私のSAFTY POINT vol.1 エアケージ

アヘッド エアケージ

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恥ずかしながら、「タイヤの空気なんて入っていればいいんでしょう? 」くらいに思っていた私が、モンゴルでのラリーを経験するようになって、その認識は一変した。
〝空気圧〟はちょっとした魔法くらいの威力があることを知ったからだ。

text:若林葉子 [aheadアーカイブス vol.135 2014年2月号]
Chapter
vol.1 エアケージ

vol.1 エアケージ

砂の深い場所や傾斜のきつい砂丘で難儀しているとき、思い切って空気圧を下げると、見事に抜け出すことができる。マシンの突き上げが強いとき、ほんの少し空気圧を調整するだけで、驚くほど楽になったりする。

もちろん、人に教えられて知ったのだけれど。

そんなことがあって、普段の運転でも月に一度、あるいは高速道路で長距離移動する前には必ず空気圧を見るようになった。

定期的に空気圧をチェックするようになってみると、何か特別なことがなくても、気温や日差し、走行状況などによって、空気圧は変化するものなのだということが分かる。それがすぐに重大なトラブルにつながるわけではないだろうが、操舵性やパンクのリスクなど、空気圧が〝安全〟に大きく関わることに変わりはない。

だからいつでもすぐに空気圧をチェックできるように、今ではクルマのダッシュボードにペンシル型のエアゲージを入れてある。が、このペンシル型のエアゲージに行き着くまでには多少の紆余曲折があった。

実際にやってみると分かるのだが、空気圧を測るとき、エアゲージをうまくバルブにセットするのはけっこう難しい。エアーを測るつもりが空気を抜いてしまうなんて失敗を何度も繰り返した。だからかどうか、使い易さや精度などみなそれぞれにこだわりがあって、選ぶエアゲージも人によってさまざまだ。

今のところ、私にはこのペンシル型のエアゲージが一番失敗がなくて使い易い。

バルブに押し当てると「ピコッ」と目盛りの付いた棒が飛び出す。値段の割には意外にも精度は悪くなく、気に入っている。第一、小さくて邪魔にならず、かわいらしい。レース中にはもう少し本格的なものを使っているが、普段の計測にはこれで必要充分である。

何にせよ、空気圧を測るということは、〝安全〟ということに対する自分への戒めになっていると思う。
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text:若林葉子/Yoko Wakabayashi
1971年大阪生まれ。Car&Motorcycle誌編集長。
OL、フリーランスライター・エディターを経て、2005年よりahead編集部に在籍。2017年1月より現職。2009年からモンゴルラリーに参戦、ナビとして4度、ドライバーとして2度出場し全て完走。2015年のダカールラリーではHINO TEAM SUGAWARA1号車のナビゲーターも務めた。
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