あなたは知ってる!? ブレーキチューニングで気をつけるべきこと6選

ブレーキ

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チューニングで手をつけやすいところと言えばサスペンションやアルミ、タイヤなどともにブレーキチューンも定番。パッドを変えるだけでなく、さらにチューニングを進める人も数多いのですが、その際に気をつけた方がいいポイントを抑えておきましょう。
Chapter
1.パッド交換は、ノーマルの性能を把握してから
2.パッドとローターは同時交換がベスト
3..ローター交換直後の効きの悪さに慌てない!
4.4輪全てでエア抜きを忘れずに
5.ドライブシャフトのグリスには要注意!
6.ブレーキは闇雲にチューンすればいいわけではない

1.パッド交換は、ノーマルの性能を把握してから

ブレーキチューンの定番と言えばやはり「ブレーキパッド交換」ですが、それを考える前にひとつ把握しておかなければいけないのが、ノーマルの性能。

最近のクルマではあまり無い「競技ベース車」の場合、最初から交換を前提としたパーツはそのモデルの1番安いプアなパーツが使われている事も多々あります。

エンジンやタービンなど容易に交換の利かないパーツと違い、競技ベース車ではどのみちユーザーの好みや出場するイベントに合わせたカスタマイズが行われるのが当たり前なので、そうしたクルマでは「何でもいいからタイヤが4つついていて、最低限の移動ができれば後はどうでもいい。」という割り切ったパーツチョイスがなされているので、極端な話ノーマル状態ではブレーキを踏んでもロクに止まらないモデルすらあります…。

そうしたクルマで「スポーツグレードのはずだから高性能パーツがついている」と思い込み、アフターパーツの交換でも闇雲に高いパーツを買ってしまう人もいます。

しかし、現実には単に「どうでもよいブレーキパッド」がついているだけのケースがあるので、単に上級グレード用の純正品や、何でも良いので社外品の適当に安いパッドを使うだけで劇的にフィーリングが改善する事があるのです。

パッド交換はまず、そのブレーキの基本性能を把握するために、安価な製品から試してステップアップした方がいいでしょう。

2.パッドとローターは同時交換がベスト

ほぼ新品同然か、消耗しきる以前にパッド交換するならば話は別ですが、ある程度消耗したブレーキパッド、それも効きが良い代わりにローターへの攻撃性が高い、つまりローターをすり減らすようなパッドの交換を行う場合は、パッドと同時にブレーキローターも一緒に交換するのがベスト。

高性能スポーツモデルの場合は2枚のブレーキローターの間に排熱のための空間を設けたベンチレーテッドディスクだけでなく、その内周に吸気口まで設けてさらに排熱性能を高めたブレーキローターなどもありますが、通常のベンレーテッドディスク程度ではパッド自体の摩擦力による消耗だけでなく、摩擦熱で反り返る事も珍しくありません。

排熱構造の無いソリッドディスクであればなおさらで、少しずつ歪んでくるのでパッドもそれに合わせて消耗し、結果的にローターとパッドの当たり面が出ていますが、新品パッドはその当たり面が出ていないので、ローターとの接触面積が極端に減ってしまいます。

歪みが少なければローター表面の研磨で平面が復旧する事もありますが、それに無理があるほど歪んでいれば、ローターも交換しましょう。

3..ローター交換直後の効きの悪さに慌てない!

新品ローターへ交換した際の注意点ですが、メーカーによるものの保管中の保管防止のため、表面に保護膜が塗布されている事があります。

薬剤等で除去する事も可能ですが、場合によってはそのまま組んでしまう事もあるかもしれません。

その場合、とりあえず走り出してフルブレーキングを一発行えばもうもうたる煙とともに保護膜が熱で溶けて剥がれますが、そこまでは若干ブレーキの効きが性能通りに出ない事や、ブレーキローターから白煙が上がったりしますが、慌てないようにしましょう。

4.4輪全てでエア抜きを忘れずに

ブレーキ関係のパーツを交換する時には、ブレレーキフルードの「エア抜き」が不可欠ですが、この時に4輪全てで確実に行う事を忘れないようにしましょう。

最初からエア抜きを忘れてほとんどブレーキが利かないというのも怖いですが、どれか忘れて左右のブレーキバランスが崩れたりすると、高速走行中にブレーキを踏んでいきなり横っ飛びする事もあります。

大抵、高速で効きの良いブレーキングを行う時は直線なので横っ飛びで済みますが、コーナリング中に片効きを起こすと、最悪スピンするかどアンダーで崖の下です。

5.ドライブシャフトのグリスには要注意!

ブレーキに潤滑油など滑るものを塗らないのは常識以前の問題ですが、それが走行中の不具合で発生するケースもあります。

それがドライブシャフトブーツの破損で、最悪の場合は破損したブーツから飛び散ったグリスがブレーキにまとわりつき、ノーブレーキ状態になります。

左右同時に起きる事は希で確実に片効きになるので、とんでもない事故の元になります。

筆者の場合は、富士スピードウェイの1コーナー(右コーナー)侵入で右前輪のドライブシャフトブーツが破れ、ノーブレーキになったので右コーナーなのに左に横っ飛びした事があります。そうなると、スピードを抑えて後輪のパーキングブレーキをうまく使いながらピットインまで頑張るしか無いので、そうなる前にドライブシャフトブーツも日頃の点検に入れておきましょう。

6.ブレーキは闇雲にチューンすればいいわけではない

最近のコンパクトカーでありがちですが、リアは大抵ドラムブレーキなので、フロントだけはとにかくブレーキの利きを良くしようと、ブレーキローターもキャリパーも変えて大径化するなど、バランスを考えない強化はちょっといただけません。

確かに、直接的なストッピングパワーは上がりますが、それはクルマにとって重要な「止まる」能力だけしか向上しないからです。

ブレーキはブレーキペダルを踏む力によってコントロールする事で、コーナリングの姿勢を制御して「曲げる」、ひいては速く「走る」事でも重要なパーツなので、闇雲にフロントのブレーキだけ強化しても意味が無いからです。

それくらいならばパッドで微調整して、それでも足りないと思えば同じ径のスリットローターやドリルドローターという選択肢もあるのですから、ブレーキチューンは慎重に行いましょう。
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