ボディ剛性を高める!? ストラットタワーバーのメリット・デメリットは?

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ボディ剛性は、車の性能を計るうえで重要なポイント。馬力や燃費性能と異なり、具体的な数値で表すことができません。正直、乗ってみないとわからない部分も多く、乗ってみた結果のフィーリングで多少判断できます。自動車購入後でもボディ補強は可能です。その中でも簡単なものがストラットタワーバーの利用です。今回はタワーバーの効果を見ていきましょう。
Chapter
ボディ剛性が低くなりやすい部位
そこでタワーバー
ではそのメリットは?なぜ純正装備しないの?
タワーバーを入れるメリット
純正導入しない理由は?
インプレッサにタワーバー入れてみました!【動画】

ボディ剛性が低くなりやすい部位

クルマは前後左右にねじれながら走ります。車両の四隅にタイヤが配置されており、タイヤとサスペンションを支持するストラット取り付け部分には非常に大きな力が加わります。

加速をしている時は後ろに、減速時は前に、コーナリング中は左右に力が加わり、この時に僅かにねじれが発生し歪みます。特に、スポーツ走行などでは、速度が上がれば上がるほど、荷重も増えますのでボディがねじれる結果になります。

ねじれは簡単に言えば「大きな空間」のある場所に生じます。
例えば3BOXタイプの車では、乗員スペースが一番大きな空間です。次にエンジンルーム、そしてトランク部分。この3つが大きな空間と言えます。前後方向に対する剛性と言う点では、シャーシに補強を施すことや、ドア下部の部分を補強することなどにより剛性向上が狙えます。また、FRなどでセンタートンネルが通る車種であれば、これも剛性の向上に寄与します。

問題はエンジンルームとトランク部分。最近は利便性の向上のためか、リアシートとトランク部分が仕切られていない車もあるため、剛性は落ちやすくなります。エンジンルームは、エンジンが入る上に、ステアリングラックやブレーキブースターなど、多くの基幹部品がここに集中します。その都合上、上も下も空間ができてしまいます。エンジンルーム下部は、ロアフレームによりある程度構成を保てますが、どうにもならないのが上部なのです。

そこでタワーバー

そこで、ストラットタワーバーの出番。サスペンションを支持している取り付け部は、剛性が高く、強く作られています。このサスペンション支持部には穴が開いており、サスペンションのアッパー部分を取り付け可能な構造になっています。そこで、サスペンションのアッパー部分と挟み込み、かつ左右のアッパー部分をつなぐようにタワーバーを取り付けます。

エンジンルーム下部のロアフレームは上方向にかかる力に対しては有効ですが、サスペンションが縮む時の力に対してはあまり効果は発揮しません。そこで、このタワーバーで上部側を補強する事により、サスペンションの縮む力を効果的に受け止め、ボディの歪みを抑えてくれます。

同じく、トランク側にもタワーバーを配置する事で、四輪の前後左右すべての剛性が保たれ、より車本来の性能が発揮されるようになります。

ではそのメリットは?なぜ純正装備しないの?

タワーバーを入れるメリット

タワーバーを入れることで、より車本来の性能が発揮されます。まずは、剛性の高いボディになる事により、サスペンション支持部の変形が抑制できますので、おのずとサスペンションの性能をすべて使い切れるようになるのです。使いきれていなかったストロークを使えるようになるという訳です。剛性が低い場合、サスペンションがストロークする前にボディがねじれ、十分にストロークできないことがあります。

またねじれない分、ステアリングの切り始めが速くなります。即ちステアリングのレスポンスが向上すると言えます。

この二つはスポーツ走行に対しては大きく性能向上に寄与してくれるでしょう。また、サスペンション支持部の剛性が上がるため、より減衰力が高くバネレートの高いサスペンションを使うことができるようにもなります。

サスペンション支持部の剛性が低いまま硬いサスペンションを入れると、ストロークを全くしないサスペンションになってしまうため、十分にグリップしません。車高調サスペンションなど減衰力の高いサスペンションを導入したにも関わらず十分にストロークしない場合、ボディ剛性不足が考えられるため、タワーバーを導入する事でしっかりとストロークしてくれるでしょう。

純正導入しない理由は?

タワーバーにもデメリットが存在します。まずは、ストラット左右をつなぐことにより、衝突時に被害を拡大する可能性があります。

大きく硬い異物を踏んだり、少し大きめのキャッツアイを高速走行時に踏んだりすると、タワーバーが無ければ片側の歪みだけで済むのにも関わらず、タワーバーがあるとヒットしていない反対側まで歪むケースがあります。

また、ノーマルサスペンションのようにある程度柔らかい足回りでは、ストロークが増えるためロールの拡大につながります。ロールする=荷重異動量が増えますので、それを受け止めるグリップ力がないと発散する危険もあるのです。

また、ステアリングの切り始めが速くなる代わりに、ねじれが減るためステアリング切りながらさらに切り込んでも曲がらない、アンダーステアになります。これらのデメリットを考慮の上、特定のスポーツカーを除けばタワーバーの純正導入しないケースがほとんどです。
ボディ剛性は、走行時のボディの歪みを効果的に抑制し、トラクションをより多く路面に伝えるために必要です。また、自動車の安定性という意味で、運転中のしっかり感、安心感にも繋がってきます。

しかし、これもトータルでの設計が大事。剛性が高くてもストロークしない足回りやグリップしないタイヤであれば、滑るような感覚さえ覚えるようになります。剛性と足回り、タイヤのバランスがきちんと取れていると、コーナーで追い込んでいってもしっかりと路面に食いつき、前に出る車になってくれるのです。サーキット走行などでは前に出るために大事な要素と言えるでしょう。

なお、ボディ剛性と衝突安全性は似て非なるもので、衝突安全ボディ=剛性が高いではないため、注意しましょう。

インプレッサにタワーバー入れてみました!【動画】

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