イタリアとアメリカが生んだスーパーカー「デ トマソ パンテーラ」とは?

デトマソ パンテーラ

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ランボルギーニが産声を上げる少し前の1959年、イタリアでレーシングコンストラクターが誕生しました。フェラーリと同じモデナに拠点を構えたその会社が、De Tomaso Modena SpA。アルゼンチン出身のレーサー、アレハンドロ・デ・トマソがスタートさせたそのブランドが、のちに語り継がれることになる1台のスーパーカーを生み出しました。

文・西山昭智
Chapter
デ トマソ第二弾でブランド人気に火がつく
ミウラを手がけたジャンパオロ ダラーラが担当
イタリア発のスタイリングとV8エンジンの饗宴

デ トマソ第二弾でブランド人気に火がつく

デ トマソが、初めて世に送り出した車が、ヴァレルンガです。フォード製1.4L 直4エンジン(ケントユニット)をミドに搭載したこの車は、1964年のトリノオートショーで発表され、のちに市販化されています。

続く1967年には、第2弾としてマングスタを発表。こちらは同じフォード製エンジンでも、289cu.inの4.7L V8でした。スタイリングは、当時カロッツェリア ギアに在籍していたジウジアーロによるもので、エンジンフードがガルウイング式に開くという珍しい構造になっていました。

1967年といえば、ランボルギーニ ミウラ、フェラーリのディーノ206GTなど登場する、まさにスーパーカー時代の幕開けでした。

ミウラを手がけたジャンパオロ ダラーラが担当

1971年、満を持してデ トマソが送り出した第3弾は、世間をあっといわせる1台でした。

ヴァレルンガ時代から良好な関係を結んでいた、フォードとタッグを組み製作したこの車は、イタリア語で「ヒョウ」を意味するパンテーラ(Pantera)と名付けられます。

1960年代のレースシーンで活躍したフォードGT40を彷彿とさせる流麗なスタイリングに、クリーブランドと呼ばれる5.8L V8 OHVエンジンをミドに搭載しているのが特長。スタイリングを担当したのは、当時カロッツェリア ギアに在籍していたアメリカ出身のデザイナー、トム・ジャーダでした。

イタリアの名門カロッツェリアが手がけたボディに、アメリカ製のエンジンを搭載。シャシーは、ランボルギーニ ミウラを手がけたことで有名なジャンパオロ ダラーラが担当しています。このようにイタリアとアメリカの技術を結集してつくられたのが、パンテーラというスーパーカーだったのです。

パンテーラはのちに豪華版のパンテーラLとなり、さらにハイパフォーマンス版のGTSやオーバーフェンダー&リアウイングのついたGT5へと進化を続け、1991年にはSIというモデルを発表したのち生産を終了しています。

イタリア発のスタイリングとV8エンジンの饗宴

イタリア・モデナの工場で生産され、北米市場ではフォードのディーラー網で販売されたパンテーラ。フォード車ではメジャーなクリーブランドエンジンを搭載し、量産性の高いセミモノコックフレームを採用したこのスーパーカーは、ライバルとなるスーパーカーに比べ、価格を控えめにすることができ、商業的には成功をおさめたといわれています。

ピニンファリーナで研鑽を積み、ジウジアーロが設立したイタルデザインにも参加、そして再び古巣のカロッツェリア・ギアに戻ってパンテーラをデザインしたトム・ジャーダのスタイリングは、いまなお多くのファンを魅了し続けています。

スーパーカー特有の流麗な外観と、V8エンジンの野趣あふれる乗り味こそ、パンテーラにしかない魅力といえるのかもしれません。

【動画】デ トマソ パンテーラ V8エンジンサウンド

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