進化した公道メインのサーキットタイヤ

アヘッド サーキットタイヤ

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拘っている人には申し訳ないのだけれど、一般的に四輪のドライバーに比べて二輪のライダーはタイヤにうるさい。いや、うるさくあって欲しい!

text:鈴木大五郎 [aheadアーカイブス vol.184 2018年3月号]
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進化した公道メインのサーキットタイヤ

進化した公道メインのサーキットタイヤ

どちらも命を守っている重要なパーツであることに変わりはないのだけれど、クルマよりもタイヤが2つ少ない上に接地面も少ない。さらにはバンクさせることで接地面がコロコロ変わり、路面状況にも影響を受け易い。

とてもデリケートなうえ、ちょっとしたことで転倒の可能性がつきまとう危さ。やっぱり無頓着なのは罪でもある。もちろん、それらに対処出来るようタイヤの進化も歩みを止めない。とくにここ数年で飛躍的に進歩したマシンの電子制御とのバランスを取るべく、タイヤへの要求度もさらに高まっているという。

さて。ソムリエではないが、その人の使用状況に合わせてタイヤを選択するとしたらどうだろう。サーキットを走る機会が皆無なのにハイグリップタイヤを薦める必要性もないだろう。しかし、最新のスポーツバイクに乗りつつも「コーナーをそんなに攻めたりしないし、ツーリングメインだから」と、耐久性を一番に重視したタイヤを選択するのもどうか?

たしかに、最新のツーリングタイヤはグリップ性能も低くなく、ラップタイムは別としても、サーキット走行やヒザスリなんて問題なく出来てしまうほどだ。でも、スポーツバイクとのマッチングを考えると、ソムリエ的には???である。

テスト日は小雪までちらつく極寒日。ゴム製品であるタイヤにとって、これは過酷な条件だ。とくに走り始め。大パワーのマシンで急加速したりすると、リヤタイヤがツルツルとホイールスピンすることも多い。最近多いリヤに分割コンパウンドを採用していれば、耐久性重視のため真ん中のコンパウンドは硬めだったりするからその傾向は高まる。

そこでお薦めしたいのが、新しいディアブロロッソ・コルサⅡである。このタイヤは冷え切っている状態でもなかなかにグリップ力が高く、ウォーミングアップ性も高い。温まってグリップが良いのは当たり前。

でも危険なのはそれまでの間なのだから、このパフォーマンスは嬉しい。ハンドリングはニュートラルでリニアに状況を伝えてくれる。倒し込みではバンク角が深まるにつれてサイドのハイグリップ系コンパウンドがググッと路面を掴んでくれるフィーリングとともに、旋回力が立ち上がる。やっぱりこの領域に安心感があると心強く、スポーツバイクらしさを発揮してくる。

これですよ、これ! スポーツバイクの醍醐味は! それでいてタイヤが主張し過ぎることもなく、それぞれのマシンの特徴を損ねないのも良い。

「こちらでいかがでしょう?」 テイスティングすれば間違いなく気に入ってくれるであろうタイヤがこのディアブロロッソ・コルサⅡである。

▶︎ピレリ・ディアブロロッソ・コルサⅡは世界スーパーバイク選手権の直系技術で作られている。フロントタイヤは、3つのゾーンに分割して2種類のコンパウンドを採用し、リアタイヤは5つのゾーンに分割して3種類のコンパウンドを使用。またスーパースポーツに似合うトレッドパターンを持っているのも特徴。3月下旬以降順次発売予定。

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text:鈴木大五郎/Daigoro Suzuki
過去にはAMA、全日本、8耐等に参戦。現在はモーターサイクルジャーナリストとして活動。それらの経験をいかし、スポーツライディング、ダート、キッズ向けのスクールを主宰。スクールだけでも年間50回以上行なっている。BMW公認インストラクター。
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