R35 GT-R 最終型

アヘッド R35 GT-R

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ズバリ言うと、新しいR35 GT-Rは、名優コリン・ファースからマナーと上品さを教わったジャン・クロード・ヴァンダムみたいな存在といえるだろう。

text:ピーター・ライオン photo:長谷川徹 [aheadアーカイブス vol.164 2016年7月号]
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R35 GT-R 最終型

R35 GT-R 最終型

9年の月日を経て、最強の勇者が、テーブルマナーや美学、文明の一端をフィニッシング・スクールで学んだかのような優雅さを身につけたのだ。その実力を先月、ベルギーのスパ・フランコルシャンサーキットで試した。

しかし、今回の進化は爆発的な加速タイムやニュルのラップタイムやコーナリングの優秀さの話ばかりではない。GT-Rはついに大人の男になったのだ!

ノーズ部分が一新され、デザイン仕直されたエアロパーツがダウンフォースの効き目を上げたりして、ルックスは今までで一番スッキリしたと言えよう。また、パワーが20‌ps上がって、中間トルクはより太くなったし、乗り心地は毎日の使用に耐えられるほどの出来になっている。

しかし、なんと言っても、一番の進化はインテリアだ。柔らかいナパ製のレザーをふんだんに採用したり、センターコンソールを随分とスッキリさせている。

海外の同僚曰く、「R35 GT-Rはただのニュルに挑戦する加速マシンではなくなった。キャビンの質感は欧州のスーパーカー並みだし、外観も乗り心地も良くなった」と感心していた。
でも、その性能や質感やトリムよりも僕の関心は、R35 GT-Rが生まれて9年目の今、どうしてここまで時間とお金をかけて、日産は大幅に改良することにしたのかということだった。

日産の常務取締役でチーフ・クリエイティブ・オフィサーの中村史郎氏によると、日産にとって、実はこのビッグマイナーはフルモデルチェンジに近いものだという。

「普通のクルマの場合、だいたい5、6年でモデルチェンジするでしょう。でも、GT-Rは特別。GT-Rにはモデルサイクルがないんです。2007年から3回ほどマイナーチェンジを加えましたが、この9年目というタイミングで思い切りアップグレードしようと思ったんですよ。

GT-Rは僕らのショーケースであり、見せ場であり、限界を試すクルマでもある。だから今回、エアロ、パワー、乗り心地、そして室内の質感を改良することにしたんです」と同氏は語る。

「R35の中では一番格好いいでしょう?僕は自分でも買おうと思っています」と自慢げだ。話によると、ここまでの大幅なアップグレードは最後で次期R36が誕生する前に、もう一度マイナーチェンジを加えるかも知れない位しか考えてないと言う。

しかし、話をしているうちに思った。R35は日産が作れる最高のスーパーカーだ。それをR36は本当に上回れるのだろうか。
●NISSAN GT-R 2017年モデル
全長×全幅×全高(㎜):4,710×1,895×1,370
排気量:3.8ℓ
エンジン:V型6気筒
最高出力:565hp/6,800rpm 
最大トルク:467lb-ft/3,300-5,800rpm
*数値は北米仕様
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