イタリアの高級リゾートを感じる「フェラーリ ポルトフィーノ」が登場

フェラーリ ポルトフィーノ

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昨2017年8月下旬に概要とメーカー公式フォトが発信。

9月のフランクフルト・モーターショーにてワールドプレミアに供されたフェラーリの新型車「ポルトフィーノ」が、この2月19日に日本国内でも正式デビューを果たすことになった。

文・武田 公実

※ 2018年2月時点

武田 公実|たけだ ひろみ

かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッドで営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、クラシックカー専門店などで勤務ののち、自動車ライターおよびイタリア語翻訳者として活動。また「東京コンクール・デレガンス」、「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントにも参画したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム」ではキュレーションを担当している。

武田 公実
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カリフォルニアTから継承している新生ポルトフィーノ
軽量化が最も大きな課題だった

カリフォルニアTから継承している新生ポルトフィーノ

「ポルトフィーノ」とは、フランスとの国境にほど近いイタリア・リグーリア州の高級リゾート地から採ったネーミング。これまでのフェラーリ「カリフォルニアT」に代わるGT(グラントゥリズモ:高速旅行車)である。

「直噴V8ツインターボエンジンを搭載する2+2クーペ・スパイダー」という成り立ちやコンセプトもカリフォルニアTから継承している新生ポルトフィーノだが、最大の違いとして挙げるべきはスタイリングである。

トップを閉じたスタイルでは、カリフォルニアおよびカリフォルニアTが、キャビンをボディに乗せたような「ノッチバック」スタイルとなるのに対して、ポルトフィーノはルーフラインがテールエンドまでスムーズに下降する「ファストバック」スタイル。同じフェラーリの上級モデル「812スーパーファスト」を連想させるプロフィールは、明らかにスタイリッシュと言えよう。
ただしその裏腹に、ハードトップをオープンにした際のリアデッキには、不可避的にカリフォルニアよりも大きめのこぶが残ってしまうのは少々残念なところ。

とはいえ、これはクローズ時の美しいプロポーションとはトレード・オフであり、今回のポルトフィーノではあくまでクローズ時のスタイリングを優先した結果と見るべきであろう。

このように、先ずはエクステリアの進化が目につくポルトフィーノだが、実は中身についてもカリフォルニアTから大きな進化を遂げているという。

軽量化が最も大きな課題だった

日本国内発表会の当日、壇上でプレゼンを担当したフェラーリ極東・中東エリア統括 CEOのディーター・クネヒテル氏曰く、ポルトフィーノの開発では軽量化が最も大きな課題だったとのこと。

しかし「完全新設計」と強調されたアルミ合金製スペースフレームは剛性アップを図りつつも大幅な軽量化を達成。またそれぞれのディテールを一つ一つ見直した結果、カリフォルニアTに比べて80kgの重量削減に成功した結果「よりシャープでソリッドなドライブフィーリングを楽しむことができる」と胸を張った。
加えて「ドライビングエモーションを高めるため」に、フェラーリの誇る電子制御システムにもさらに多くの手が加えられたという。

同社のGTモデルとしては初導入となる電動パワーステアリングと、第3世代電子ディファレンシャルのE-Diff3を統合管理するシステムを構築した結果、こちらもクネヒテル氏曰く「スタビリティを損なうことなくステアリングレシオを7%減らし、操舵の応答時間も削減した」というのである。
「ラグジュアリー性、多用途性、快適な乗り心地の完璧な融合。GTの世界を広げる新型フェラーリ」と標榜する新生ポルトフィーノは、ここ数年のフェラーリとしては珍しく国内デビューと同時に販売価格の情報もリリース。

2530万円の車両本体価格は、これまでのカリフォルニアTから若干のアップとなるものの、アピアランスの美しさや内容の進化はそれを上回るものであり、これまで以上の大ヒットを博す可能性は極めて高いと言えるのである。
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