EQファミリーを核としたメルセデスの現在

2019 TMS メルセデスベンツ

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ここ数年、輸入車の販売が停滞するなか、好調な売上を維持し続けているメルセデス・ベンツは、2台のアジアプレミアと、4台のジャパンプレミアとなるモデルを公開しました。なかでもメルセデスを含む自動車業界が推し進めているCASE戦略の核となるものが、車両の電動化。メルセデスでは、EQシリーズがそれにあたります。

EQとは、エレクトリックインテリジェンスを意味しており、EV・燃料電池車・プラグインハイブリッドなどの電動モデルと、電動化に伴う新技術・インフラストラクチャー・関連サービスなどを包括するものです。

それを受けてダイムラーでは、2019年内に20のEVとプラグインハイブリッドモデルを導入し、2030年までには、その販売比率を50%まで引き上げることを明言しています。そのイメージを牽引するコンセプトモデルが、ビジョンEQS(Vision EQS)です。

写真・宮越 孝政

CarMe編集部

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CarMe編集部
Chapter
メルセデス・ベンツ Vision EQS
メルセデス・ベンツ GLC F-CELL
メルセデス・ベンツ E350de
メルセデス-AMG A 45S 4MATIC+
メルセデス・ベンツ V220dアバンギャルドlong
smart EQ fortwo

メルセデス・ベンツ Vision EQS

今回アジアプレミアとなったビジョンEQSは「持続可能な現代的ラグジュアリー」のビジョンを形にした21世紀の100%電動ラグジュアリーセダンであり、デザインは新しいベンチマークを設定しています。

フロントからリアまで、ダイナミックに弓形でフォルムを形成するワンボウ型デザインは、堂々たる存在感を示しながら、実際よりも車高を低く見せることに貢献しています。

ランプ類はすべてLEDで、フロントのメルセデス・ベンツEQファミリーのトレードマークとなっているブラックパネルグリルは、940個の個別に起動するLEDとスリーポインテッドスターで構成。ボディーと完全に一体になったテールランプは、229個の独立したLEDから構成されます。

さらにボディーを取り巻く‟lightbelt”やデジタル LED マトリックスグリルなどによって、ビジョンEQCは光のシグナルで周囲とのコミュニケーションを行えることがトピックです。

室内は、メルセデスのアップアラウンドデザインを進化させたもので、乗員を包み込むようにすることで、安心感を持たします。搭載されるMBUXシステムは、乗員全員が個別にやりとりできるようになり、それぞれが異なった仕方でドライブを楽しめるようになります。

気になるパフォーマンスは、総合出力350kW以上、0-100km/h加速に要する時間は 4.5 秒足らずと、スーパースポーツカー並み。航続距離は、WLTP サイクルで最長700kmとアナウンスされています。

メルセデス・ベンツ GLC F-CELL

GLC F-CELLは、水素を燃料にして発電し、その電気を動力とする燃料電池車でありながら、回生ブレーキによる発電に加え、外部充電も可能なプラグインハイブリッドです。

水素は、リアシート下部とセンタートンネル部に合計約4.4kgを充填することが可能で、水素のみでの航続距離336km。くわえて交流普通充電を利用したり、回生ブレーキにより発電した電気を13.5kWhのリチウムイオンの高電圧バッテリーに充電することも可能となっています。

バッテリーのみでも最長41kmを走行することができます。つまりGLC F-CELLは、燃料電池とバッテリーの両方をエネルギー源として利用することが可能な燃料電池車であり、これにより短距離走行では水素を使用せず、バッテリーの電気で走行。

水素が不足した場合でも水素ステーションまで充電された電気で走行したりするなど、実用的な使い勝手を不安のないレベルにまで向上させています。

デザインは、GLCクラスのそれですが、フロントグリル・サイドスカート・リアバンパー・ホイールにEQブランドを象徴するブルーのアクセントが配されるほか、フロントバンパーは専用デザインとなっています。

