古い車を愛でよう!マツダ、レストアサービスを開始!

マツダブース(東京モーターショー)

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かつてロータス・エランが築いたライトウェイト・オープンスポーツに再び光を当て、世界中の自動車メーカーに大きな影響を与えた名車、マツダ ロードスター。

その初代モデル、NAロードスターのレストアサービスをマツダ自身が始めたと話題になっています。
Chapter
マツダブースでの、ちょっといい話
クルマ文化を守れ!マツダの決断
前例が無いわけでも無い
誰にでもできる事では無い

マツダブースでの、ちょっといい話

このニュースを見た時、あるネットでの書き込みを思い出しました。

それは昨年の東京モーターショー2015であったか、今年の東京オートサロン2016であったか、マツダブースに、ある人物が訪れます。マツダの展示担当者と話しているうち、その人物は初代NAロードスターのオーナーだと明かし、愛車の不調、復活するには何か良い方法が無いものかを、相談しました。

通常なら当たり障りの無い回答で話は終わりでも不思議ではありません。しかし、そこで思わぬ出来事が起こります。マツダの担当者は他の社員を呼び、不調の初代NAロードスターを復活させる方法が無いか、なんとその場で議論を始めたのです。

最初に相談を持ちかけた人物は呆気に取られ、結局その場で結論は出なかったものの、感動してその話をネットに書き込みます。

そんないかにもマツダらしいエピソードを目にしてから、数ヶ月がたちました。

クルマ文化を守れ!マツダの決断

2016年8月5日、幕張メッセで開催された「オートモビル カウンシル」というイベントで、現在のマツダ ロードスター開発責任者、中山 雅氏が驚くべき発表をしました。

「古いクルマを愛でるという文化を日本の社会に育んでいくことに挑戦したい。初代ロードスターのレストアサービスとサービスパーツの維持、供給について、マツダとして正式に検討を始めた。」

初代NAロードスター生産終了から18年目の大事件です!

クルマの純正部品供給には、限りがあります。販売不振や部品メーカーの事情で早々に供給停止になったり、逆に後継車でも使われて供給継続される部品もありますが、通常は15年を過ぎた頃から維持が難しくなるのです。

元々マツダは「物持ちがいい」メーカーで、1990年代に至るまでT2000(1974年に生産終了した三輪トラック)の部品が出ると言われていましたが、それでも旧車レストア目的で部品の維持供給を始めるとは、驚きでした。

前例が無いわけでも無い

古いクルマの維持や性能回復を目的とした活動には、前例が無いわけではありません。

ホンダは初代NSXのリフレッシュプランを2016年3月まで行っており、現在一時休止中なものの、2016年10月より再開予定としています。

日産もメーカー本体ではないとはいえ、ニスモや日産プリンス東京モータースポーツ室で、BNR32以降のスカイラインGT-R、初期R35 GT-Rのリフレッシュプランを提供しています。

しかし、これらはスーパーカーやそれに準ずる高性能車の話であり、大量生産された量産車で行われるケースというのは、日本初ではないでしょうか?

誰にでもできる事では無い

自動車メーカーも利益を上げるために存在する組織であるため、古いクルマの部品をいつまでもストックしておく事は、保管にかかる費用や、現役時代とは異なる少量生産など、コスト増加要因となり、嫌うものです。

ましてや、旧車は消耗品として新車に買い換えてもらわないと、メーカーとしての存在意義にも関わってきます。それでもマツダが初代ロードスターのレストアを始めるのは、昔と違い新車が売れにくい世の中で「メーカー」としてのあり方を変える事で生き残りを図るという目的もあるでしょう。またそれだけではなく、ロードスターが「マツダの魂」という資産と認めたからこそ、できる事です。

世の中に名車は数あれど、それを生み出したメーカーが、これぞわが魂と言えるクルマやメーカーがどれほどあるでしょうか?

そう思うと、ロードスターも、それを生み出したマツダも、そしてそのオーナーも、みんな幸せだと思います。他社のファンからは、とてもうらやましい話ですね。

なお、初代ロードスターのレストアサービスは2017年後半開始を目指しているそうです。
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