夜間の信号待ちでヘッドライトを消している車は違反になるの?
更新日:2024.09.09
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かつて信号待ちではヘッドライトを消すことが当たり前のマナーとされていた。いまでも、そうしたマナーに従っているドライバーもいるが、はたしてマナーとしてはOKでも、ドライバーのルールである道路交通法ではどうなっているのだろうか?
文・山本晋也
文・山本晋也
厳密には夜間走行中にはヘッドライトを点灯する必要がある
夜間、自動車が走行するにはヘッドライトを点灯しなくてはいけない。それは道路交通法で決まっていることで、点灯する時間は“日没から日の出まで”と明記されている。
これは道路を通行するときに守るべきものとされ、例外となるのは『十分な照明が行われているトンネル』を走行しているときだけだ。つまり、信号待ちであってもヘッドライトを消すことは、厳密にいえば道交法違反といえる。
そういっても、信号待ちでヘッドライトを点けていると対向車が眩しいと感じてしまうだろう、という意見もあるだろう。とはいえ、最近のクルマにはヘッドライトレベライザーといってロービームの光軸を調整する機能がついている。自動で調整するタイプもあるので、それほど眩しいというケースは少なくなっている。
また、光軸というのは走行中にズレてしまうものだが、それでも車検時にロービーム側の光軸をチェックするなど対向車が眩しくないような方向で状況は進んでいる。もっとも、後付けLEDヘッドライトなどでは不適切な状態になっていることもあるようだが……。正しくセットされ、メンテナンスされているという前提に立てばヘッドライトは対向車や歩行者が眩しいと思わないように設計されている。
これは道路を通行するときに守るべきものとされ、例外となるのは『十分な照明が行われているトンネル』を走行しているときだけだ。つまり、信号待ちであってもヘッドライトを消すことは、厳密にいえば道交法違反といえる。
そういっても、信号待ちでヘッドライトを点けていると対向車が眩しいと感じてしまうだろう、という意見もあるだろう。とはいえ、最近のクルマにはヘッドライトレベライザーといってロービームの光軸を調整する機能がついている。自動で調整するタイプもあるので、それほど眩しいというケースは少なくなっている。
また、光軸というのは走行中にズレてしまうものだが、それでも車検時にロービーム側の光軸をチェックするなど対向車が眩しくないような方向で状況は進んでいる。もっとも、後付けLEDヘッドライトなどでは不適切な状態になっていることもあるようだが……。正しくセットされ、メンテナンスされているという前提に立てばヘッドライトは対向車や歩行者が眩しいと思わないように設計されている。
対向車からの被視認性を考えても消灯にメリットはない
こうしてヘッドライトを点けたまま停車するクルマが増えてくると(これが本来の姿なわけだが)、ヘッドライトを消していることで「そこにクルマが停まっていない」と勘違いされるケースも出てくるだろう。
たとえば、複数車線の道で右側に停まっているときに、右折車がその存在に気付かずにギリギリをかすめていったり、最悪のケースでは車体がぶつかったりというリスクもある。ヘッドライトを点灯するのは前を照らすためだけでなく、周囲に自車の存在を知らせるためという側面もある。信号待ちで消灯することにメリットはない。
なお、古いユーザーの中には「バッテリーの消耗もあるのでヘッドライトを消したほうがベター」と主張する人もいるかもしれない。たしかにオルタネーターの性能が低かった時代には、アイドリングでヘッドライトを点灯しておくのはバッテリーあがりのリスクを減らす手法だった。
しかし、現在はバッテリー電圧をクルマは常にチェックしている。アイドリングストップ車であってもヘッドライトを点けたまま信号待ちをしていて問題はない。もしバッテリーへの充電が必要となれば、自動的にエンジンがかかって充電を始めるよう制御されているので、心配する必要はないのだ。
たとえば、複数車線の道で右側に停まっているときに、右折車がその存在に気付かずにギリギリをかすめていったり、最悪のケースでは車体がぶつかったりというリスクもある。ヘッドライトを点灯するのは前を照らすためだけでなく、周囲に自車の存在を知らせるためという側面もある。信号待ちで消灯することにメリットはない。
なお、古いユーザーの中には「バッテリーの消耗もあるのでヘッドライトを消したほうがベター」と主張する人もいるかもしれない。たしかにオルタネーターの性能が低かった時代には、アイドリングでヘッドライトを点灯しておくのはバッテリーあがりのリスクを減らす手法だった。
しかし、現在はバッテリー電圧をクルマは常にチェックしている。アイドリングストップ車であってもヘッドライトを点けたまま信号待ちをしていて問題はない。もしバッテリーへの充電が必要となれば、自動的にエンジンがかかって充電を始めるよう制御されているので、心配する必要はないのだ。
山本晋也
自動車メディア業界に足を踏みいれて四半世紀。いくつかの自動車雑誌で編集長を務めた後フリーランスへ転身。近年は自動車コミュニケータ、自動車コラムニストとして活動している。ジェンダーフリーを意識した切り口で自動車が持つメカニカルな魅力を伝えることを模索中。