なぜ日本ではクルーズコントロールがあまり使われていないの?
更新日:2024.09.09
※この記事には広告が含まれます
速度を設定すれば、ブレーキを掛けるなどの操作を行わない限り、ずっと定速で走り続けるクルーズコントロール機能(オートクルーズ)は、1958年にクライスラー社が初めて実用化した機能です。採用車種は多いものの、日本ではあまり使われていないオートクルーズとは、どんな機能なのでしょうか?
日本車初採用はトヨタ クラウン エイトだった!
クルーズコントロールの日本車採用第1号は、1964年に発売されたトヨタ クラウン エイト。それにオプションでオートドライブという機能が設定されていました。いまから50年以上も前に日本車にも採用されていたとは驚きですね。
その後、各メーカーの上級車種に採用されてはいたものの普及するまでにはいたらなかったのですが、1981年にホンダがミドルクラスセダンのアコードに標準装備したことで、採用が拡大していきました。ATのイメージが強い装備ですが、アコードではMTにも搭載されていました。
その後、各メーカーの上級車種に採用されてはいたものの普及するまでにはいたらなかったのですが、1981年にホンダがミドルクラスセダンのアコードに標準装備したことで、採用が拡大していきました。ATのイメージが強い装備ですが、アコードではMTにも搭載されていました。
オートクルーズはどんな時に便利?
クルーズコントロールは高速道路などを長時間、長距離走るときにはとても便利な装備です。筆者も経験がありますが、何時間も高速道路でアクセルを踏み続けるのは結構疲れます。
もちろん、ハンドル操作や自動ブレーキなどはないのですが、それでも速度を設定して、動作をONにすればアクセルペダルを踏まなくても、ブレーキを掛けて解除するまで、ずっと定速で走り続けることができるので疲労が軽減されます。
また、アクセルの開き方が一定であるため燃費がよくなる効果もあります。そういった意味でオートクルーズは、自動運転の初歩的な機能と言えますね。
そんなとても便利な機能ですが、あまり使ったことがないという人は多いようです。その理由は、なんでしょう?
もちろん、ハンドル操作や自動ブレーキなどはないのですが、それでも速度を設定して、動作をONにすればアクセルペダルを踏まなくても、ブレーキを掛けて解除するまで、ずっと定速で走り続けることができるので疲労が軽減されます。
また、アクセルの開き方が一定であるため燃費がよくなる効果もあります。そういった意味でオートクルーズは、自動運転の初歩的な機能と言えますね。
そんなとても便利な機能ですが、あまり使ったことがないという人は多いようです。その理由は、なんでしょう?
一般ドライバーがあまり使わないのはなぜ?
・使い方がわからなくて不安
・設定可能速度の制限がある
・高速道路を長距離乗る機会があまりない
・設定した速度と実際の速度との間にギャップがある
・アクセルが急に開いて怖い
このような理由で、日本国内ではいまひとつ支持を得られてこなかったようです。
また、追い越し車線を遅い車が走り続けて、後方から近づいてきた車に道を譲らないなど、日本では欧米と違って高速道路の走行マナーが定着していません。
そのため、オートクルーズを設定していても、解除したり、再設定したりが必要で、面倒と感じるケースもしばしば。一定の速度で延々と走る機会が少ないので、必要性を感じないというのも大きな理由なのかもしれません。
・設定可能速度の制限がある
・高速道路を長距離乗る機会があまりない
・設定した速度と実際の速度との間にギャップがある
・アクセルが急に開いて怖い
このような理由で、日本国内ではいまひとつ支持を得られてこなかったようです。
また、追い越し車線を遅い車が走り続けて、後方から近づいてきた車に道を譲らないなど、日本では欧米と違って高速道路の走行マナーが定着していません。
そのため、オートクルーズを設定していても、解除したり、再設定したりが必要で、面倒と感じるケースもしばしば。一定の速度で延々と走る機会が少ないので、必要性を感じないというのも大きな理由なのかもしれません。
オートクルーズを禁止にする業界もある?
高速道路を長距離走る車と言えば、長距離トラックが代表的ですが、これらのトラックにもオートクルーズ機能がついています。しかし、この機能を最近ではあえて外す運送会社が出てきているそうです。
理由は、「オートクルーズで走り続けると居眠り運転を誘発して危険」。さらに、アクセルペダルを踏む必要がなくなるため、右足をダッシュボードの上に上げて運転するなど、危険回避行動が遅れて事故を誘発する危険性も指摘されています。
自動車の電子制御化や安全運転支援システムが進化した最近では、クルーズコントロール単体で装備されことは減り、かわりに前走車との距離を一定に保ちながら走る機能や、危険を回避する自動ブレーキや渋滞時には完全に停止するなどの機能も付加されたアダプティブクルーズコントロール(ACC)、さらには車線逸脱防止機能などと組み合わせられことで、かつてよりはるかにドライバーの運転をサポートし、疲労を軽減する方向に進化しています。
理由は、「オートクルーズで走り続けると居眠り運転を誘発して危険」。さらに、アクセルペダルを踏む必要がなくなるため、右足をダッシュボードの上に上げて運転するなど、危険回避行動が遅れて事故を誘発する危険性も指摘されています。
自動車の電子制御化や安全運転支援システムが進化した最近では、クルーズコントロール単体で装備されことは減り、かわりに前走車との距離を一定に保ちながら走る機能や、危険を回避する自動ブレーキや渋滞時には完全に停止するなどの機能も付加されたアダプティブクルーズコントロール(ACC)、さらには車線逸脱防止機能などと組み合わせられことで、かつてよりはるかにドライバーの運転をサポートし、疲労を軽減する方向に進化しています。
加藤久美子|Kato Kumiko
自動車生活ジャーナリスト。大学時代はトヨタディーラーで納車・引き取りのバイトに明け暮れ、卒業後は日刊自動車新聞社出版局に入社。フリーランスになって20年超。愛車は1998年式アルファスパイダーで走行距離まもなく25万キロ!近年は撮影&通訳担当のクルマ好き息子と共に、海外自動車ショウの取材が増えている。
著書「固有名詞子育て」(朝日新聞出版)、原作「愛車買います!」(実業之日本社)