“自動ブレーキ”ってどれも同じ?

アヘッド 自動ブレーキ

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「自動ブレーキ」っていう言葉がすっかり浸透し始めちゃっているのは、少々イヤな感じがするけれど、このわかりやすいネーミングのおかげもあって、ユーザー側のニーズも高まりましたね。

text:竹岡 圭 [aheadアーカイブス vol.170 2017年1月号]
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“自動ブレーキ”ってどれも同じ?

“自動ブレーキ”ってどれも同じ?

元々日本の行政機関に、この機能を認可するように働きかけてくれたのはボルボ。2009年にXC60を発売する際「安全機能は全世界共通じゃなければおかしい」との信念から、何度も何度も交渉してくれたおかげで、今や軽自動車にも採用されるまでになりましたが、実はコレ、いろんな種類があるんです。

現在、この機能を働かせるためのセンサーとして使われているのは「カメラ」と「ミリ波レーダー」と「赤外線レーザーレーダー」。カメラは人間の目と同じと考えればOK。ミリ波は電波、赤外線は光波。対象物に照射して跳ね返ってくる波を感知することで計測します。

それぞれ一長一短がありまして、まずカメラは人間の目と同じように、物の形を判別するのが得意。対象物がクルマなのか、人なのか等々を、パッと見て認識することができます。

最近はカラー対応カメラの採用で、前走車のブレーキランプの認識も可能。前のクルマがブレーキを踏んだから、こちらも減速の用意をするなんていうことまでできちゃいます。

ただし、西日が眩しい、雨や霧で前が見えにくい時など、人間が目を細めるようなシチュエーションでは、カメラも「う〜む、前が見えない〜」という状況に…。

そんな厳しい環境の時に強いのが、ミリ波レーダー。なんたって軍事用レーダーとしても使われていますからね。ただし、電波の跳ね返りを計測しているため、物の形を認識するのは苦手。何かあるのはわかっていても、それがクルマなのか人なのかは、瞬時に判別できません。何よりのネックは価格が高いこと…。

赤外線もミリ波と同様の特徴を持っていますが、光なので遠くにあるものを識別するのは苦手。その代わり近くの判別は素早いのと、価格が安いというのが特徴になります。

というわけで、現在のところは、カメラとミリ波レーダーの組み合わせが機能的には最強と言われていますが、価格とのバランスを考えて、さまざまなタイプがあると思えばOK。

また、実際にどれくらい減速できるかは、ブレーキ性能や路面状況にもよります。これは、あくまでも「衝突被害軽減ブレーキ」だということを、お忘れなく!

「予防安全性能」評価結果

※平成28年度自動車アセスメント評価結果(前期分)。「被害軽減ブレーキ(対車両・対歩行者)」「車線はみ出し警報」「後方視界情報」の総得点。メーカーから応募があった11車種を評価。71点満点。出典:国土交通省
1、マツダ アクセラ 【70.5点】
2、スバル フォレスター 【69.5点】
3、スバル インプレッサ 【68.9点】
4、スバル レヴォーグ 【68.5点】
5、トヨタ プリウス 【68.1点】
6、スバル レガシィ 【68.0点】
6、トヨタ レクサスRX 【68.0点】
8、トヨタ レクサスGS 【67.9点】
9、トヨタ クラウン 【67.3点】
10、スズキ イグニス 【66.3点】
11、ホンダ フリード 【58.4点】

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