最後のセルシオ…30系セルシオの中古車は本当にお買い得なのか?

初代セルシオ(LS400)

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国内でセルシオがレクサスLSに移行して早10年。最新のセルシオでも平成18年式で、最終年式は数も少ないです。とはいえ中古車としてはいよいよもって値ごなれが進みつつあります。
高嶺の花だったセルシオ。もしかしたら今が手にするチャンスかもしれません!
Chapter
トヨタ セルシオはどんな車?
30系セルシオは、デカい!が第一印象
中古車として見た30セルシオ
軽自動車の新車くらいの値段?
セルシオの維持費用は?
トヨタ セルシオ30系の前期後期のデザイン性の違いとは?
トヨタセルシオ30系のグレードによる違いとは?
トヨタセルシオ30系の安全性能は?インテリジェントAFSとは?
30系セルシオはお買い得なのか?
ライバル車との比較について

トヨタ セルシオはどんな車?

「トヨタ セルシオ」は1989年から2006年にかけて販売されていた高級セダン。発売当初は一世を風靡し、現在も20~30代の若者を中心に支持されています。

その人気の秘密の一つにカスタムがあります。

大径ホイールやローダウンを施したVIPカーと呼ばれるカスタムは定番となっており、カスタムベースの車として手が出しやすいというメリットがあります。

また、FR(後輪駆動)を主体としており、AT/CVT(MTモード付き)の設定もされており、運転そのものを楽しめるのが魅力の車です。

しかし、運転マナーの悪さや、節度のないカスタム(ローダウンやLEDで装飾されていることが多い)から「DQNの乗り物」という蔑まれた呼び方をされてしまうことも事実。

現在は中古でしか入手できませんが、2代目となる「F20型」、3代目の「F30型」は現在でも中古車市場でもよく見られます。それぞれ、前期型と後期型がありで3年を期に大きな改良が行われているのでお好みのものを選ぶといいでしょう。

30系セルシオは、デカい!が第一印象

2000年8月。偶然UCF31型セルシオの神奈川県内一番納車に立ち会う機会がありました。

聞けば当時あった磯子プリンスホテルで内覧会が事前に催され、そこで真っ先に予約をした人がC仕様Fパッケージのインテリアセレクションという最上級仕様を意の一番で手に入れたのだそう。ずっと新車を乗り継いで来た会社の社長さんで、メルセデス•ベンツのS500を下取りし、鼻高々、意気揚々と販売店を後にする姿を覚えています。

セルシオはトヨタブランドにおけるドライバーズカーの最高峰、個人所有のハイエンドモデルでもありました。そんなクルマの新型車を県内で一番に手にする、というのはなによりのステータスだったのでしょう。

セルシオとは、期待され、憧れを持って見られ、所有することに極めて深い満足を与えてくれる、国産屈指のプレミアムカーだったというわけです。

20系セルシオが比較的スリークなデザインだったこともあって、この30系はひときわ大きく、デカい!今までのアッサリにあらず、ちょっと濃い味という印象を持った記憶があります。

ライバルは当然メルセデスSクラス。主に北米で刀を交えることを目的に作られた、そのことがヒシヒシと感じられたものです。

しかしそんなセルシオ「ブランド」は現在は消滅し、最終型セルシオはお買い求めやすい値段になっています。

では、中古車としての30系セルシオはいったいどんなものなのでしょうか。

中古車として見た30セルシオ

そもそもセルシオをポンと新車で下ろせる人というのはそうとうなお金持ちですよね。そしてそういう「層」の方々というのは常に新車を買い換え続ける傾向があり、自分のところにやってくるクルマは常に美しい。新車だから当たり前ですね。しかしそのかわり、いまひとつクルマのコンディションにシビアではないと考えられます。

人が使用したあとの中古車の「ヤレ」だとか汚れ、傷、凹み、そういうものを目の当たりにすることがないため、自分のクルマをいかにして丁寧に扱う、すなわち愛車のコンディションを維持することに繋がるのか、ということをあまり知らないのかもしれません。

故に、セルシオの中古車のコンディションは振れ幅が大きめ。先ほどのタクシードライバーの方も「中古で満足なタマを探し出すのはけっこう苦労した」と仰っていました。

むしろ、極上セルシオに出会えたならそれは大フィーバーものです。禁煙ワンオーナー、記録簿ありの修復板金なし、屋根付き車庫保管なんてのは当たり前で、革もバリッとして脂ぎっていなくて、ハンドルもサラッと綺麗なまま、ウッドの変色もなし・・・ちょっと夢のような世界かもしれません。

クルマをキレイに、コンディション良く保ちながら乗れる人は、おそらく新車をバンバン乗り換えるような余裕もなく、中古車で辛酸を舐め尽くした、ある意味中古車ライフで学習なさった「苦労人」ではないでしょうか。

軽自動車の新車くらいの値段?

