新燃費測定法「WLTCモード」で何が変わる?

新燃費測定法「WLTCモード」で何が変わる?

アヘッド マツダ CX-3

●MAZDA CX-3
車両本体価格:¥2,127,600〜(税込)
*諸元値は、ガソリンタイプの2WD/6EC-AT(特別仕様車を除く) 
エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブ 
総排気量:1,997cc 
最高出力:110kW(150ps)/6,000rpm 
最大トルク:195Nm(19.9kgm)/2,800rpm
WLTCモード燃費:16.0㎞/ℓ
【市街地モード:12.6㎞/ℓ、郊外モード:16.7㎞/ℓ、高速道路モード:18.0㎞/ℓ】

燃費表記

出典:国土交通省


「実際に運転する状況での性能を重視」するマツダは、'17年6月に追加したCX-3のガソリンエンジン搭載車でWLTCモードの認可を先行取得した。2WD・AT車のJC08モード燃費は17.0㎞/ℓなのに対し、WLTCモード燃費は16.0㎞/ℓだ。

WLTCは「市街地」「郊外」「高速道路」の3種類のモードも表記され、それぞれ12.6㎞/ℓ、16.7㎞/ℓ、18.0㎞/ℓとなる。WLTCモードはこれら3種類のモードを平均的な使用時間配分で測定した数値だ。燃費の良し悪しを、より実態に即した格好で細かく知ることができるようになる。

モード燃費は実走行燃費との乖離が進んでは、新しいモード燃費に切り替わってきた。'73年に導入された10モード燃費に15の試験モードを加えた10・15モード燃費が導入されたのは'91年のことだった。15モードは高速道路を想定し、最高速を70㎞/hに引き上げていた。それでも不十分で最高速を81.6㎞/hに引き上げると同時に、より実走行に近いモードを加えたJC08モードが'11年に導入された。

それでも実走行燃費との乖離を解消するには至らなかった。とくに、ハイブリッド車などモード燃費が良いクルマほど、乖離が目立った。

計測誤差を抑えるため、モード燃費の計測は屋内試験装置のシャシーダイナモで行われる(排ガス成分から燃料消費量=燃費を求める)。WLTCモードの計測も同じだ。排ガス計測装置を積んで行うRDE(リアル・ドライビング・エミッション)を将来的に導入する検討も進んでいる。実走行を模したモードで計測するのではなく、実際に路上を走って燃費を計測するのだから、これほど正確な燃費測定法はない。

だが、それはまだ先の話だ。WLTCはJC08よりも全般に速度が高く、重い状態で走り、加速が急だ。つまり条件は厳しく、だからCX-3の例で示したように、一般的にJC08よりも低い数値になる。

JC08はエンジンが暖まった状態で計測するモードがほとんどだったが、WLTCはエンジンが冷えた状態で計測を開始する。エンジンが冷えていると、触媒が正常に機能するまで暖める必要があり、そのぶん燃費は悪化する。また、JC08はエアコンをオフにして計測していたが、WLTCはオンにして計測する。

こうして見ると、JC08がいかにヌルい測定法だったかが分かる。

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text:世良耕太/Kota Sera
F1ジャーナリスト/ライター&エディター。出版社勤務後、独立。F1やWEC(世界耐久選手権)を中心としたモータースポーツ、および量産車の技術面を中心に取材・編集・執筆活動を行う。近編著に『F1機械工学大全』『モータースポーツのテクノロジー2016-2017』(ともに三栄書房)、『図解自動車エンジンの技術』(ナツメ社)など。http://serakota.blog.so-net.ne.jp/

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