スタリオン ガルウイング、セルシオV430-R…知る人ぞ知る限定車11選

とても個性的な車が世界には存在しています。それらの多くは、オーナーの趣味嗜好がモロに反映されたもので、その情熱には頭が下がります。ところが、まったく普通の、あるいは有名な車でも、知る人ぞ知るマイナーなグレードや限定車が存在しています。そういった中から、今回は11台を厳選してお届けします。

Chapter
①ロールス・ロイス レイス・ヒストリー オブ ラグビー
②ダイハツ リーザ ケン・ドーンS
③ルノー カングー ラ・ポスト
④シャリオ リゾートランナーGT
⑤トヨタ クラウンアスリートL
⑥「ダイハツ ミラ X4R」
⑦三菱 スタリオン ガルウイング
⑧無印良品 ムジカー1000
⑨トヨタテクノクラフト コンフォート GT-Z
⑩愛知トヨタ セルシオ V430-R
⑪神奈川日産ケインズファクトリー ブルーバード SSS-WR

①ロールス・ロイス レイス・ヒストリー オブ ラグビー

ロールスロイス・レイス・ヒストリー・オブ・ラグビー
ロールスロイス・レイス・ヒストリー・オブ・ラグビー

毎年さまざまなテーマで限定特別仕様車を発表するロールス・ロイスですが、2015年モデルでは、2ドアファストバッククーペのレイスに、ラグビー名門校のジャージをイメージした白いボディカラーと、その名門校の紋章であるバラを配置した内外装が特徴となっています。

ロールス・ロイスにジャージとは、なんと大胆。と思うのは、英国でのラクビーの地位を知らないからでしょうか。

なお、このロールス・ロイスの内装と同じ革を使用したラグビーボールが、イギリスのスポーツ用品ブランドから限定で製作されたそうです。

②ダイハツ リーザ ケン・ドーンS

リーザ・ケンドーンS

その昔、ダイハツにリーザという車が、という時点でご存知の方も少ない気がしますが、そのリーザに追加された特別仕様車が「ケン・ドーン」です。

ドアトリムやシートの柄、ボディのストライプなどのコーディネートを依頼した、オーストラリアのデザイナー「ケン・ドーン」さんの名前を冠したモデルでした。とはいえ、デザイナーや広告代理店界隈以外では、そんな名前は誰も知らなかったのではないでしょうか。

しかも、なぜか数ヶ月前に廃止したはずの5ナンバーモデルまで「ケン・ドーンS」としてラインナップしたのです。在庫処分か何かでしょうか?

リーザは、数ヵ月後に660ccにフルモデルチェンジしたので、”550cc末期のリーザで唯一の5ナンバー車”という、よほどのマニアしか喜ばないレア度です。

③ルノー カングー ラ・ポスト

ルノー・カングー・ラ・ポスト

ルノーの商用車カングーの150台限定(150台)モデルは、何とフランスの郵便車(ラ・ポスト)と同じカラーを採用してきました。

フランス人が来日したら、郵便局からの払い下げが日本に輸出されて走ってる!と大騒ぎになるのではないでしょうか。

日本では一般での入手が難しい、赤い郵政カブが海外で走ってるの見た時と同じ感動に、フランス人も襲われるかもしれませんね。

④シャリオ リゾートランナーGT

1995年からわずか2年ほどラインナップされていただけですが、7人乗りミニバンでありながら4G63型インタークーラーターボエンジンを搭載し、4WDでマニュアルミッション、つまり230馬力に抑えられているとはいえ、ミニバン版ランサーエボリューションと呼べる車です。

本気を出せば、さぞかし痛快な走りをするであろうシャリオ リゾートランナーGTですが、同乗者がいる時に本気を出すと、確実に人間関係に影響が出るので控えめにしましょう。

⑤トヨタ クラウンアスリートL

長らく保守路線を歩んできたトヨタのクラウンが、若返り路線を図ったのは1999年、11代目S170系のときでした。

そこで設定されたスポーツグレードがアスリートで、狙い通り従来よりも若い世代に受け入れられ、現在ではクラウンに欠かせないグレードとなっています。

しかし、S170系クラウンから時を遡ること10年前、8代目のS130系クラウンにも3.0Lツインカムエンジンを搭載し、電子制御サスTEMSで締め上げた足回りを持つスポーツグレード、「アスリートL」が、カタログモデルとして存在したことを知る人は少ないです。

なぜかといえば、当時、ライバルと目されていた日産セドリック/グロリアのグランツーリスモに惨敗。その後、S170系がデビューするまでアスリートの名称は封印されていたのです。

そのため名称が復活した時には、もう誰も覚えていないマイナーグレードとなっていたのでした。

⑥「ダイハツ ミラ X4R」

ダイハツのマイナー車と言えば、ストーリア X4やブーン X4を思い浮かべる人も多いと思います。ですが、その前には軽自動車のL500系ミラに「X4」が設定されていました。

