アリストのMT化は100万円超え!? ATをMTに載せ替える際のハードルや費用とは?

じつは車種によってまちまちの事情

MT車

そもそも載せ換えという概念が生まれる背景には、新車ではATが売れるけれど、中古ではマニュアルがそれより多く求められるという事情がありますよね。

ユーザーの傾向の違いがこうして現れるというのも端的で面白いところだと思いますが、それゆえにトランスミッションの載せ換えが現実的に多く行われるようになったということでもあります。

しかしひと言でトランスミッション載せ換えといっても、最小限のパーツだけで比較的容易にできてしまうこともあれば、かなりの広範囲に渡って部品交換や加工を行わねばならないケースまで、じつは車種によって事情はまちまちだったりします。

トランスミッション本体をボルトオンのようにすり替えて、クラッチ機構やペダル一式に・・・乱暴な話、それさえ用意すれば済んでしまうということもあれば、プロペラシャフトやデファレンシャルの形状も異なり、さらにはフロア形状の変更やエンジンコンピュータなどの電装系まで、あらゆる部位に手を入れなければならないこともあるようです。

どこまでの仕上がりを求めるか、どこまで完璧にやるかというオーナーの側のモチベーションと、ぶっちゃけた話しどこまで資金を用意できるのか、という部分にもかかっているところがあって、そのうえさらに公認取得をするのかどうかという選択肢も出てきたりすると、見ておかなければならない予算はかなりの額になりそうです。

そんなトランスミッション載せ換え。いったいどんなハードルがあって、どれくらいの予算を見ておけばいいのでしょうか。

比較的ポピュラー?なS13の場合

最低50万円は必要?

日産 シルビア S13

比較的多く数がこなされていると思われる日産 シルビアのS13型を例にとってみると、この場合はあまり改造範囲が広くはなく、トランスミッション、クラッチ、シフトレバー、ペダル、エンジンコンピュータ、プロペラシャフト・・・このあたりを用意すればコンバートできてしまうようです。費用は、30~50万円というのが相場です。

ただし、ATとMTで車両型式が異なり、コーションプレートの記載内容とも相違が出てくるため、正式には構造変更申請をして公認を取得しなければならないというのは、やはりオヤクソクのようです。そのための費用も別途かかりますが、S13あたりだと数をこなしているため、すでに資料やデータもかなり出揃っていて簡単に手に入るようです。

多くの場合、このS13シルビアやR32スカイラインの比較的イージーな例を参考にして、部品が揃えば載せ換えも比較的簡単にできてしまうと考えられることもあるようです。

以前は構造的にもATとMTで違いを持たせていないことが多く、いわゆる互換性が高かったという面もあるわけですが、それが徐々に新しい年式になってくると、ATとMTでの互換性も少なくなり、載せ換えも容易にはできないという例も出てきます。

このあたりは、車種ごとに設計も異なる部分ですから、情報収集は慎重にされたほうがいいと申し上げておきます。

そもそもMTのないアリストをMT化するには?

トヨタ アリスト S300

サーキットでのドリフト走行などで人気の高い、トヨタ アリスト。このクルマはセダンでありながら走り重視のクルマですから、MT化のニーズがかなり多いようです。しかしもともとアリストにはMTがなく、ATのみの設定。これをいったいどのような方法でMT化するのでしょうか。

マニュアルトランスミッションをどこから引っ張ってくるかといえば、そう!ご存知スープラのものを流用します。エンジンなど共通性のある車種ですから、比較的簡単にアリストにもフィットさせることが可能とのこと。

クラッチ機構やフライホイール、ペダル類、このあたりもスープラ。しかし、アリストの長いホイールベースに適合するプロペラシャフトは存在しないため、溶接などをしてワンオフするしか方法がないようです。

また、ATしかないアリストですから、内装の加工は当然のこととして、標準の足踏み式パーキングブレーキも、レバー式をコンソールに新たに設置する必要があったり、それらにためのフロアパネルの加工が必要になったりと、かなり大掛かりな作業になりそうです。

エンジン側の調整や、例えばドリフトにはあまりありがたくない後輪のステアシステムをキャンセルさせるなどの、諸々の調整を含めるとその費用は100万円を軽く超えそうな勢いです。

ただし、以前はこうした改造というのはあまりやる人がいなくて手探り状態に近かったものが、最近ではある程度数をこなしているショップも多く、きちんとしたノウハウを持ったところに依頼すれば、そう難しい改造ではないということです。

もちろんそのためにお金はある程度積まなければならないわけですが、やってできないことではないという印象です。

こうした事情を見てみると、マニュアルの新車が減って、載せ換えでしかマニュアルを選択できない…もしかすると、すでにそのような時代に突入つつあるということなのかもしれません。

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