選んだのは、最新のディーゼルエンジンを搭載したボルボXC60

ボルボというメーカーのイメージは、やはり質実剛健なところにある。ボルボクオリティと呼ばれる安全基準は、何時の時代でもトップレベル。それでいて、ドライバビリティに優れ、どんなに長距離を走っても疲れず、しかも楽しくドライブできるところが凄いのだ。この最新型XC60は、新世代のディーゼルエンジンを搭載しているが、今まで僕らがイメージしてきたディーゼルエンジンフィーリングとはまったく違う、静粛性とスムーズな走りを約束してくれるものだった。インテリセーフと呼ばれる各種センサーも充実。ドライブアシストも、とても高水準にある。

  • 造りはまるで、北欧製高級家具のようだ

    インテリアは、非常に上質で質感も高い。インパネの各種メーターはクラシカルなアナログ表示。時を経ても、変わらなくて良い部分は基本的に変化しない、それがボルボの答えであろう。また、例えばバックドアを支えるダンパーの太さや、ドアのウェザーストリップを二重にする構造など、長く快適に乗るための装備が徹底されている。トランクルームは最後部まで段差のない吐き出し構造で、荷物の積み下ろしがハードな状況もフルサポートする。

鎌倉のディープスポットから始める郊外デート

僕は普段のデートでクルマを使うことはあまりない。都会での生活に慣れてくると、どうしても効率のよい生活パターンになりがちだし、一緒にお酒を飲むということを考えると、そのほとんどが電車やバスを使っての移動になるのだ。しかし、本来僕が気持ち良いと考えるクルマでのドライブデートや、郊外に出かけて彼女と過ごすという、言わば普段とは少し違う環境を楽しむための時間を作りたい。だから今回は、今後の生活を長く共にするであろう最新のボルボで、彼女を誘うことにしたのだ。横浜の赤レンガ前で待ち合わせた僕らは、一路鎌倉を目指した。新車を購入したことは聞かせていなかったので、彼女は少し驚いた表情を見せたが、すぐにいつもの様に柔らかい笑顔が戻って、僕らはスタートした。

幸せ祈願は、歴史のある銭洗弁天で

横浜から鎌倉までは自動車専用道路を使う。一般道でもそれほど時間のかかる距離ではないが、ラグジュアリーな乗り心地を程よいスピードで味わうのに、信号の無い有料道路は当然の選択である。常に静かなクルージングを続けるボルボXC60の車内は、まるで日差しの温もりが気持ちの良いリビングルームのようである。
鎌倉は小道の多いエリアだが、そこもXC60の様々なドライブアシストのおかげで、緊張もなく走り抜けられる。特にオートブレーキは、危険回避には本当に有効だった。
目的地の銭洗弁天では、彼女は少しはしゃぎ気味。引いたおみくじを彼女は見せてくれなかった。でも笑顔が結果を語っていた。

暖かい陽だまりで食べるランチなら、冬でも大丈夫

山の中にお寺や神社が数多く存在する鎌倉の小道を抜けて、いよいよ海岸線に出る。鎌倉を後にして海岸を右折、左に海岸を見ながらほんの少し走った場所に、アマルフィイ•デラ•セーラがある。パーキングにクルマを停め、江ノ島電鉄の線路を超えて、急な階段を上がる。ハイヒールの彼女をアシストしながら一気に登ると、大きなテラスを持ったレストランが出現するのだ。ランチは、地元の魚介類を使ったシーフードも選べて、イタリアンなピザやサラダもおいしい。海に目を移すと、すぐ近くに江ノ島が眺められて、料理が来るまでの時間も楽しく過ごすことができた。やはり都会でのデートでは味わえない楽しさが、ここにはある。

クルージング性能を徹底的に追求したSUV

インテリセーフと呼ばれる数々のドライバーアシスト機能は、どんな状況でも安全で快適なドライブを約束するものだ。高速域で威力を発揮するのは、積極的に走行車線をトレースしサポートする「レーン•キーピング•エイド」機能。車線を逸脱しそうになると、ステアリングが振動して警告をする。通常は穏やかな修正を加えて、車線キープをサポートしている。そして、前走車に安全な間隔をキープしたまま追従する機能もある。もちろん、ストップすれば、こちらも停止。渋滞時などには特に疲労軽減できる高機能な装備なのだ。

最終目的地は湯河原の『山翠楼』。老舗旅館である

小春日和とはいえ、日暮れは早い。湯河原に到着した時にはすっかり陽が落ちていた。とはいえ、時刻はまだ夕方の6時前である。夕食までには時間があり、落ち着いて温泉に浸かる余裕もある。この旅館を選んだ理由は、やはり今回のドライブデートに似合う宿ということ。そう、今日は僕らの記念日であり、これから僕らの生活と共にあるXC60でやって来たのだ。ボルボが創りだすクルマのコンセプトでもある、長い時間を共に過ごすという大切なことを彼女に伝えたくてここまで来た。夕日を眺めながら海岸道路を西へ走り、伊豆の東海岸を南下。
最後はすっかり日の暮れた山道を上がって、老舗旅館にたどり着く。夕日を見ながらのドライブは、普段のデートよりも会話が弾む。そんな素敵な時間を、この先もずっとふたりで感じていたい。僕らの未来の為のクルマがXC60で良かった、僕は心の底から本当にそう思った。

自分の人生のどのタイミングで選ぶクルマなのか

「どうして、このクルマを選んだの」と彼女に聞かれた。今までのクルマ選びは、完全に僕の趣味で、時にはハードなRVや2シーターのオープンカーなどにも乗ってきた。つまりクルマとは、自分を写す鏡でもある。実は、その点では今でもまったく変化しているつもりはない。だからこそ、このXC60を選んだのだ。彼女と付き合い始めてちょうど1年。優しくて思いやりのある彼女の魅力にどんどん吸い込まれて、僕にとって特別な存在になった。一生付き合って行きたい女性として、彼女を見ていると、この先を共にするクルマは"僕の"クルマではなく、"僕らの"クルマでなくてはならないと思ったのだ。僕らの歴史を共に過ごせるクルマとして、選んだのがこのボルボXC60なのである。
夜になった湯河原の山道を走行しながら、対向車を感じてハイビームから自動的にロービームへと切り替わる瞬間、僕はこのクルマに優しさを感じた。安全で楽しく、常に心を躍らせるような毎日を共に過ごすために、僕らはこれからも、このボルボXC60と共に過ごすだろう。

写真・文 森下光紹(モリヤン)