競技用にクロスミッションやLSDを組み込み、装備を簡素化するなど特殊なグレードでしたが、それゆえにマニアの人気はそれなりにあったのです。

そのため、L500系の前のL200系ミラの「X4」を間違って買ってしまった人がいたかもしれません。実は、L200系で初めて設定されたX4グレードですが、L200系では単なる4WDターボの一般乗用モデル。この型の競技用スペシャルは「X4R」なので、間違えないように注意しましょう。

⑦三菱 スタリオン ガルウイング

石原軍団の刑事ドラマを見た人であれば、登場するマシンを我が手に収めたいという衝動に一度や二度は駆られたに違いありません。それがマニアであればなおさらです。

刑事ドラマ「ゴリラ」で舘ひろし演じる伊達刑事の愛車だったスタリオンのガルウイング仕様もそんな1台。それが、首都圏の三菱ディーラーで販売されました。

限定5台で販売されたスタリオン ガルウイングを製作したのは、劇中で登場するスタリオン ガルウイングを製作した架装会社アッスル。徹底したレプリカは、マニア垂涎のモデルでした。

⑧無印良品 ムジカー1000

何でも売る無印良品がついに車も!と話題になった「ムジカー1000」は、写真を見ての通り日産K11型マーチをベースに、「無印感」を出したデザインになっています。どこかのディーラーや無印良品の店舗では注文できず、インターネット専売という試みでしたが、予定の1000台はあっという間に完売したそうです。

中身は何という事の無いマーチなのですが、無印良品ブランドおそるべしです。

⑨トヨタテクノクラフト コンフォート GT-Z

先日、何気なく目の前を走るコンフォートの個人タクシーを見たら、GT-Zのエンブレムが貼ってありました。初めて見た実物が、タクシーとして使われている本末転倒ぶりに目まいがした覚えがあります。

そんな「コンフォートGT-Z」は、タクシーや教習車向けに販売していたコンフォートが数少ないFRセダンであることに目をつけ、トヨタテクノクラフトが製作、首都圏の一部トヨペット店で販売されました。

コンフォートの3S-FEハイメカツインカムエンジンにスーパーチャージャーをドッキング。さらにTRDスポーツサス、ブレーキエアロパーツなどを装着したコンプリートカスタムの最高速度はリミッターカットしても204km/hという、何か煮え切らないチューニング。

サーキットの走行会で目撃した知人によると、「蹴飛ばしたくなるくらい遅かった」そうです。そこからまたチューニングベースにされてしまいそうですが、いまでもノーマルで乗っている人はいるんでしょうか。 先日の個人タクシーは、タクシーにしてる時点でノーマルでは無いですし。

⑩愛知トヨタ セルシオ V430-R

メーカー公式チューンドカーとは別に、ディーラーが独自にチューナーに依頼したディーラー公式チューンドカーというものが存在します。

この「セルシオV430-R」もそんな1台。2005年に限定30台で販売された、セルシオの愛知トヨタ公式チューニングカーです。

トムスのスーパーチャージャーで武装したエンジンは、350馬力以上を発揮、そのパワーに見合うボディや足回りの強化を受け、新車価格は1,000万円以上!しかも、販売しているのが愛知トヨタというだけでなく、登録も愛知県内でしかできないという、「愛知県内の、愛知県民による、愛知県内のための最高のVIPカー」でした。

そこまで引きこもらずに、普通にチューニングブランドとして確立できなかったのかと不思議に思います。

⑪神奈川日産ケインズファクトリー ブルーバード SSS-WR

最後もディーラー公式チューンドカーです。15年ほど前に自動車雑誌の読者投稿欄でこの車を見つけた時は、正直ギョッとしました。

なぜかといえば、ブルーバードSSSでWR。となるとダットサン510からU12までの、ラリーのブルが復活か!と思ってしまったのです。

しかし、よく見ればディーラー独自のコンプリートカーで、外観もラリーカーというよりもチューンドカーに近い。さらに考えて見れば日産がWRCに復活する兆候などどこにも無いのでした。

あらめてこの車を調べますと、神奈川日産直営のチューニングショップ(そんなものがあったのですね)「ケインズ・ファクトリー」で企画されたディーラー公式チューンドカーで、WRはワールドラリーではなく”ウイニング・ラン”なのだそうです。なにか競馬のようですね。

しかも単なる特注エアロ仕様かと思いきや、なんとエンジン本体もコンピューターもサスペンション関係も全部手が入った、かなりの本気仕様だったようです。0台限定だったとのことですが、すっかり地味なファミリーカーになってしまっていた当時のU14ブルーバードで、完売できたのでしょうか。

それぞれ個性的かつ、販売台数も限られていたスペシャルな11台を紹介しました。はたして現存台数がどのくらいなのか、とも気になるところです。