舗装路対策された冬タイヤ

アヘッド ヨコハマタイヤ「iceGUARD 6」

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いまスタッドレスタイヤに求められることは多岐に渡る。スノーやアイスの性能はあって当然と考えられており、そこだけでなく舗装路における転がり抵抗やウエット性能、さらには何年にも渡って性能低下がないことなどもタイヤメーカーは考えるようになってきた。

text:橋本洋平 [aheadアーカイブス vol.180 2017年11月号]
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舗装路対策された冬タイヤ

舗装路対策された冬タイヤ

つまり、課題となるのは非降雪地域のユーザー満足度の向上だ。スタッドレスタイヤを装着するとはいっても、雪道を走行するのは年に数回しかない。けれども、近年は非降雪地域であったとしても、突然の雪に見舞われることも多くなっており、サマータイヤを1年中装着するには不安が残る。だからこそ雪道以外の対策が求められるのだ。

新たに登場した横浜ゴムのアイスガード6は、従来品よりも2%転がり抵抗を軽減した。これによりスタンダードサマータイヤのECOSと同等の転がり抵抗となった。また、ウエット性能についても5%短縮することに成功している。

これを達成した理由は、小粒子シリカを分散させて配合する技術を手にし、従来よりもシリカの含有量を増やしたところにある。コレ、書くと一言だが実際はかなり難しいことで、シリカはダマになりやすい特性があるため、分散させるには苦労したらしい。

シリカはタイヤの発熱を抑え転がり抵抗を抑える一方で、ウエットやアイス性能も向上させる素材。だが、シリカがダマになってしまった場合、全ての性能は落ちてしまう。だからこそ分散させて配合する技術は重要だ。

その技術の具体的なことは明かされていないが、素材を寝かしたり、かき混ぜる工程にひと工夫があったりと、それはワイン作りに似ているそうだ。
●ヨコハマタイヤ「iceGUARD 6」
進化した非対称パターンとプレミアム吸水ゴムによって、従来品より制動距離を15%も短縮した。また時間が経っても硬くなりにくく、約4年後も性能をキープしてくれる。ウェット性能を高めながらも背反する低燃費性能も確保し、ころがり抵抗は夏用低燃費タイヤにも匹敵するなど、ユーザーのお財布にも優しい進化を遂げている。
www.y-yokohama.com/product/tire/iceguard_6/


また、横浜ゴム独自のオレンジオイルSを配合することによってゴムの経年劣化を抑え、しなやかさをキープしたこともトピックスのひとつ。4年後であっても新品とそれほど変わらぬ性能を実現したという。

そんなアイスガード6を氷上で走らせると、たしかに旧製品よりも確実なグリップの向上があった。左右非対称パターンを採用し、路面からの入力があったとしても、トレッド面の剛性が損なわれないように設計されたせいか、コーナーリング時のステアリングの手応えがシッカリとしていて安心感が高い。

また、ブレーキ性能についてもABSの介入が少なく短い距離で止まった。雪上でも試したが縦と横のグリップバランスが良く扱いやすさがある。横浜ゴムのスタッドレスタイヤは従来からクセのないハンドリングがあったが、今回もまたその特徴は受け継がれたようだ。非降雪地域におけるニーズを進化させつつも、雪道の性能も確実に進化したことはさすがだ。

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text:橋本洋平/Yohei Hashimoto
自動車雑誌の編集部在籍中にヴィッツ、フォーミュラK、ロドスターパーティレースなど様々なレースを経験。独立後は、レースにも参戦する“走り系モータージャーナリスト”として活躍している。走り系のクルマはもちろん、エコカーからチューニングカー、タイヤまで執筆範囲は幅広い。「GAZOO Racing 86/BRZ Race」には、84回払いのローンで購入したトヨタ86 Racingで参戦中。
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