ひこうき雲を追いかけて vol.71 クルマとバイクのボーダーレス

クルマとバイクのボーダーレス

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最近、クルマとバイクがすごく近づいてきている、という風に感じることが多い。2016年7月にお台場にオープンしたBMW Tokyo Bayなどは最も分かりやすい例だろう。

text:ahead編集長・若林葉子 [aheadアーカイブス vol.186 2018年5月号]
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vol.71 クルマとバイクのボーダーレス

vol.71 クルマとバイクのボーダーレス

2万7,000平方メートルもの敷地面積を誇るBMWグループの最先端フラッグシップストアであるが、2017年からクルマだけでなく、バイクやバイクウェア、用品の取り扱いも始まり、もちろん最新モデルに試乗もできる。今では都心でライダーが安心して立ち寄れる憩いの場所ともなっている。

3月にスウェーデンのバイクメーカー、ハスクバーナが新車の「ヴィットピレン」を発表した際には四輪のジャーナリストが「乗ってみたい!」といち早くSNSなどで声を上げたし、発表会には二輪だけでなく四輪のジャーナリストの姿も多く見られた。

つい先日、赤坂でADIVA(イタリアの三輪スクーター)とプジョー・スクーターのショールームがオープンし、そのオープニングパーティでも同じく四輪の方々が広く招かれ、四輪のプジョーとタッグを組んで、プジョー・スクーターを販売していくとのアナウンスがあった。

こう書くと、「別に不思議じゃないじゃん」と思われる方もいると思うが、もう13年以上、aheadに携わっている私には、これは明らかにある種の"変化"だという確信がある。昔は、「クルマとバイクは相入れない。だからaheadは生き残れないだろう」とそう言われたこともあったのだ。

それはクルマが社会性を持った存在で、バイクはアウトロー的存在である、ということが大きいだろう。それは決して間違ってはいない。

しかし時代が変わり、クルマが以前よりますます趣味性を強めてきて、その分バイクに近づいた。つまり、クルマが単なる移動手段でしかない人と、本当にクルマが好きという人たちに二極化してきたということ。

そして逆に、バイクはスーパースポーツのようなとんがったモデルより、ネオクラッシックのようなモデルが人気を集めるようになった。性能よりテイストが重視されるようになって、クルマとは逆に、バイクは広い層を受け入れられるようになった。そんな風にしてクルマとバイクは互いに少しずつ距離を縮めてきた、と言えるのではないだろうか。

もしかしたら二輪と四輪が相入れないなんて言っているのは、メディアだけで、実際、「どちらも好き」という人は私の周りにもたくさんいる。中には「クルマとバイク、どっちを買おうか」と両者を同じ土俵に上げて悩んでいる人もいるくらいだ。

クルマやバイクのみならず、テイストが同じなら、音楽でもアートでも、もっといろんなものと繋がっていけるはず。インターネットの支配する今の時代は全てがボーダーレスだ。ツマラナイ縄張り意識をとっぱらって、もっと広い世界で自由に遊んでいけたらいいなと思う。

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text:若林葉子/Yoko Wakabayashi
1971年大阪生まれ。Car&Motorcycle誌編集長。
OL、フリーランスライター・エディターを経て、2005年よりahead編集部に在籍。2017年1月より現職。2009年からモンゴルラリーに参戦、ナビとして4度、ドライバーとして2度出場し全て完走。2015年のダカールラリーではHINO TEAM SUGAWARA1号車のナビゲーターも務めた。
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