ネオクラッシックの予感 カフェレーサーとスクランブラー
更新日:2024.09.09
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昨年10月に行われたインターモトと、11月のEICMA(ミラノショー)という、世界2大バイクショーが終わり、2017年に登場するバイクのニューモデルが見えてきた。全く新しいモデルよりも、既存モデルの派生バージョンが多く登場している。
text:サトウマキ [aheadアーカイブス vol.170 2017年1月号]
text:サトウマキ [aheadアーカイブス vol.170 2017年1月号]
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ネオクラッシックの予感 カフェレーサーとスクランブラー
ショーでは、メーカー自らがカスタマイズして、自分たちの乗りたいバイクに仕上げたようなイメージのものが目立っていて、ちょっと前から流行している、「ネオクラシック」や「ヘリテージ」といったスタイルに仕上げられたモデルが目立つ場所に展示され、注目を浴びていた。
BMWモトラッドからはR nineTシリーズに「スクランブラー」、「レーサー」、「アーバンG/S」の3モデルが発表され、トライアンフからは、「ストリート カップ」、「ストリート スクランブラー」が、さらにドゥカティのスクランブラーシリーズには、「カフェレーサー」と「デザートスレッド」という2つのモデルが加わったのである。
BMWモトラッドからはR nineTシリーズに「スクランブラー」、「レーサー」、「アーバンG/S」の3モデルが発表され、トライアンフからは、「ストリート カップ」、「ストリート スクランブラー」が、さらにドゥカティのスクランブラーシリーズには、「カフェレーサー」と「デザートスレッド」という2つのモデルが加わったのである。
他にもホンダの「CB1100RS」がそれらしいスタイルに仕上げられているし、ホンダイタリアが作り上げたコンセプトカスタムの「CB1100TRコンセプト」、先に発表されていた「VTRスペシャルエディション」などもレトロなスタイルを醸し出している。
さらに、ヤマハの「XSR900」や「XSR900アバルト」、アメリカのみで発売されている「SCR950」など、日本メーカーも負けてはいない。また、元々がクラシックだった「モトグッチV7Ⅲ」シリーズもこの路線に当てはまるだろう。
どれも、「カフェレーサー」に「スクランブラー」に「ダートトラック」といった、なんとなくノスタルジックさを感じるスタイルだ。ダートトラックは20年代から、カフェレーサーは50年代、スクランブラーは60年代のアメリカやヨーロッパから始まったカスタムスタイルで、70〜80年代にかけて流行した。
さらに、ヤマハの「XSR900」や「XSR900アバルト」、アメリカのみで発売されている「SCR950」など、日本メーカーも負けてはいない。また、元々がクラシックだった「モトグッチV7Ⅲ」シリーズもこの路線に当てはまるだろう。
どれも、「カフェレーサー」に「スクランブラー」に「ダートトラック」といった、なんとなくノスタルジックさを感じるスタイルだ。ダートトラックは20年代から、カフェレーサーは50年代、スクランブラーは60年代のアメリカやヨーロッパから始まったカスタムスタイルで、70〜80年代にかけて流行した。
なぜ、今になってそんなクラシックスタイルのバイクをメーカー自らがこぞって作っているのだろうか。
それは、ライダーがバイクに求めるものが〝速さ〟だけではなくなり、世界的なライダーの高年齢化も手伝って、バイクの楽しみ方が多様化したからだ。体力や視力に衰えを感じ始めた今、無理をせず、もっとリラックスして日常的にバイクを楽しみたい。さらにはスタイルにもこだわりたい、という人が増えた結果だろう。
それにピッタリはまるのが、クラシカルで歴史的な重みや背景を感じさせるスタイルなのだ。
カフェレーサースタイルに憧れてみたものの、どこからカスタムすればいいのか分からない、手間も暇もお金も相当かかりそうと断念した人も多いと思う。
今となってはカスタムビルダーが注目されているので、そこに持ち込むという手もあるが、どれだけのコストがかかるのか、自分のカスタムスタイルを受け入れてもらえるのかなど、敷居が高くて尻込みしてしまうといった心配もないのだ。
メーカーが作ってくれるのであれば、こんなに嬉しいことはない。憧れだったバイクがカスタムすることなく、手に入るのだ。しかも自分の個性をさらに引き出すことができるアフターパーツまで用意されている。それに、いちから自分で仕上げられるようベース車両としての汎用性を残しているところも面白い。
速さを求めていた当時のスタイルが、時代を経て個性を表現するスタイルに変わって甦った。70年代のバイクブームを過ごした人たちには懐かしいスタイルであり、その下の世代にとっては、インターネットや雑誌の中でしか見たことのない、憧れでありながらも新鮮に感じるスタイルなのかもしれない。
ファッションと同じく、バイクの流行も繰り返される。とにかく、欲しいと思えるバイクがたくさん登場する2017年は楽しくなりそうだ。
それは、ライダーがバイクに求めるものが〝速さ〟だけではなくなり、世界的なライダーの高年齢化も手伝って、バイクの楽しみ方が多様化したからだ。体力や視力に衰えを感じ始めた今、無理をせず、もっとリラックスして日常的にバイクを楽しみたい。さらにはスタイルにもこだわりたい、という人が増えた結果だろう。
それにピッタリはまるのが、クラシカルで歴史的な重みや背景を感じさせるスタイルなのだ。
カフェレーサースタイルに憧れてみたものの、どこからカスタムすればいいのか分からない、手間も暇もお金も相当かかりそうと断念した人も多いと思う。
今となってはカスタムビルダーが注目されているので、そこに持ち込むという手もあるが、どれだけのコストがかかるのか、自分のカスタムスタイルを受け入れてもらえるのかなど、敷居が高くて尻込みしてしまうといった心配もないのだ。
メーカーが作ってくれるのであれば、こんなに嬉しいことはない。憧れだったバイクがカスタムすることなく、手に入るのだ。しかも自分の個性をさらに引き出すことができるアフターパーツまで用意されている。それに、いちから自分で仕上げられるようベース車両としての汎用性を残しているところも面白い。
速さを求めていた当時のスタイルが、時代を経て個性を表現するスタイルに変わって甦った。70年代のバイクブームを過ごした人たちには懐かしいスタイルであり、その下の世代にとっては、インターネットや雑誌の中でしか見たことのない、憧れでありながらも新鮮に感じるスタイルなのかもしれない。
ファッションと同じく、バイクの流行も繰り返される。とにかく、欲しいと思えるバイクがたくさん登場する2017年は楽しくなりそうだ。
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text:サトウマキ/Maki Sato
ファッション専門誌からバイク専門誌の編集部に転職した異例の経歴を持つ。現在はフリーランスのエディター&ライター。30代でバイクの免許を取得した。遅咲きながら、バイクへの情熱は人一倍、勉強熱心で努力家。ライディングの美しさには定評がある。
text:サトウマキ/Maki Sato
ファッション専門誌からバイク専門誌の編集部に転職した異例の経歴を持つ。現在はフリーランスのエディター&ライター。30代でバイクの免許を取得した。遅咲きながら、バイクへの情熱は人一倍、勉強熱心で努力家。ライディングの美しさには定評がある。