なぜレーシングカーのワイパーは1本なのか?

レーシングカー シングルワイパー

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車のワイパーは、通常2本装備されていますよね。ところがレーシングカーを見ると、多くが1本だけの装備となっています。これには理由があるのでしょうか?
Chapter
レーシングカーのワイパーは1本だけ!?
レーシングカーのワイパーを1本にする理由
市販車にも1本のワイパーの車はある?

レーシングカーのワイパーは1本だけ!?

車のワイパーは、2本設置されているのが普通です。しかし、多くのレーシングカーは1本だけ。それもフロントガラスの真ん中に固定されています。

視界をできる限り確保しようと考えれば、フロントガラスの真ん中にワイパーがあるのはデメリットのはずですが、レーシングカーのドライバーは、視界の妨げを感じないのでしょうか?

なぜ、レーシングカーのワイパーは1本だけの装備なのでしょう?

レーシングカーのワイパーを1本にする理由

軽量化のため

レーシングカーの開発に、軽量化は切り離すことができません。

軽量化には、ボディパネルの変更、パーツの取り外し、ランプ類のLED化などさまざまに方法がありますが、なかには「こんなもので軽くなるの?」というパーツもあります。しかし、レーシングカーの軽量化はチリツモの世界ですから、小さいパーツでも数を集めて、軽量化につなげています。

ワイパーもそんなパーツのひとつです。2本のワイパーを1本に変更した場合、少なくてもワイパーアーム+ブレード、モーターがそれぞれひとつずつ省略できます。しかし、ワイパーを1本とするのは他にも理由があります。

空気抵抗のため

雨でもレースを行うスーパーGTなどでは、ワイパーの装着が義務付けられています。しかし、一般車のように2本を並べて配置すると、それだけで空気抵抗になりますし、それが原因となってトラブルになることもあるでしょう。

そこでフロントガラスセンターに縦向きに配置することで、通常走行時の空気抵抗を少なくしています。またレーシングカーのドライバーシートは、市販車よりもヒップポイントが低く、ドライバーの視点はフロントガラスの下方にありますから、大きめのワイパーを一本設置すれば、視界も十分に確保できるのです。

さらにドライバーが見ているのは、コースだったり前方を走る車両だったりと、ワイパーアームで隠れるようなものではないので、レース中はそれほど気にならないものと想像できます。

市販車にも1本のワイパーの車はある?

昔は、市販車にも1本ワイパーのモデルがありました。しかし、大きなワイパー1本で2本タイプと同じ効率を求めると、速度が必要になりモーターへの負担も大きく、技術的には問題点が多くありました。そこで効率の良い2本のワイパーが一般的になっていったのです。

リアワイパーは通常1本ですが、汚れによる視界不良を解消するために作動させるものなので、ガラス面の水滴を拭き取り視界を確保するフロントとは目的が異なっていますので例外です。

1本ワイパーが市販車に採用されないのは、ガラスの形状にもよりますが、1本では水滴を拭き取れる範囲が狭くなること、モーターへの負担が大きいこと、その結果1本にしても得られるメリットが少ない。といった理由からです。

市販車では、このまましばらく2本ワイパーの時代が続くでしょうね。

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