イタリアとアメリカが生んだスーパーカー「デ トマソ パンテーラ」とは?
更新日:2024.09.09
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ランボルギーニが産声を上げる少し前の1959年、イタリアでレーシングコンストラクターが誕生しました。フェラーリと同じモデナに拠点を構えたその会社が、De Tomaso Modena SpA。アルゼンチン出身のレーサー、アレハンドロ・デ・トマソがスタートさせたそのブランドが、のちに語り継がれることになる1台のスーパーカーを生み出しました。
文・西山昭智
文・西山昭智
デ トマソは、第二弾でブランド人気に火がついた
デ トマソが、初めて世に送り出した車が、ヴァレルンガです。フォード製1.4L 直4エンジン(ケントユニット)をミドに搭載したこの車は、1964年のトリノオートショーで発表され、のちに市販化されています。
続く1967年には、第2弾としてマングスタを発表。こちらは同じフォード製エンジンでも、289cu.inの4.7L V8でした。スタイリングは、当時カロッツェリア ギアに在籍していたジウジアーロによるもので、エンジンフードがガルウイング式に開くという珍しい構造になっていました。
1967年といえば、ランボルギーニ ミウラ、フェラーリのディーノ206GTなど登場する、まさにスーパーカー時代の幕開けでした。
続く1967年には、第2弾としてマングスタを発表。こちらは同じフォード製エンジンでも、289cu.inの4.7L V8でした。スタイリングは、当時カロッツェリア ギアに在籍していたジウジアーロによるもので、エンジンフードがガルウイング式に開くという珍しい構造になっていました。
1967年といえば、ランボルギーニ ミウラ、フェラーリのディーノ206GTなど登場する、まさにスーパーカー時代の幕開けでした。
デ トマソが満を持して送り出した第3弾「パンテーラ」!シャシーは、ミウラを手がけたジャンパオロ ダラーラが担当
1971年、満を持してデ トマソが送り出した第3弾は、世間をあっといわせる1台でした。
ヴァレルンガ時代から良好な関係を結んでいた、フォードとタッグを組み製作したこの車は、イタリア語で「ヒョウ」を意味するパンテーラ(Pantera)と名付けられます。
1960年代のレースシーンで活躍したフォードGT40を彷彿とさせる流麗なスタイリングに、クリーブランドと呼ばれる5.8L V8 OHVエンジンをミドに搭載しているのが特長。スタイリングを担当したのは、当時カロッツェリア ギアに在籍していたアメリカ出身のデザイナー、トム・ジャーダでした。
イタリアの名門カロッツェリアが手がけたボディに、アメリカ製のエンジンを搭載。シャシーは、ランボルギーニ ミウラを手がけたことで有名なジャンパオロ ダラーラが担当しています。このようにイタリアとアメリカの技術を結集してつくられたのが、パンテーラというスーパーカーだったのです。
パンテーラはのちに豪華版のパンテーラLとなり、さらにハイパフォーマンス版のGTSやオーバーフェンダー&リアウイングのついたGT5へと進化を続け、1991年にはSIというモデルを発表したのち生産を終了しています。
ヴァレルンガ時代から良好な関係を結んでいた、フォードとタッグを組み製作したこの車は、イタリア語で「ヒョウ」を意味するパンテーラ(Pantera)と名付けられます。
1960年代のレースシーンで活躍したフォードGT40を彷彿とさせる流麗なスタイリングに、クリーブランドと呼ばれる5.8L V8 OHVエンジンをミドに搭載しているのが特長。スタイリングを担当したのは、当時カロッツェリア ギアに在籍していたアメリカ出身のデザイナー、トム・ジャーダでした。
イタリアの名門カロッツェリアが手がけたボディに、アメリカ製のエンジンを搭載。シャシーは、ランボルギーニ ミウラを手がけたことで有名なジャンパオロ ダラーラが担当しています。このようにイタリアとアメリカの技術を結集してつくられたのが、パンテーラというスーパーカーだったのです。
パンテーラはのちに豪華版のパンテーラLとなり、さらにハイパフォーマンス版のGTSやオーバーフェンダー&リアウイングのついたGT5へと進化を続け、1991年にはSIというモデルを発表したのち生産を終了しています。
イタリア発のスタイリングとV8エンジンの饗宴がパンテーラにしかない魅力
イタリア・モデナの工場で生産され、北米市場ではフォードのディーラー網で販売されたパンテーラ。フォード車ではメジャーなクリーブランドエンジンを搭載し、量産性の高いセミモノコックフレームを採用したこのスーパーカーは、ライバルとなるスーパーカーに比べ、価格を控えめにすることができ、商業的には成功をおさめたといわれています。
ピニンファリーナで研鑽を積み、ジウジアーロが設立したイタルデザインにも参加、そして再び古巣のカロッツェリア・ギアに戻ってパンテーラをデザインしたトム・ジャーダのスタイリングは、いまなお多くのファンを魅了し続けています。
スーパーカー特有の流麗な外観と、V8エンジンの野趣あふれる乗り味こそ、パンテーラにしかない魅力といえるのかもしれません。
ピニンファリーナで研鑽を積み、ジウジアーロが設立したイタルデザインにも参加、そして再び古巣のカロッツェリア・ギアに戻ってパンテーラをデザインしたトム・ジャーダのスタイリングは、いまなお多くのファンを魅了し続けています。
スーパーカー特有の流麗な外観と、V8エンジンの野趣あふれる乗り味こそ、パンテーラにしかない魅力といえるのかもしれません。
【動画】デ トマソ パンテーラ V8エンジンサウンド
西山昭智
大学卒業後自動車雑誌の編集部へ入社。アメリカ車を皮切りに輸入中古車やスーパーカー専門誌の編集部を経て独立。現在も紙媒体の自動車雑誌で編集および執筆を行なっている。正規販売ディーラーや中古車専門店などに取材を行なうことが多く、現場でしか聞けない業界の裏話的なものも取り扱い中。好きな車はフランス車。