スズキ、「新車開発期間を半減」へ「丁度いい」車作りとはなんなのか?10年先を見据えた技術戦略2026を発表

スズキ、10年先を見据えた技術戦略
スズキは2026年9月25日、今後10年を見据えた技術戦略を発表しました。
Chapter
今回の大きなテーマ、「エネルギー極少化」と「本質価値極大化」
そして、2030年に向けて新車開発期間を半減へ
スズキ、10年先を見据えた技術戦略

鈴木俊宏社長

今回の大きなテーマ、「エネルギー極少化」と「本質価値極大化」

今回の大きなテーマは、「エネルギー極少化」と「本質価値極大化」。地域ごとのエネルギー事情やインフラに合わせて技術を使い分ける「マルチパスウェイ」を軸に、開発・生産体制そのものも変革していきます。

特に注目されるのが、2030年に向けて新車開発期間を半減させ、開発効率を30%、生産効率を50%向上させるという目標です。
ジムニーノマド

スズキの5ドアモデル「ジムニー ノマド」は、インド北部のグルガオン工場(マルチ・スズキ)で生産

また、日本を技術開発の中核、インドをグローバルな生産・輸出拠点と位置づけ、2030年度以降にインドで年間約400万台の生産能力を目指します。
スズキ、10年先を見据えた技術戦略

新型SUV「ビクトリス」のCNG / CBG仕様(カットモデル)

スズキ、10年先を見据えた技術戦略

新開発のエンジンも展示

スズキ、10年先を見据えた技術戦略

開発車両の展示

技術面では、今後、「シリーズHEV」、「新型ハイブリッドシステム「スーパーエネチャージ」、「新開発の直噴ターボエンジン」、「軽量・安全技術「Sライト」、「SDVライト」などを開発。

これらを単独で進化させるのではなく、地域や用途に応じて組み合わせることで、スズキが掲げる「丁度いい」価値を実現する考えです。
スズキ、10年先を見据えた技術戦略

CO2回収装置が搭載されたスーパーキャリイ

さらにインドでは、牛糞由来のバイオガスを燃料として活用し、副生成物を有機肥料として地域に還元するバイオガス事業も推進。CNG車との組み合わせによって、地域資源を循環させながらカーボンニュートラルを目指します。

「電動化一本ではなく、HEV・エンジン・バイオガスなどを地域ごとに使い分けながら、開発と生産を速く・効率的にして、スズキらしい“丁度いい”モビリティを世界へ展開する」

というのが、今回の技術戦略のポイントです。

そして、2030年に向けて新車開発期間を半減へ

スズキ、10年先を見据えた技術戦略

加藤 勝弘副社長

スズキ、2030年に向けて新車開発期間を半減へ

さらに今回の技術戦略で注目したいのが、新しい技術そのものだけではなく、クルマを開発する仕組みそのものを大きく変えることです。

スズキは2030年に向けて、新車の開発期間を現在の半分に短縮することを目指します。さらに、開発効率を30%、生産効率を50%向上させる計画です。
そのために進めるのが、設計と生産を同時に進める開発体制や、部署をまたいだ並行開発、デジタル技術を活用した開発、部品やシステムのモジュール化などです。

これまでのように、開発工程を順番に進めていくのではなく、複数の工程や部署が連携しながら同時並行で開発を進めることで、商品化までの時間を短縮する狙いがあります。

背景にあるのは、電動化をはじめとする自動車業界の変化がこれまで以上に速くなっていることです。
地域によってEVの普及状況やインフラ、エネルギー事情も異なるため、スズキは「マルチパスウェイ」の考え方に基づき、HEVやエンジンなどを含めた複数の技術を地域ごとに組み合わせていく方針です。

そのためには、市場や地域のニーズに合わせた商品を、これまでより短いサイクルで開発・投入できる体制が必要になります。

つまり今回の「開発期間半減」は、単純にクルマを早く作るという話ではありません。

「変化する市場に合わせて、必要な技術を組み合わせた“丁度いい”クルマを、より早く世界へ届けるための開発体制への転換」を目指しての発表でした。今後のスズキは果たして10年後に今回の発表通りの結果になっているのでしょうか。また成長できるのか、注目です。
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