネット先端にはなく、ハイビームの間(フロントウインドウの下)という位置についています。

ムルティプラ 2004

強烈なスタイリングを持つムルティプラ。しかし周囲の酷評に影響されてしまったのか、2004年のマイナーチェンジでフェイスリフトを敢行。没個性的なミニバンとなってしまい、ムルティプラのファンをがっかりさせる結果となってしまいました。

2代目ムルティプラ 画像

ムルティプラ 2004年モデル 画像

時代を先取りしすぎたミニバン

ムルティプラ 2006

6座すべてが独立シートを備え、運転席以外は折りたためるだけでなく取り外すことができるなど、実用性の高さではかなり秀逸だった2代目ムルティプラ。駆動方式はFFレイアウトを採用しているものの、6名乗車という初代の伝統はしっかりと守っています(ただしこちらは3座×2列)。

車両価格もベースグレードのELXが¥2,490,000と控えめで、十分国産のミニバンにも対抗しうるポテンシャルを秘めていたものの、MTのみの設定でAT仕様が無かったことと、アクの強すぎるスタイリングが災いしたのか、残念ながら日本で人気が出ることはありませんでした。

とはいえ、その独創的なアイディアはのちのミニバンにも通じるものがあり、センターメーターをいち早く導入するなど、時代を先取りしていた1台と言えるでしょう。

この記事をシェアする

関連する記事

最新記事

     
アヘッド Car & Motorcycle Magagine ahead archives