同じ1,000万円超SUVでも中身が全然違う!メルセデスGLSとレクサスLX

ランドクルーザーから生まれた高級SUV

レクサス LX (2015)

トヨタを代表するオフロード4WDと言えば「ランドクルーザー」ですが、そのランドクルーザーの血をわけた兄弟と言えば、レクサス LXです。歴代ランドクルーザーのシャシーを使って、独自の装備や外観が与えられています。

初代LXが登場したのは、1996年のこと。当時発売されていたランドクルーザー80系をベースに、外観や装備などを少しだけ変えたモデルでした。北米市場を狙った車でしたが、80系との差別化が少ないこと、レクサスブランド自体が北米でまだ浸透していなかったことなどから、あまり成功しませんでした。

LXが北米で認知されたのは、2代目になってから。1998年に登場した2代目LXは、ランドクルーザー100系をベースにしたものですが、高級SUVらしい豪華な装備と、4眼ヘッドライトというオリジナルのマスクを持たせたことから、北米でヒットしました。ちなみに、レクサスの販売チャネルがまだなかった日本では、「ランドクルーザー・シグナス」の名前で販売されました。

2代目で成功したLXは、2007年にはランドクルーザー200系をベースにした3代目にスイッチ。2012年にレクサスのデザインアイデンティティであるスピンドルグリルに変更されてからは、まさに名実ともにブランドの最高峰SUVとして君臨しています。

脱「オフロード4WD」」を目指したGLS

メルセデス GLSクラス

メルセデス ベンツの"ファーストクラスSUV"と言えば、GLSクラスです。源流はGLというモデルで、2015年にGLSという名称とともに、新しいマスクが与えられました。ちなみに、名前のGLはメルセデスベンツのSUVを示す記号で、"S"は最大級を表します。つまり、メルセデス最高峰のSUVという名前なのです。

さて、源流のGLが誕生したのは2006年。世のなかでは環境性能が重視され始め、クリーンで低燃費な車がもてはやされました。メルセデスの最高峰4WDと言えば、いまでもGクラスですが、当時の同社はMクラス(現GLE)で成功を収め、都会的かつ環境性能の高いSUV作りを標榜していました。

GLは、Gクラスに取って変わると言われて世に送り出されたモデルです。都会派にも満足が行くスタイリッシュで高級感のあるデザイン、キビキビとした走行性能、充実した装備などを実現。プラットフォームは提携関係にあった、クライスラーのJeepグランドチェロキーのフレームインモノコックを共用。オンロード性能とオフロード性能を高次元で融合した1台に仕上がっていました。

そして、2015年に2代目が「GLS」とモデル名を変更。よりゴージャスになり、性能はさらにオンロードを意識したベクトルに進化しています。

似て非なる2台の高級SUV

レクサス LX (2017)

さて、ともにフェイスリフトを行ってからというもの、どこか似た香りを持つ2台のSUV。ですが、お気づきかと思いますが、じつはその素性はまったく異なります。

まずレクサスLXは、本来はオフロード4WD。頑丈なラダーフレームを持っています。一方のメルセデスベンツGLSは、補強材を持ったモノコックボディ”フレームインモノコック"。できるだけ軽量さを追求し、フル乗車やオフロード走行時にシャシーにダメージがおよばないように補強材を入れています。

サスペンションも、似て非なるものです。どちらもフロントはダブルウイッシュボーン式で、四輪にエアサスペンション(空気バネ)を採用。ハイトコントロールを標準装備していますが、リアサスペンションに関しては、GLSがマルチリンク式を採用しているのに対して、LXはトレーリングリンクリジッド式です。

路面追従性が高いマルチリンクを採用するGLSクラスは、オンロードで性能を十二分に発揮します。一方、トレーリングリンクリジッド式を採用するLXは、頑丈なホーシングで駆動系が覆われており、障害物にヒットしても簡単に壊れることはありません。つまり、レクサス LXは、オフロードでの性能と積載性にこだわって採用されているのです。

オフロード用の電子デバイスを見ても、LXはオフロードで驚くべきイージードライブを発揮する「マルチテレインセレクト」や「クロールコントロール」を標準装備。“世界各地でタフなミッションに応え続ける”という謳い文句は伊達ではありません。もちろん、GLSにもダイナミックコントロールのオフロードモードの装備や、オン&オフロードパッケージ(センターデフロックやレーレンジギアボックスなど)の設定があり、いざとなれば卓越した悪路走破性を発揮してくれます。

総括すれば、GLSはオンロードを快適に走り、仮に悪路に入ってしまった場合は安心していられる車。LXは、日常生活を快適に過ごし、かつ道路インフラが十分ではない地域で、なんの心配もいらない車ということになるでしょうか。

このようにパッケージは似ていても、そもそも目指したベクトル、そしてアプローチが2台は異なっています。ともに1,000万円を超える高級SUVですが、ブランドだけでなく、その華やかなデザインの陰にある性能を、オーナーたちはきちんと見分けているようです。

関連キーワード

この記事をシェアする

最新記事

アヘッド Car & Motorcycle Magagine ahead archives