キーワードは「BOLDER」。スバルの新デザインを示す「VIZIV ADRENALINE CONCEPT」がついに全貌を現した

スバル VIZIV ADRENALINE CONCEPT

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スイスと言えば永世中立国として知られているが、自動車業界の中でも中立的な立場とされ、毎年3月に開催されるジュネーブモーターショーには多くのメーカーが刺激的なニューモデルやコンセプトカーを出展している。

2019年3月5日、ついに開幕した第89回ジュネーブモーターショーにおいてスバルはコンセプトカー「SUBARU VIZIV ADRENALINE CONCEPT(スバル ヴィジヴ アドレナリン コンセプト)」を世界初公開した。

文・山本 晋也

山本 晋也|やまもと しんや

自動車メディア業界に足を踏みいれて四半世紀。いくつかの自動車雑誌で編集長を務めた後フリーランスへ転身。近年は自動車コミュニケータ、自動車コラムニストとして活動している。ジェンダーフリーを意識した切り口で自動車が持つメカニカルな魅力を伝えることを模索中。

山本 晋也
Chapter
新しいデザイン表現初のコンセプトカーが登場
次世代デザインのキーワードは「BOLDER」
ホワイトアクセントでホイールとタイヤが一体化

新しいデザイン表現初のコンセプトカーが登場

VIZIVというのは、「Vision for Innovation」を語源とする造語で、ここ数年スバルが生み出してきたコンセプトカーに使われている名前。遠い未来であったり、近い将来であったり、ともかくスバルの向かう先を示している。そうした目線で「VIZIV ADRENALINE CONCEPT」を眺めると、けっして遠くはない未来への指針となっていると感じる。

全体の雰囲気としてはSUBARU XV(海外名:クロストレック)の次世代型のように思えるのは、おそらく鮮やかなブルーのボディカラーゆえであろうし、またコの字型シグネチャーのヘッドライトや昴の六連星をかけたヘキサゴン(六角形)グリルといったデザインアイコンが現行モデルの発展型に見えるためでもあろう。

次世代デザインのキーワードは「BOLDER」

しかし「VIZIV ADRENALINE CONCEPT」のデザインは従来とは異なっている。これまで「Dynamic&Solid」をデザインキーワードとしてきたが、このコンセプトカーでは新しい方向性を示す「BOLDER」というキーワードに沿ってデザインされているというのだ。

ボディサイドに配されたクラッキング(樹脂パーツ)を大胆に配することでアクティビティを表現、クロスオーバーSUVらしさを際立たせている。
さらに、よく見ていけばボディそのものがワイドでダイナミックなフォルムとなっていることが確認できる。

サイド面には3本のキャラクターラインが見えるが、一番上のLineはフロントフェンダーを引き上げて、いったんボディ面に沈む込み、ふたたびリアフェンダー部分で顔を表すといった処理となっているのは、これまでのスバル車にはないアイデアに見える。

これこそ「BOLDER」が目指したひとつの姿と理解していいだろう。

ホワイトアクセントでホイールとタイヤが一体化

ボディサイズは、全長4,490mm×全幅1,900mm×全高1,620mm。寸法的にはインプレッサ系につながるコンセプトカーといえるが、新しいデザインキーワードのデビュー作であるから、様々な要素が詰め込まれていると捉えるのが妥当だろう。

左右分割型ガラスルーフや、ルーフパネルをシルバーとして骨格の強さを感じさせる処理も新しいデザインキーワードの目指す世界を示す要素だろう。

また、エンジンフード後方に開けられたダクトが何を示しているのも気になるところ。左右対称に開けられている点からしてスバルのコアテクノロジーである「シンメトリカルAWD」との関連性を感じさせる。タイミング的には電動化に伴って必要になる冷却系と考えるとしっくりくる。
ディテールのアイデアとして注目したいのは足元だ。ホイールのスポークとタイヤのホワイトアクセントをあたかもつながったように表現することで、エアボリュームのあるSUV用タイヤの力強さと、大径ホイールのスポーティさを両立したユニークな表現といえよう。

アクティブマインドを持つ人の「大自然の中を想いのままに走り廻りたい」という気持ちを駆り立てる、そのような新しいスポーツヴィークルを表現したというスバルの新コンセプトカーは全体としての新しさを感じるとともに、細部の情報を読み解きたくなる魅力あふれる一台といえる。

VIZIV ADRENALINE CONCEPT

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