ファストバック、ノッチバックとは?ハッチバックと何が違うの?

メルセデス CLSクラス 2017

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「美しいファストバックスタイル」「典型的なノッチバックスタイル」といった表現を、自動車情報誌やウェブサイトで目にすること、ありませんか。どちらもクルマの形状を表す言葉ですが、それぞれの違いを正しく説明できる方は少ないはず。また、ハッチバックとは何が違うのでしょうか?

文・立花義人
Chapter
ファストバックとは
ノッチバックとは
ハッチバックとは何が違うの?

ファストバックとは

ファストバックとは、クルマのルーフからトランク(リアデッキ)にかけてなだらかに傾斜したデザインを指します。

ファストバックスタイルが注目されるようになったのは、1965年に発売された「フォード マスタング ファストバック」といわれますが、前年に発表された「ポルシェ911」の存在も忘れてはならないでしょう。

最近では「ポルシェ パナメーラ」や「メルセデス・ベンツ CLA/CLSクラス」、2018年のジュネーブ・モーターショーで初公開された新型「プジョー 508」など、スポーティでスタイリッシュな4ドアのファストバックが欧州を中心に人気です。これらはセダンではなく、クーペに分類されます。

ノッチバックとは

ノッチとは”折れ”や”段差”を意味し、ルーフパネルが水平でリアウインドウが比較的傾斜のある(折れている)デザインのことをノッチバックといいます。

エンジンルーム、キャビン、トランクルームの3つの区別がはっきりとした外観を持つスタイルのことで、リアピラーの角度やトランクの大きさ、ドアの数に決まりはありません。セダンであればノッチバックセダン、クーペであればノッチバッククーペと呼ばれます。”3ボックス”は、同じ意味です。

ノッチバックは落ちついたデザインで、フォーマルな印象を与えます。またリアウインドウが立っているため、後席のヘッドクリアランスやトランクリッドの開口面積を確保しやすいといった、実用面でのメリットもあります。

セダンの代表的なモデルは、BMWの3、5、7シリーズ。登場以来、典型的なノッチバックスタイルを継承しています。またクーペの代表車種といえば、日産 GT-R。

ほとんどのスポーツカーがファストバックであるのに対し、ノッチバックであるGT-Rのデザインは、落ち着いていてシャープな印象を与えます。スカイラインから継承された伝統のスタイルに、GT-Rのアイデンティティが加わり、他のスポーツカーとは違った魅力を、醸し出しています。

クルマのデザインの変遷とともに、ノッチバッククーペは少なくなりました。過去に登場したノッチバッククーペは、トヨタ ソアラやホンダ プレリュード、スバル アルシオーネなどが挙げられます。

ハッチバックとは何が違うの?

ハッチバックとは、ボンネット付きの車種のうち、リアのトランク部分に跳ね上げ式、もしくは横開き式のバックドア(ハッチ)を持つデザインです。ファストバックやノッチバックの形状でも、後部にハッチを持つものは「ハッチバック」と呼ぶことができます。

とはいえ一般的にハッチバックは、コンパクトクラスの2ボックス型で、リアウインドウが一体となった大きなハッチを持つタイプのクルマのことを指します。つまり「ハッチバック」を構造や部品としてではなく、カテゴリー・車両形式として使用することが多く、ハッチを持つクルマをすべてハッチバックと呼んでいるわけではありません。

最近はクルマのデザインが多様化しており、ファストバック、ノッチバックという分類の境目が曖昧になってきているのも事実です。

そのため、一般的には、クルマのカテゴリーを示す場合はセダン、クーペ、コンパクト、ミニバン、SUVといった分かりやすい分類をすることが多いようです。

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文・立花義人
フリーライター。5歳の頃に自動車図鑑で見たアルファロメオのデザインに衝撃を受け、以降クルマに魅了される。様々なクルマの個性を知りたいと考え、免許取得後国産・輸入車問わず20台以上を乗り継ぐ。車検整備を取り扱う企業に勤務していた際、メンテナンスや整備に関する技術や知識を学ぶ。趣味はドライブ、食べ歩き。現在の愛車はパサート・ヴァリアント。
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