2代目と3代目の「セルシオ」の中古市場を見てみましょう。

  最安価格 最高価格 平均価格
F20型(2代目) 4.8万円 110.3万円 36.7万円
F30型(3代目) 2.8万円 348万円 61.2万円
※2016年6月23日現在

30系セルシオの最終モデルは高くても約350万円。これは少し高い値付けだとしても、ボリュームゾーンは高くてもアクア、あるいはヴィッツの新車、前期モノだと軽自動車の新車以下くらいの値段で推移しているようです。

平均で見ると価格差はありますが、どちらも100万円以下で買える現実的な価格ではないでしょうか?

もちろん、コンディションや距離、色、装備、グレードにより異なってきますが、10年ものともなると、ナビは相当古かったり、かつては三点セットと言われた「革、サンルーフ、マルチに加えてパール色」なんていうのも、あまり大きく価格には響いてきていないようです。

むしろ品定めにあたっては、先述の「ヤレ」や、「ザツな扱いがなされた痕跡」をいかに目敏く見つけ出すか、というところに注意を払ったほうがよさそうですね。さすがに迫る年波も気になるところです。

エアサスは、カスタムベースとして考えるとサスコンを突っ込むだけで車高は自在であるため良いかもしれませんが、エアサスは消耗品であり修理には車両代の10分の1はくだらないことも、お忘れなきよう。

また、セルシオのエンジンは初代から一貫して「タイミングベルト」なので、10万キロごとの交換が必要です。

一方、タクシーに供された個体、とくに機械的部分の驚異的なヤレの少なさから言って、現車の程度、メカニカルコンディションさえよければ、額面上の走行距離はあまり気にしなくていいクルマかも知れないです。むしろそこがセルシオの大きな強みです。

セルシオの維持費用は?

中古車を購入する上で知っておきたいのが、税金や燃費などの維持費ですね。

  排気量 自動車税 カタログ燃費 実燃費
F20型(2代目) 4.0L 66,500円 8.5km/L 6.38 km/L
F30型(3代目) 4.3L 76,500円 8.9km/L 4.95 km/L
※2016年6月23日時点
排気量エンジンを搭載しているため税金は高め、かつ燃費も良いとは言えません。しかも、両モデル使用燃料はハイオクとなるため、ガソリン代はそれなりに嵩みます。

しかし、手の届きやすい価格故に一度はこの大排気量エンジンが生み出す豊かなトルクを味わってみたいという方も多いはず。この加速感や研ぎ澄まされた排気音は、何物にも代えがたい魅力なのではないでしょうか?

トヨタ セルシオ30系の前期後期のデザイン性の違いとは?

トヨタ セルシオ30系のエクステリアに関しては前期型では先代のエクステリアデザインから一変し、全体的に曲面を多くした、優雅さのあるデザインとなります。

また、ドアは先代のプレス式のドアから後部に三角窓がつくサッシュ式になっています。インテリアに関してはより高級感の出るようにと、高級ホテルの客室を参考に作られています。

2008年のマイナーチェンジ後の後期型では、大幅にエクステリアが改良され、主にヘッドライト、ボンネット、フェンダーなどが新しいデザインになりました。ヘッドライトは前期型に比べ、やや吊り目となり、力強いフロントフェイスとなります。ボンネットやフェンダーに関しては、より長くなり、前期型の前兆4,995㎜のボディがついに後期型になり5,015㎜と長くなりました。

後期型のインテリアについては前期型が通常のシフトデザインなのに比べ、後期型ではシーケンス型システマチックを採用しているため、スポーツタイプになっています。

また、グラブボックスも大幅に改良され、前期型では2段になっていたものが廃止になり、1段のみになりました。メーター類は細かい変更ですが、メーターの針の色がオレンジだったのに対し、後期型ではホワイトの針を採用しています。

トヨタセルシオ30系のグレードによる違いとは?