販売は、現在のところインフラの整備されたEUと日本のみで、日本国内のデリバリーは2020年中ごろになる予定です。

メルセデス・ベンツ E350de

日本初のクリーンディーゼルプラグインハイブリッド乗用車となるE350deは、最高出力143kW(194PS)最大トルク400Nmを発生する2.0L直列4気筒クーリンディーゼルターボに、最高出力90kW(122PS)最大トルク440Nmのモーターが組み合わされており、システム総合出力は225KW(306PS)の最高出力と440Nmの最大トルクを発揮します。

リチウムイオンバッテリーは、13.5kWhの容量で、モーターのみでの走行は50kmを可能としています。

フライバイワイヤー式のアクセルペダルには、EVモード走行中にアクセルを踏み込みすぎてエンジンが始動するような条件のとき、モーターの限界点でアクセルペダルの抵抗を高めてドライバーに知らせるプレッシャポイント機能。

走行中に先行車両との車間距離と速度差を計測し、ドライバーの不要な加速を知らせるダブルパルス機能という2つの機能が装備され、効率の良いドライビングを促します。E350deのデリバリーは、2019年12月以降です。

メルセデス-AMG A 45S 4MATIC+

2ヶ月ほど前に海外試乗会が行われ、すでに各メディアで紹介されている最強のAクラス、メルセデス-AMG A 45S 4MATIC+がついに日本上陸をはたしました。

エンジンは、新設計の2.0L直列4気筒ターボで、改良されたターボチャージャーと電子制御ウェストゲートにより、最大過給圧は2.1barとクラス最高の値を実現。それにより、最高出力310kW(421PS)と最大トルク500Nmという、コンパクトクラスとしては途方も無いパワーを発生しています。

その大パワーを効率良く路面に伝えるのは、パフォーマンス志向にアジャストされたAMG 4MATIC+。前後トルク配分は、100:0から50:50まで変化するとともに、新型のリアデフに内蔵された電子制御式のAMGトルクコントロールにより、前後にくわえて左右後輪のあいだでも状況に応じた配分を行います。

シャーシはフロントまわりを中心に補強を行い剛性アップ。ボディーのねじれ剛性を高めました。

モーターショーでお披露目されたサンイエローのA 45S 4MATIC+は、発表記念特別仕様車で、マットブラックの19インチAMGマルチスポークアルミホイール、エクステリアのハイグロスブラック仕上げとされたフロントグリルルーバー、サイドスカートインサート、サイドミラーハウジング、リアディフューザー、エキゾーストエンドなどが専用装備となります。

メルセデス・ベンツ V220dアバンギャルドlong

2015年にフルモデルチェンジを行った現行Vクラスは、フェイスリフトを敢行。装いも新たにデビューします。基本設計はそのままに、エアインテーク周りを中心にフロントフェイスを刷新し、スポーティーなイメージを強めたエクステリアに、高級感を高めたインテリアがポイントです。

特に、オプション設定されるエクスクルーシブシートパッケージでは、2列目にヘッドレストクッション、オットマン、リラクゼーション機能、シートヒーターおよびシートベンチレーターなど備えたキャプテンシートを装備。これまで以上に上質な室内空間を実現しました。

エンジンは、2.2L直列4気筒クリーンディーゼルで、2基のターボチャージャーなどにより最高出力120kW(163PS)と、最大トルク380Nmを発生。トランスミッションは、7速ATを組み合わせています。

smart EQ fortwo

EQファミリーの末弟となるスマート EQ フォーツーは、上位機種のようなロングドライブを想定したものではなく、シティコミューターとしてパッケージされたEVです。

リアに搭載されるモーターは、最高出力60kW(82hp)と最大トルク160Nmを発生。3つの高電圧モジュールと96個の高電圧セルから構成されるリチウムイオンバッテリーの容量は17.6kWhで、159km(NEDC)の後続距離を可能としています。

日常のアシとして、オプションの車載充電器は三相充電が可能であれば、充電状態が10%から80%まで40分以下で可能とするなど、充電方式を簡便にしていたこともポイントとなっていますが、これはヨーロッパでの話。日本仕様がどのような充電方式になるのかは不明です。

いずれにせよ、1回の充電で100kmを超える航続距離は、日常のアシとしては十分すぎるといっても過言ではありません。地球環境に関心の高いユーザーには、大いに気になるモデルとなるでしょう。
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