走りで評価するVW e-Golfの実力【試乗】

近年ますます人々の注目を集めることになっているのが、電気自動車(EV)です。EVって電気で動くクルマでしょ?と言えばその通りなのですが、20世紀を代表する産業が内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン)を中心とした自動車産業であったのに対し、21世紀をリードするのは間違いなくEVだと言われているくらい、革新的なものなのです。2018/6/11

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EVがもてはやされている理由
e-Golfのスペック
GTIかe-Golfか
VW e-Golf

EVがもてはやされている理由

近年になって突然EVがもてはやされはじめたのはなぜなのでしょうか?1つは、環境問題への対応という、人類が直面している世界的な課題に対する解決策という側面があります。より具体的に言えば、世界最大の自動車市場である中国を筆頭に、多くの国で環境規制が厳格化される傾向にあり、そもそもEVでなくては販売することができないという状況になりつつあるのです。

もう1つは、自動運転やシェアリング・エコノミーといった、これからのテクノロジーと相性が良いからです。スマートフォンに代表されるテクノロジーの進歩によって、完全無人の自動運転による移動のツールとしてだったり、あるいは共同でシェアリングをするようなものになったりと、これまでのクルマとは異なるものになることは明らかです。そうしてテクノロジーが増えていくにつれて、電力供給や充電といった面でEVに優位性があるのです。

とはいえ、一般の人々にとっては、EVと言われてもピンとこないのも事実です。ハイブリッドカーは市民権を得たと言っても過言ではありませんが、EVはもとよりPHVもまだまだ知名度がありません。現在、日本で新車で購入できるEVは、日産・リーフ、テスラ・モデルSとモデルX、BMW・i3、そして今回紹介すVW・e-Golfなど、ごくわずかです。また、補助金や税制優遇があるとはいえ、ガソリン車に比べて車両本体価格が高いのも足を遠ざける原因です。そして何より、給電スタンドの少なさも含めた航続距離への不安があります。このように、爆発的に普及するためにはまだまだ乗り越えなければならない壁が多くありますが、今回紹介するe-Golfのように、一度乗ってみていただきたいと思えるクルマも出てきました。

VW e-Golf

e-Golfのスペック

VW・e-Golfは、2013年9月のフランクフルトモーターショーで発表されました。世界の自動車メーカーの中では比較的早いEVの市販車発表だったと言えます。日本では翌2014年の10月にいったん発表したものの、航続距離の問題などによって全世界的に販売見直しがなされたため、実際に発売されたのは2017年10月になってからのことでした。この時、航続距離は301kmでした。

見た目は、世界的なベストセラーカーであるGolfとまったくといっていいほど同じです。強いて言うならば、青がワンポイントカラーとして使用されていることですが、ひと目見ただけではなかなか見分けることは難しいでしょう。実はこの点が、これまでのEVと違って画期的だったのです。

日産・リーフやBMW・i3、そしてテスラのクルマたちなどは、どれもEV専用設計のボディに加え、エクステリア、インテリアデザインとも革新的で、いかにも未来のクルマといった感じでした。それはそれでひとつの戦略だとは思いますが、もしガソリン車と同じように普及するとしたら、「普通のクルマ」も絶対に必要です。その名の通り大衆車を製造してきたVWだからこそ、限られた人のためのEVではなく、普通のクルマとしてのEVとしたのでしょう。それは、EVが普及するステップとして必ず通る道です。そういった意味で、e-Golfは画期的だったのです。

VW e-Golf

GTIかe-Golfか

EV特有のシームレスな加速は、EVの魅力の1つです。ゼロ発進から最大トルクを発揮するEVは、チューニング次第ではガソリン車とは比べ物にならないほどの加速をします。EVというと上述の通り環境問題と関連して語られることが多いですが、本来、EVのドライバビリティはとても高いのです。

VWも、人々に運転する楽しさを与え続けてきたメーカーの1つです。Golfが世界中の自動車メーカーのベンチマークとされているのも、その走りの良さが大きな要因です。したがって、e-Golfのおいてもドライバビリティは相当に研究されているようです。

発進時の加速の良さは、EVの特性を存分に活かし、シームレスかつ伸びやかな走りを実現しています。一方で、EVの欠点の1つとして、中高速域での伸びがないことが挙げられますが、e-Golfの場合、巧みなパワーコントロールによって、日本国内で想定される速度域に関しては高速道路も含めてまったく力弱さは感じられませんでした。200km/hを超えるような最高速チャレンジにおいてはガソリン車に分があるかもしれませんが、日常使用ではまず不満はありません。

VW e-Golf

ハンドリングや走行安定性、サスペンションの具合といったいわゆる乗り心地に関する部分についても抜かりはありません。それはそうでしょう。ベースはあのGolfなのですから。このクルマの全体的な完成度の高さは、ベースがGolfであるということをお伝えすればそれでじゅうぶんと言えるのではないでしょうか。

e-Golfに関して言えば、Golfのエコバージョンではなく、GTIのような上級モデルの1つと考えると良いかと思います。実際、GolfでありながらふつうのGolfよりも付加価値が付いているという意味では、GTIと並べて考えるべきものです。

実際にはEVの普及はまだまだ時間がかかるとは思いますが、条件さえ整えば、今現在でもe-Golfはおすすめのクルマです。

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