トヨタ セルシオ30の価格とスペックについては、駆動方式、最大出力、最大トルク、トランスミッション共に同じで、新車価格に大きな幅が出ています。

同じパワートレインで価格に差が出ている大きな違いは、サスペンションにあります。A仕様はバネの反発力を利用して作られたバネサス、eR使用はA仕様と同じバネサスですが、A仕様よりも少し硬め、C仕様はサスペンションの圧力を自在に変化させることのできるエアサスです。

また、A仕様はノーマルタイプで、ほとんど装備されていないもので、eR仕様には、18インテアルミや黒革、サンルーフなどが装備されています。

C仕様は、黒革がセミアリニンレザーという特殊な素材でできています。また、トランスミッションは前期が5AT、後期が6ATになり、eR仕様と同じになる「eRバージョン」がありました。


  A仕様 eR仕様 C仕様
新車価格(税込) ¥5,650,000(前期)
¥5,93,000(後期)
¥6,200,000(前期)
¥6,450,000(後期)
¥6,350,000(前期)
¥6,668,000(後期)
駆動方式 FR FR FR
エンジン 3UZ-FE 3UZ-FE 3UZ-FE
最大出力 280ps/5,600rpm 280ps/5,600rpm 280ps/5,600rpm
最大トルク 43.8kgf・m/3,400rpm 43.8kgf・m/3,400rpm 43.8kgf・m/3,400rpm
トランスミッション 5AT/6AT 5AT/6AT 5AT/6AT

トヨタセルシオ30系の安全性能は?インテリジェントAFSとは?

トヨタセルシオ30系の安全装備については、2000年〜2006年に発売された型式の古い車両となるため、目立った予防安全装備や追突安全装備はありません。

しかし、セルシオ30の後期型には前期型にはない、インテリジェントAFSという機能が搭載されています。インテリジェントAFSは夜道でカーブを曲がるときにステアリングの角度や車体速度を感知して、ヘッドライトをカーブの角度に合わせて変え、進行方向を明るくするという機能です。

この機能により、曲がり角などの歩行者を発見しやすくなり、より安全なドライビングを可能としています。

また、オプションで、音声ガイダンス機能付きのカラーバックガイドモニターを付けられ、バックで見晴らしの悪い場所に駐車をする際に、リアについているカメラで後方の状態を映像で確認できます。

30系セルシオはお買い得なのか?

中古車は満足出来るポイントが人によってまちまちです。しかし、30系セルシオは機械としての完成度の高さはあの静粛性と滑らかで力強い加速、乗り心地のスムーズさをもって十分に味わうことができ、また高い満足感を得られるはず。

30系セルシオは、現代の新車で同価格帯の例えばアクアなどより確実にエコではありませんし、自動車税も重量税も高いです。しかし、トヨタが威信をかけてメルセデスに挑んだその痕跡を色濃く強く、「この価格帯で」感じたいならこれ以外にないといえるでしょう。

エコではないから、という理由だけで少し蚊帳の外になりかかっているセルシオ。値ごなれと供給量のバランスが取れている今こそ、一度味わっておくべきタイミングかもしれません。

ライバル車との比較について

トヨタ セルシオのライバルといえばやはり日産 シーマでしょう。

俗に「シーマ現象」と呼ばれたバブル期のシーマの人気により、当初国内への導入予定がなかったレクサスLSも国内で販売されることになりました。
それがセルシオだったのです。

シーマは現行モデルのHGY51ではなく、2010年まで発売されていたモデルが直接のライバルです。特にFY33型はシーマ現象から逆転され、今度はシーマがセルシオに直接対抗するモデルとして投入されたほど。

どちらも日本の自動車史に名を刻む素晴らしいモデルである事は言うまでもありませんが、シーマは2012年にハイブリッドカーとして復活しました。

一方のセルシオは今のところ復活の声は聞かれていません。人気のあるモデルなだけに、決してニーズがないわけではありませんが、トヨタにはレクサスという上位ブランドがありますので、ソアラ然りスープラ然り、レクサスブランドでの復活が囁かれているのです。

セルシオはレクサスLSとなっており、更にレクサスは日本市場にも導入されているのですが、それでも「LSではなくセルシオ」という声もあります。
このような声からも、セルシオの人気の高さが伺えるのではないでしょうか。

  新車価格帯 エンジン 駆動方式
セルシオ(30系) 5,932,500円~7,875,000円 4.3L FR
シーマ(FY33系) 4,430,000円~6,600,000円 3.0L、4.5L FR/4WD



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